【高木彬光啓蒙活動】アキカツ

お玉さんの読書マラソン新企画!本格ミステリの驍将・高木彬光の著作を角川文庫に収録された順番でゆるゆると読んでいこう、というお玉さんの自己啓発セラピー読書企画です。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、角川文庫で発売された高木彬光作品を収録順に読んでいく令和のお百度詣り「アキカツ」でございます♫ 今回はその9でございすね。霧島三郎シリーズ『ゼロの蜜月』であります。左上の目つき悪い女が、おそらく今作の悲劇のヒロイン……。結婚したその日に旦那が殺されちゃうのよ。こわいねー pic.twitter.com/z6tqGFr9ev

2019-06-28 01:40:49
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

恋愛を扱った高木彬光の推理小説というと『成吉思汗の秘密』が奇跡の領域での仕上がりで群を抜いている。続いて、執着が怨念の方向へと振り切れている『仮面よ、さらば』が浮かぶ。こんな濃ゆいイメージの沈殿だったので、『ゼロの蜜月』が案外普通の恋愛推理小説仕様だったことにビックリしたよ

2019-06-28 01:42:02
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

新型特許や囮捜査や右翼といった平常運転時の高木彬光作品で頻繁に見られる要素もあるのだけれど、犯人の思惑を知った上で読み返すと意味合いが変貌するセリフの数々、や、秘密の兄弟の数々の秘密あたりで見られる(品のある)地味な作り込みは「高木彬光って、こんなことも出来るんやΣ(゚д゚lll)」

2019-06-28 01:42:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

古典的なトリックを現代社会でも利用できないか? その際、読者に対してどういう見せ方でアプローチするのか? 高木彬光の幾つかの推理小説で試みられている命題だ。『ゼロの蜜月』でもそれが顕著で、ワザとらしく見せてる事象から連想されるパターン、そこからの更なるズラし方がかなり絶妙なんよね

2019-06-28 01:44:31
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

高木彬光的トリック空間や高木彬光的社会派設定空間を色濃く展開している隙間でシッカリと(昭和ちっくな時代性バリバリな自由恋愛感ではあるが)恋愛推理小説=恋愛エンタテインメントをやってくれている。まぁヒロインが偏屈すぎてそんなに魅力的じゃないけど、、、ね。エピローグとか素敵やねぇ

2019-06-28 01:45:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、腹部へのパンチで怯んだ隙に絞殺! といった殺人マシーンレベルの殺戮方法を犯人は用いるため、「おい霧島三郎。利害関係の調査なんかせず拳のタコとか二の腕の筋力とかを追いかけようぜ」というツッコミが終始捗る作品でもあるけどね。警察の鑑識で腹への殴打が確認できるって、どんな威力や! pic.twitter.com/vqxFHSKv8u

2019-06-28 01:46:49
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと、すっごく怪し過ぎて逆に全然怪しくない樋口クンという登場人物が、あまりにもあまりもな非モテ体現者すぎて読んでてメッチャ感情移入しちゃうんよね。エリートで鼻持ちならない描写もあるけど、ゼッタイこの人ええ人や〜ん。打算がないからこその空回り具合が本当に悲しくなっちゃうよ。頑張れ

2019-06-28 01:47:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ほんの13年前、光文社文庫での傑作選「高木彬光コレクション」にて『ゼロの蜜月』が選定された折、「えっ『密告者』『炎の女』じゃなく「ゼロ」なの??」と思ったが、20数年ぶりに読み返してみると、なるほどね。何作かの作品で試されている「とある傾向を持つ犯人」の処理も一番上手にまとまってるよ

2019-06-28 01:48:18
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

(もしかして、霧島三郎シリーズで一番好きかもしれないぞ『ゼロの蜜月』。 いやいや、ヒドいところはヒドいぞ。真相へ至るあの直接的な手がかりの隠し方とか、ちょっとダメダメじゃないかしらん?)

