-
- いいね！0
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
さて、角川文庫に収録された高木彬光著作を刊行順にダラダラと読んでいく「アキカツ！」 本日のアキカツは第7話(？) 高木彬光ベストとして多くの人がタイトルを挙げるウルトラ超絶傑作『人形はなぜ殺される』です。 みんな大好き♡ ワタシも大好き♡ 解説の小泉喜美子も大好きなことでしょう♡ pic.twitter.com/63uE6SJX7n
2018-10-11 02:33:12
拡大
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
『人形はなぜ殺される』に関してはこれまでのツイカツの中で何度か呟いたことがありましたが、改めて読み直してみて確信したのは、 「この作品は本格ミステリの理想形やね」 ということ。 一生モノで頭に焼きつく大トリックを派手に決めつつ、ディテールや細部においては絶妙すぎるチューニング。
2018-10-11 02:33:58
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
(ミステリのゴッドですら使用したくなる)あのスーパーな大トリックが、あまりにも、あまりにも、あまりにも強烈すぎるため、しばらくすると他の部分がスーッと薄れるそんな作品なのね。なので、読み返すたびに新鮮。 もうね、人形の首隠しの意図とか毎回毎回「あ〜〜ッ Σ（ﾟдﾟlll）」
2018-10-11 02:34:34
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
奇術の世界を舞台にしてるのは当然記憶にあるけど、昭和30年代の経済動向が作品背景にガッツリ組み込まれているのなんて、なぜか毎回記憶の彼方だ。読み返すたびに「あれれ、人形ってこんな話(特に序盤)だったっけ？」 この社会派風味のリアリティも、不思議とかなりマッチしてるんよね
2018-10-11 02:34:56
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
『人形はなぜ殺される』 神津恭介が推理部分でかなりはんちくだったりするんよね(とある事件関係者のほうが先に真相に辿り着いてたりするものね……)。 (第二の殺人でボコられて退院直後の)松下くんに無茶な時間稼ぎを頼まざるをえないピンチ状況にまで陥っていたりと、名探偵として精彩を欠いているの
2018-10-11 02:35:12
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
そう。名探偵が頼りない、というのが今作の数少ない傷だが……、 いつもの「犯人は分かったけど物証が無いので、とりあえず犯人が追加で犯罪を行わなければならないような状況に追い込み、犯罪行動を起こしたとき逮捕する」という神津メソッドを使用してないからこそ、ラストの悪魔的構図が映えるのよ
2018-10-11 02:35:24
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
あの第二の殺人の大トリックに関しても、なぜ人形を殺すのか？(WHY？)が印象的なんだけど、どのようにして人形を殺したか？(HOW？)も全体構造から振り返ってみるとかなりセンス満々なんだよね。あと読み返したときにしか気づけない、異常なまでに大胆なちょっとした犯人の行動の記述部分も痺れるよね
2018-10-11 02:36:16
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
神津恭介と犯人との対決がアッサリ！ みたいな現代本格を読み慣れた読者にとっては物足りない部分があるかもだけど、テンションを切らすことなく常時アッパー気味に展開していくストーリーラインは最高だ。昭和の現実と虚構が絶妙に融和した作品空間も読者のモチベーション維持の手助けになるのでは？
2018-10-11 02:36:29
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
ゴッドの某作と某作と某作とレイトの某作を読む前にコレを読むことが出来ればとてもとてもシアワセ。そんな『人形はなぜ殺される』 マァ、(ここも推理部分が意外とアッサリな)第二の事件を捨てても、第一の事件の手際にも感嘆できるわけなんだけど……、けど、ビックリ度合はやっぱ銀河なんよなぁ。
2018-10-11 02:37:31
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
というわけで『人形はなぜ殺される』でございました ( ´ ▽ ` )ﾉ 次は『死神の座』の予定なんですけど、コレ、長くて、だるくて、あまり面白くないんですよねェ。神津恭介作品の中ではちょいとレベルが落ちちゃうンですよォ。 少し先の未来でレビューしたいと思ってます。ではでは〜
