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部族化シリーズ IF その2~お姫様が鼻とかに骨ピアスして野獣イケメン部族男にご奉仕する奴隷妻になる話~

不倫要素あり
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帽子男 @alkali_acid

しばらくあたりを見回す。 「ええとどうやって覚めれば」 「…そういえば夢の覚め方ってどうするんだろうな」 「あの、あなたは僕の夢の一部ですよね?」 「逆だと思ってたが…まあどっちでもいい…おいらはただの亡霊だし…どこかに挟まって消え残ったかすみたいなものだから」 一人称おいらかよ。

2018-02-19 21:37:08
帽子男 @alkali_acid

「じゃあ、なんと呼べば」 「さあ…夜鳥(ぬえ)かな…」 よく分からない。妖怪にそんな名前のがいた気がする。 「あの、お邪魔しました」 「こちらこそ。もうこんな夢は見ないようにね」 「まあ、どうやったら見ないようにできるか分からないけど」

2018-02-19 21:38:42
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ なんかすごいうなされて起きるモトカちゃん。 「あー…これは…心理学で言うと…何…」 「むにゃ…モトカ」 「私の勝ち…」 寝台の左右両隣にそれぞれ双子の少女ナギとナタが丸くなっている。猫みたいでかわいいがろくでなし。 「うう…もーねー…」

2018-02-19 21:41:04
帽子男 @alkali_acid

あたりには片付けてない玩具が色々。本来臥所に持ち込むための品でないものも多いはずだが、たいがいは夜の遊びにさんざん使い倒す。しかも片づけない。 「はー…育て方間違えた」 元々ナギとナタは何をどう躾けても通じないことが多いが。

2018-02-19 21:42:33
帽子男 @alkali_acid

とりあえず姉妹で張り合うときは、母親の幼馴染を巻き込むのはやめて欲しい。どっちが沢山意識を飛ばせるか勝負とかは特に。 「モトカ、さんじゅうにかい、とんだ」 「さんじゅうさんかい」 寝ぼけて足を蹴り合う二人。

2018-02-19 21:44:32
帽子男 @alkali_acid

とはいえどういう理屈か、双子は氏(うじ)の男(女なのに)なので、氏の共有妻としては付き合うつとめがあるのだった。 「もー」 ついついおもちゃを片付けてしまう。洗ったり拭いたりしまったり。寝所の始末もする。 「起きて」 「おきる」 「ごはん」 「あと。まず体洗って」

2018-02-19 21:46:26
帽子男 @alkali_acid

調理中ちょっかいをかけるのはだめと言っても聞かない。 特にほかに氏の年長がいないのでやりたい放題。 「いまは私達がモトカの夫だから」 「そうそう。何してもいい」 「はいはい。今日は服を着るんだよ」 「服は嫌いだ」 「むずむずする」

2018-02-19 21:48:03
帽子男 @alkali_acid

双子の意見はともかく、モトカちゃんは服が好きだ。落ち着く。でもそれは部族化が中途半端なせいかもしれない。どうも完全に適応できていない気がする。もっとも服を着ていると氏長のユミちゃんや氏の男のスンシンなどが不機嫌になるのであまり機会がないが。

2018-02-19 21:49:38
帽子男 @alkali_acid

「服は気分が変わっていいのに。いつも同じ格好だと飽きるよ」 「戦化粧でいい」 「狩化粧でいい。めんどくさいけど」 「あれは旧人が怖がるから…」 今日は旧人と会うのだ。

2018-02-19 21:51:34
帽子男 @alkali_acid

ここは東七居住区という昔あった旧人の街の一部。旧人というのは、新人と違って弱くて寿命が短くてすぐ死ぬ昔風の連中。モトカちゃんも旧人だったが色々あって新人、部族という強くて老病を知らずなかなか死なない連中の仲間になった。でも新人ではみそっかすである。

2018-02-19 21:53:16
帽子男 @alkali_acid

しかし所属する共同体、氏(うじ)の年長ではあり、東七居住区にある氏の拠点を預かっている。ほかの氏の仲間のうち、氏長のユミちゃんとスンシン、そしてパンダのライライは南の海洋部族のもとへ出張中。ちょっとこみいった仕事でしばらく帰って来れない。

2018-02-19 21:54:59
帽子男 @alkali_acid

年少のカイとシメ、それにモトカちゃんの息子は根城であるがらくた島で留守番。ついてきたがったが、勉強が終わってない。ロボットの執事さんとメイドさんが世話している。任せて安心の有能。あとコンプータという考える機械の先生がいる。こいつはちょっと信用できないが物知りではある。

