日向倶楽部世界旅行編第38話「航空戦艦日向の恋 その2」

香港にて一人ぶらぶらと観光していた日向は、隠れた浜辺でハンサムな男「諏訪 楼利」と出会い、あろうことか恋に落ちてしまう。 果たして彼女の恋の行方は…
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三隈グループ @Mikuma_company

【前回の日向倶楽部】 うふふ、やあ、私は航空戦艦娘日向だ。 みんな恋をした事はあるか?私は今恋をしているらしい、胸がドキドキするし時折背中がじんわりと熱くなるのだ。相手はハンサムで勇気のあるスマートな優男「諏訪 楼利」ああわたしはどうなってしまうんだろうふふふふ…

2018-03-13 21:00:38
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【前回の日向倶楽部その2】 …扶桑です。 日向が恋をしたようです、普段とは全く違う様子でなんだか別人のようにはしゃいでいます。彼女にもああいう一面があるのだなと、私は結構楽しんでいます、たまにはあの様に羽根を伸ばすのも大切でしょうし、余計な事はせず見守りたいと…ふふっ、思います。

2018-03-13 21:01:34
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第38話「航空戦艦日向の恋 その2」

2018-03-13 21:02:32
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〜〜 「うふふふふ」 日向の恋は続く。 一方の最上達は、恋の世界で泳ぐ日向とは別室に移動していた。 「でもさァ、隊長さんって惚れられやすい人で告白も断ってたんでしょ?なんで初めて彼氏彼女出来た奴みたいな事になってんの、おかしくない?」 鈴谷はコーラを片手に訊ねる

2018-03-13 21:03:32
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「それはこっちが聞きたいわ、日向さんがあんな風になるとは思ってなかったもの。」 初霜はふんすとお茶を飲む、扶桑も同調する。 「ねえねえ、最上さんはどう思う日向さんの事、やっぱおかしいわよね、また毒盛られたのかしら」 「えっそこまで言う?」 容赦ない初霜に鈴谷も目が点

2018-03-13 21:04:35
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そんな二人に最上は笑って言った 「あはは…そうじゃないよ多分。日向さん、好かれる事には慣れてたけど…好きになる事には慣れてなかったんだと思うよ。」 「何それ?」 「ほら、好かれたって自分は変わらないでしょ?でも好きになる瞬間って、自分が何処か変わるんだよ、それに慣れてないんだ。」

2018-03-13 21:06:40
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ふーんと二人は頷く、すると横で聞いていた扶桑が微笑んだ 「ふふっ、最上さんも経験があるのですか?」 なんだか小っ恥な問いに最上は苦笑いする 「あはは…大した事じゃないですよ」 「へぇ〜、最上ちゃんそういう経験あるんだ」 「まあね…」 意外そうな鈴谷に、最上は薄笑で応えた。

2018-03-13 21:08:01
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そこへ今度は興味津々な初霜 「ねえねえ、鈴谷さんはあるの?」 「あたしィ?カタワでこんなんくっ付いてるからカレシとか無理かなアハハハ」 鈴谷は大笑いしながら鋼鉄の義手をガチャガチャ動かしてみせる、彼女自身は笑える冗談のつもりだったが、最上達は言葉に困ってしまった。

2018-03-13 21:09:38
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「…もーそんな顔しないでよ〜、良いんだよあたし自身彼氏とかキョーミ無いし。」 「そうなの?」 意外そうな顔をする最上達に鈴谷は頷く 「ああ…そんなのより、もっと欲しいモノがあるからさ」 「ふーん…そうなんだ」 と、そんなこんなで話していると、部屋のドアが開いた。

2018-03-13 21:10:42
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入って来たのはあきつ丸 「す、鈴谷殿…あれは一体」 「あー、隊長さんの事?あれは放っておくしか無いよ」 「いえ、それは最上殿から聞いてるのでありますが、服が…」 「え?」 最上達の間に同じ予感が走る、彼等はあきつ丸に連れられ恐る恐る日向の元へ向かった。

2018-03-13 21:11:31
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「なっ」 なんとそこでは日向がいろんな服を取っ替え引っ替えしていた 「フリフリとか花柄のワンピとか、あれはタキシードだし色々」 「そういえば明日も彼と出かけると言ってたわ…マジにデートしようって話よ」 「くねくねと楽しそうですね」 一同は日向のファッションショーをそっと見守る

2018-03-13 21:12:36
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「ふふふ、これなんかどうだ?ちょっと可愛らしすぎるか?」 ピンク色でフリフリのワンピースを着る日向、可愛らしいがあまり似合っていない。 「あー、隊長さんああいう華奢なの着るにはガタイが良過ぎるんだよなァ、肩のあたりがパッツパツだよ、破けんじゃね」 概ね鈴谷の言う通りである。

