「経済学的な家族ツイート」まとめ その４７

本の虫（本体） @honnomusi

経済学的なコンペ開催1:授業終わりのホームルーム。教室の前に紙が張り出される。 風紀委員「本日は事前に予告していた通り、この学校の新しい制服への投票を行いたいと思います。投票用紙を回しますので、無記名で気に入ったものの番号を書いてください。」 息子の席に投票用紙が回ってくる。

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経済学的なコンペ開催2:息子(うちのような公立中学は、運営の大半を税金に頼っている。当然、制服の購入費用もだ。制服は一度採用されれば余程のことがない限り変更されることはない。つまり、企業にとっては取りっぱぐれの恐れがない超長期の注文が確定することになる。)

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経済学的なコンペ開催3:息子(そのため、選定のプロセスでは公平性に特に気を配らないといけない。まず、賄賂や接待が入り込まないように業者との接触を禁止し、違反した人間は厳しく処分をする。さらに、公開した制服については作った会社の名前は書かない。さらに、写真の並べる順番にも気を配る。)

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経済学的なコンペ開催4:息子(行動経済学の世界で言われる「極端回避」の心理だ。今回の候補は5つ。この場合、一番最初と一番最後に配置されたものは敬遠される傾向がある。そのため、クラスごとに並べる順番を変え、最初と最後になる制服が偏らないようにする。)

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経済学的なコンペ開催5:息子(バイアスを極力排除した今回のコンペ方式は、生徒会の提案を教師が取り入れて決定したものだ。『公平性に配慮した学校』『生徒が主体の学校』という評判は、生徒募集の面でもプラスだろう。評判は資産だ。そして、この資産は行動の積み重ねで維持しなくてはいけない)

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経済学的なコンペ開催6:投票が終わり、放課後に突入。伸びをしながら校門へ向かう悪友。 悪友「いやー、終わった終わった。なあ、この後またいつもの喫茶店行かないか？ひと仕事終えた記念に打ち上げとカード対戦でもしようぜ。」 息子「確かにね。ひと段落ついたから行ってもいいかな・・・ん？」

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経済学的なコンペ開催7:悪友「どうした？」 息子は校門のほうを見据える。そこにはこちらに目線を送る少女の姿があった。息子の頭の中で風景がフラッシュバックする。 息子「君は・・・文化祭のときの・・・」 少女「あら、覚えててくれたの？嬉しいわ」 ゆっくりと近づいてくる少女。

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経済学的なコンペ開催8:少女「今日は、あなたをスカウトしに来たの。」 息子「？」 少女は顔を近づける。そして、不敵な笑みを浮かながら言い放った。 少女「あなた、うちの学校に転入してこない？」

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経営学的なヘッドハンティング1:息子「・・・転入？」 少女は微笑む。 少女「そうよ。私は隣の地区の中学校で生徒会長をしてるわ。それで、最強の生徒会を作るために全国から優秀な生徒をスカウトしてるところなの。11枠ある生徒会メンバーの、最後の1人として加わって欲しいのよ」

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経営学的なヘッドハンティング2:少女「あなたは生徒会長として、なくなりかけた文化祭を生徒主体で立て直し、スポンサーを集めて学校の宣伝まで果たした。他にも教育委員会に掛け合って地域創生の取り組みを授業に取り入れたり、不登校の生徒の復帰に尽力したりと、卓越した手腕を発揮していた」

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経営学的なヘッドハンティング3:少女「まさに、"史上最強の生徒会"を作ろうとしている私たちの構想にピッタリの人材だわ。勿論、招待するからには特別待遇で転入してもらえるように手配する。学費は全額無料で、一般の生徒が使えないような特別な保養施設も利用できる。毎日の送り迎えも車よ。」

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経営学的なヘッドハンティング4:少女「どうかしら？もしあなたが同意してもらえるなら、すぐにでも手配するわよ。」 息子は少女の顔をじっと見据える。 息子「・・・申し訳ないけど、お断りしておきます」 驚いた顔をする少女。 少女「・・・どうして？こんな好条件の話はなかなかないと思うけど」

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経営学的なヘッドハンティング5:息子「君が評価してくれた実績の数々は一人で達成したものではない。この学校にいる生徒のたちとの協力関係や、蓄積されたノウハウによってなされたものだ。他の学校に簡単に持っていくことはできない。そちらに移ってすぐに君の期待する力を発揮できる保証はないよ」