2018-10-11 02:37:48
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
グーチョキパーで、 グーチョキパーで、 なにつくろー、なにつくろー 右手はグーで、左手もグーだ、 「今から、貴様を、ボコボコに、殴るッ！」 デンプシーロールの構え pic.twitter.com/WmVqfrKZl2
2018-10-11 02:38:01
拡大
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
角川文庫に収録された順番で高木彬光作品を読んでいく「アキカツ」 本日はその8で『死神の座』 【あらすじ】みんな大好き神津恭介が、日本有数の連続殺人のメッカである軽井沢で大ハッスル。事件の背後に見える占星術の罠！ 感情が先行しすぎて全然解説になってない小泉喜美子解説も要チェックやで pic.twitter.com/uJfCw4yNtR
2019-01-10 02:41:50
拡大
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
神津ものなので前にも取り上げたことのある作品だが、その時もあまり良い評価ではなかった『死神の座』 軽井沢へ行きたい度数が何倍にも上がってる現在なのに、その評価は前回とほぼ変わらなかった神津長編というのが今回の結論。 むしろ、今作の大きな２つの弱点がより見えてしまった再読だったんよね
2019-01-10 02:42:09
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
『死神の座』の弱点① →犯人の真意がそこそこ面白い着想を秘めているのだが、同時に、いくらでも殺人事件が水増し可能な性質も内包しているということ。作者がその水増し構造に安易に乗っかっているため、際限なく登場人物が増え、斬れ味の鈍い展開がまったりと続く作品となってしまってるんよねえ
2019-01-10 02:42:55
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
『死神の座』の弱点② →占星術の暗号が絡む宝探しパートが、とにかく淡白だという点。弱点①を孕む犯人の趣向を考えると、作品構造として宝探しパートはどうしても淡白にせざるを得ないわけだが、全く盛り上げる気がないのは問題だろう。神父のくだりとかもう少し早くても良いのでは？
2019-01-10 02:43:22
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
水増しされる殺人事件。緊迫感のないオシゴト感覚的に処理される暗号解読。 少しだけネタバレだけど、『死神の座』は小さなトリックの集合体という作品構造を持っているため、比較的目立ちやすい要素がコケ気味だったりしていると、やっぱり読者としてはツラいんだよね。神津LOVEだけじゃキツいンよな
2019-01-10 02:44:40
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
「神津恭介の隣に座ってきた変な女性の謎」や「占星術記号風に記されたイニシャルカードの謎」など、21世紀の本格読者の目から見てもイカすシビれる憧れる！ なシャープでスゲえ小ネタも、目立つ部分での失策や他のしょーもない小ネタたちが邪魔をしちゃって埋没しているんも『死神の座』の問題部分ね
2019-01-10 02:45:31
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
神津恭介と松下研三のイチャイチャ度が高いのは『死神の座』の良点なんだけど、殺人事件を楽しみにしている昭和のサラリーマンたちには届いたのであろうか？ あと神津恭介渾身の冗談が見られるよ。 「いらっしゃい。ところであなたはアカから自民党へ鞍がえするつもりがありますか？」
2019-01-10 02:46:28
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
そういや、光文社文庫版『死神の座』の解説が島田荘司で、角川文庫版の小泉喜美子解説とはまた違ったベクトルで感情を優先しすぎた、いかにもな島田荘司らしい(トンデモ？)解説だったりする。読み比べ競い合わせるのが今年の運気的にも良好だぞ。
2019-01-10 02:47:45
お玉と毒をくらわば皿まで
@ottama709
というわけで『死神の座』でございました。『死神の座』の弱点①の方法論をより深く潜り面白小説化したのが『一、二、三 ー死』、いろいろな問題を内包した弱点②を改善したのが『黄金の鍵』なのでは？ というそんな考察材料を得たのは個人的な収穫だったかしら。 それでは、また次回。どろん
2019-01-10 02:47:57