2019-06-28 01:49:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

……次は『密告者』なんだよなぁ。 霧島三郎シリーズの第二長編なんだよなぁ。 第三長編を先に入れるって、角川文庫の収録順、何を考えていたんだろうかのぉ

2019-06-28 01:52:11
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

私の熱い高木彬光ステマ活動「アキカツ」、はじまります♫ ふふッひ♫

2019-10-06 02:14:28
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

角川文庫に収録された高木彬光作品を刊行順でゆるゆる読んでいくアキカツ! 今回はその10、検事霧島三郎シリーズ第二弾『密告者』であります。 1970年発表作品。もう49年前の作品なのね Σ(゚д゚lll) 1975年に角川文庫収録、解説は森村誠一さんですね。彬光の証明! pic.twitter.com/lKCHYKzx9R

2019-10-06 02:14:53
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さてさて『密告者』でございます。 高木彬光の代表作としては声が上がることがほぼない作品ではありますが、高木彬光作品における様々なエッセンスをちょびっとずつで楽しむことが可能な稀有な作品だったりします。色んなお味を少しずつ頬張れる、さながら幕の内弁当じみた作品なのでありますね。

2019-10-06 02:16:40
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

社会派全盛(本当か?)の時勢という制約の中、お化け屋敷的な雰囲気を排除した上で現代的な謎を仕込んだ問題編が作れるのか? しかし、本格推理小説らしいお化け屋敷じみた無茶なトリックも仕込みたい。 論理をこねくり回すための鍵となる矛盾点にもキレが欲しいところだ。 「全部入ってるよ」

2019-10-06 02:17:40
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

社会派全盛なので当然のように現代社会における問題点にも言及したい。 社会悪に触れるからこそダークヒーローも創造せねばなるまいて。 恋愛要素も盛り込もう。 いつもの手癖で使ってしまうトリックにも一工夫を いつもの手癖で使ってしまう犯人言及手段には二工夫。 「『密告者』なら大丈夫」

2019-10-06 02:18:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

歴史要素はちょっと無いンだけど、高木彬光を読みに読んで慣れてくると、いろんな箇所で楽しみポイントが飛び出てくる作品なンだよね『密告者』 総決算というにはちょっと小粒すぎる作品なンだけど、普通の産業スパイものだと思って挑戦したら「あれれ?」となっちゃう作品かもしれないよ

2019-10-06 02:19:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

霧島三郎ものって『灰の女』を除くと、どれもこれも一見真っ当な社会派推理小説風の外ヅラなのに、その実、相当に変なコトに挑みまくっている仕様で地味にとっつきにくいんだけど、高木彬光の総集編じみた側面を持ってるこの『密告者』は、サスペンス的要素もモチのロンで含まれてるので割と読み易いぞ

2019-10-06 02:20:08
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『密告者』は構成にミスらしいミスがなく、こじんまりと、しかし、キッチリとまとまっている推理小説だ。 ミステリ大好き人間の口の端にあがる代表的な高木彬光作品、それらを読み終えた次のステップとして、作者特有の癖を集めに集めまくったため逆に薄味になっている今作は、オススメかもしれないね

2019-10-06 02:20:24
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

(感心ポイントも少ないんだけど、突っ込みどころが少ないのも『密告者』の難点かも……。 終幕近くにおけるあの殺人未遂での無茶苦茶な内容を、後日談での霧島三郎の推理でカバーするところとかは凄いの一言なんだけどなぁ)

2019-10-06 02:20:40
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そういうわけで『密告者』はおしまいで、次回は『黒白の虹』。……、テレビのヤツだったかしら? スケールの大きなアリバイトリックがあったような、なかったような? ではでは

2019-10-06 02:20:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ワタシの熱い高木彬光ステマ活動「アキカツ」、はじまります。ふふっひ♫

2020-02-05 02:05:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

角川文庫に収録された順番で高木彬光作品を読み返していく「アキカツ」。今回はその11です。 『黒白の虹』 近松茂道シリーズの長編第1作でありますね。親本の発行は1963年(昭和38年) 角川文庫版の解説は、和久峻三。 pic.twitter.com/LJ2tafrLFg

2020-02-05 02:05:27
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『黒白の虹』といえばカラーテレビ。 近松検事シリーズでは2作目、『黒白の囮』(有栖川有栖も褒めている♫)が高木彬光ベストとして挙がることも多いわけなんだけど、、、「虹」のほうはといえば、二階堂黎人の酷評くらいしかパッと思い浮かばない、、、あまり名前が出てこないない作品なんよね。

2020-02-05 02:05:40
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