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経営学的なヘッドハンティング6:息子「トップクラスの証券アナリスト316人を対象に行われた研究によれば、転職することで彼らの多くは大きく実績を落とすことが発見されている。人が環境から受けている目に見えない恩恵はそれだけ大きいんだ。気持ちは嬉しいけど、自分は今の環境を大事にしたい。」

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経営学的なヘッドハンティング7:少女は無表情で息子の顔を見る。 少女「・・・それが、あなたのファイナルアンサーってことでいいのかしら？」 息子「ああ、この回答を変えるつもりはないよ」 少女「分かったわ。またどこかで会いましょう。・・・経済学者さん」 そう言い残して歩き去っていった。

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経済学的な山手線ゲーム1:父「サブケーム完全均衡！」 母「バラッサ＝サミュエルソンの定理！」 妹「シュタッケルベルク均衡！」 息子「ただいま〜」 リビングに入ってくる息子。 息子「ん？何やってるの？」 妹「あっ、お兄ちゃん、おかえり。今ねー、経済用語で山手線ゲームをやってるんだよ」

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経済学的な山手線ゲーム2:息子「なに？！経済用語で山手線ゲームとな？！」 妹「エッジワース・ボックス！」 父「はい、ブー！それはもうお父さんが言いました！」 妹「えー！うそ！負けた〜」 息子「ねえねえ、楽しそうだから混ぜてよ」 母「いいわよ」 父「それでは四人揃ったところで・・・」

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経済学的な山手線ゲーム3:息子「山手線ゲーム！」 家族一同「イェーイ！」 妹「お題は？」 父「経済学者の名前！」 息子「スティグリッツ！」 母「クルーグマン！」 妹「アシモグル！」 父「マンキュー！」 10分経過 息子「アダムスミス！」 母「ケインズ！」 妹「ふええ、終わらないよお」

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経済学的な山手線ゲーム4:15分経過 父「ティロール！」 息子「フリードマン！」 妹「マルクス！」 母「あら、そろそろご飯の支度しないと。悪いけど抜けるわね」 20分経過 父「リカード！」 息子「シュンペーター！」 妹「喉乾いたー、私も抜けるー」 父「ふっ、腕を上げたな息子よ」

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経済学的な山手線ゲーム5:30分経過 息子「ワルラス！」 父「ゲーリー・ベッカー！」 息子「うぐぐ・・・、ジョン・ナッシュ！」 父「はい、ブー！」 息子「えっ、何で？！」 父「ジョン・ナッシュは経済学者ではありません。数学者です！」 息子「えー、ウソ！ナッシュ均衡の生みの親なのに！」

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経済学的な山手線ゲーム6:父「彼がゲーム理論の研究をしたのは博士課程と最初の数年の間だけです。彼のメインのキャリアの畑は数学者でした。残念！」 息子「えー！今まで完全に経済学者だと思い込んでた！ショック・・・」 父「フッフッフッ、いい線までいってたが、まだまだ息子には負けれんな」

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経済学的な山手線ゲーム7:母「ご飯できたわよ〜」 父「むっ、このワカメの形はコンドラチェフの波ではないか？」 息子「それならこのもやしはフィリップス曲線で・・・」 母「いい加減にしなさい！」 怒りで眉が釣り上がる 父・息子(あの眉の形は・・・無差別曲線！) 今日も我が家は平和です

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会計学的なM&A1:息子「え？あそこの建物を建て直す？」 職員室で教師から説明を受ける息子。 教師「そうなんだ。実は先日ある会社が多額の寄付をしてくれてね、老朽化した建物を建て直せるようになったんだ」 息子「・・・なんで突然うちの学校に・・・」

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会計学的なM&A2:教師「君は、隣地区の中学の生徒会長さんは知ってるかい？」 息子「え？」 少女の顔が浮かぶ 教師「彼女の家は世界的な大企業の創業者一族なんだ。彼女の通ってる中学にも多額の寄付をしてるんだけど、うちの中学の先進的な取り組みに興味を示して寄付を申し出てくれたんだ」

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会計学的なM&A3:教師「しかも向こうから『改修の方針について、是非そちらの生徒会と共同で検討したい』と言ってきてくれたんだ。ありがたい話じゃないか。お前たちの取り組みが認められたんだからな。うちの学校にも箔がつくよ。という訳で、よろしく頼むよ。期待してるからな。」