2018-03-13 21:13:33
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日向は次にカジュアルなシャツにダメージジーンズを履く 「こいつはどうだ、ちょっと子供っぽいか?」 割と似合っている 「日向は脚が長いですね…」 「カッコいいでありますな…」 「日向さんスタイル良いからズボン似合うよね」 170超ある彼女のルックスはパンツスタイルと好相性だ。

2018-03-13 21:14:34
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ショーは続く…が、日向は一旦手を止めた 「どうしたんだろ」 最上達が隠れて静かに見守る中、彼女はベッドに腰を下ろした 「…分からんな、どういう格好が良いんだ?男達は何を気に入ってたんだ…私は何をすれば良いんだ?」 並んだ衣服を見て日向は呟く、真剣に悩んでいた。

2018-03-13 21:15:35
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「日向殿、随分悩んでるのであります」 「最上ちゃんの言う通りっぽいね…隊長さん、自分からアプローチかけた事無いんだ」 「気が付いたら誰かに言い寄られていたから、どうすれば好かれるのかが未知なのですね日向は…」 恋に悩む乙女を五人が見守る、その間も日向は大いに悩んでいた。

2018-03-13 21:16:34
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とその時、部屋の玄関ドアが開き何者かが入って来た。 「ひゅーちゃん?居ます?」 お淑やかな声が響く、三隈である。 「ん?三隈か、ここにいるぞ」 「やっべえバレるバレる、閉めて閉めて」 五人は慌てて隠れていた部屋のドアを閉め、日向と三隈の目から身を隠す。

2018-03-13 21:18:31
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そんな者達の存在など露知らず、三隈は日向の元へと向かった。 「こんばんはひゅーちゃん、諸々の手続きは滞りなく終わりましたからご心配なく」 「ああありがとう、いつも悪いな…」 「ふふっ、私三隈の娘で取締役ですもの、この程度は日常の一つですわ。」 彼女は朝飯前と微笑む

2018-03-13 21:19:35
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そして日向の周りに目を向けて言った 「ところで…どうされましたの?こんなに服が…」 「あ、ああ…実はな…」 日向は事の次第を三隈に話した。 「まあ男の人と?素敵ね、良いと思いますわ。」 「だが服がその…分からん、何着たら良いんだ」 服々を取りながら彼女は恥ずかしげに話す

2018-03-13 21:20:32
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日向に比べると歳下なのだが、こと社交性に関しては確かな信頼を感じられるのが三隈という人物だった、大企業の一翼を担うだけはある。 「そうですわねぇ…ひゅーちゃんはそのままで十分素敵と私思いますけれど、やっぱりおめかししたいのよね?」 「うむ」 即答する日向

2018-03-13 21:21:45
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そんな彼女に、三隈は少し考えた後にっこり笑って言った 「時間は明日の夜でしょう?なら私にお任せ下さいな。」 「おお、本当か」 「ええ、ここ数日丸ちゃんと回った中でブティックも見つけてますから、バッチリキメて差し上げますわ。」 三隈はビシッと指を立てた。 〜〜

2018-03-13 21:23:13
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〜〜 翌日の夕方前、日向は鏡の前で自分の姿を見ていた。 「へ、ヘンじゃないよな?」 「変であるものですか、パーフェクトよ?」 彼女の白いブラウスの上に、三隈はノーカラーの薄茶色いカーデガンを着せる、下にはオレンジ色のロングスカート、派手過ぎず地味過ぎず、品良くまとまっていた。

2018-03-13 21:24:32
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その様子を別室から見守る五人の仲間たち 「ミック、随分慣れてるね…」 「三隈殿はお仕事であちこち回っていた故、よそ行きには慣れっこであります。」 「へェ〜、育ちも良けりゃ出来る事も多いって、マンガみたいですごいな」 隠しカメラの映像を見ながら鈴谷は唸る

2018-03-13 21:25:32
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「ていうか三隈ってデザインもいくつかやってなかった?」 「ええ、私ジュニアサイズの試着に付き合ったことあるわ」 「まだお若いのにすごいですね三隈さんは…」 「三隈殿はすごいのでありますよとても」 そんなこんなで話してるうち、日向の準備が整った。

2018-03-13 21:26:33
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「どう?」 三隈が訊ねると、日向は鏡を見つめながら言った 「…なんだろう、ファッションに気を遣ったり、お洒落をしようと思ったのは初めてではないのに、不思議な気持ちだ…」 日向は鏡の前でくるりと回る、そこにはいつもよりちょっと弱そうな自分の姿があった。

2018-03-13 21:27:35
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