2018-02-19 21:57:09
帽子男 @alkali_acid

コンプータは最近加わった仲間?というかなんというか。 「シメ。スンシンと交配しろ」 とか言うし教育にあまりよくない気はする。 もっともスンシンが 「俺はシメの共有妻にはならん。俺はモトカの夫でいたい」 とさらによく分からない返しをしていたが。 もうこの氏の関係はよく理解できない。

2018-02-19 21:59:08
帽子男 @alkali_acid

「えー…じゃあシメが大人になる時のために、かっこいい男の人見つけてきてね」 などと年少のシメちゃんは言う。見た目は女の子ぽいが男の子。ある日空から落ちてきたシーメール。スペースシーメールだ。ついていけないと思うがそうなのだ。

2018-02-19 22:00:48
帽子男 @alkali_acid

「ああ」 「じょうぶな人がいい!こわれない人!」 「任せておけ」 かっこいい男の人は分かるがじょうぶってなんだ。こわれないってなんだ。

2018-02-19 22:01:22
帽子男 @alkali_acid

まあそんなよく分からないやりとりをしたあと、モトカちゃんの属する氏、通称がらくた屋は三つのチームに分かれて活動中である。

2018-02-19 22:02:43
帽子男 @alkali_acid

おさらいするとエースのユミちゃん、スンシン、パンダ(文字通りパンダだ)のライライは南へ。カイ、シメ、執事さんメイドさん、コンプータは島でお留守番。そしてモトカちゃん、双子は東七居住区の港。

2018-02-19 22:03:55
帽子男 @alkali_acid

「拙者もいるでござるよ!モトカママ、朝ご飯はなんでござるか…むほっ、裸エプロン…裸…エプロン…これは…拙者…眼福にござる」 あとキモオタもいる。 「アマル君。お皿出して」 日に焼けたガチムチだが技師である。みんなで旧人風の朝食。 「めんどくさい食べ方」 「めんどくさい」

2018-02-19 22:05:43
帽子男 @alkali_acid

「まあまあ。こういうのもおいしいよ」 モトカちゃんとしては双子にもなるたけ旧人の暮らしを知っておいてほしい。 「ああ…ママのご飯を思い出すでござるなあ…うう…」 アマル君はうれしそうだ。彼は旧人である。

2018-02-19 22:06:56
帽子男 @alkali_acid

「昨日言ったけど、今日はお客さん来るよ」 「ほんと急でござるな…カズヨシ殿。東四居住区の行政委員がなんの用でござろう?」 「何か鳥文じゃ結構大変な感じだったな…部略会がどうとか」 「ぶりゃくかい?なんでござるそれ」 「さあ…」

2018-02-19 22:08:32
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 「部族による略奪を許さない文明人の会」 東四居住区という栄えている街の行政委員、カズヨシは説明した。ちなみにモトカちゃんの腹違いの弟である。 「最近、居住区で勢いを増してる反部族主義の団体だよ」 「反部族主義」 「それが…防衛団にも浸透し始めているんだ…」

2018-02-19 22:10:41
帽子男 @alkali_acid

「へえ…」 興味なさそうに相槌を打つモトカちゃん。きちんと服を着てる。ブラジャーもちゃんとつけてる。化粧もしている。体の線はあまり出ないようにしている。 でもカズヨシ君は胸につい目をいかせてしまう。ちなみに彼はシスコンである。

2018-02-19 22:12:42
帽子男 @alkali_acid

「供物所で小競り合いがあったのは知ってるよね。あそこは東四と東七の居住区をつなぐ旧連邦道路沿いにある…部族化したい女性が集まったり、居住区の輸送隊による部族への貢(みつぎ)を置いたりするところ」 「聞いたな…派手にやりあったとか…密林部族と防衛団が」

2018-02-19 22:14:41
帽子男 @alkali_acid

「もともとは部略会が、供物所で部族化しようとする女性を止めようとして…そこに部族が来て…たまたま通りがかった防衛団のロボが応戦した…ということになってるけど違う…部略会と防衛団が示し合わせたみたいなんだ」

2018-02-19 22:15:57
帽子男 @alkali_acid

「ふーん…大変だね」 「大変どころじゃないんだ。幸い部族にも防衛団にも死者は出なかったけど…ほら防衛団のロボ、炒鋼改や刀焦改に例のロボシールドを搭載したおかげで」 「ロボシールド」 ロボシールドはロボのシールドだ。最近できた。

2018-02-19 22:17:37
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