網谷壮介『カントの政治哲学入門』読書メモ集

網谷壮介『カントの政治哲学入門――政治における理念とは何か』(白澤社、2018)の読書メモをまとめました。
5
荒木優太 @arishima_takeo

この始点と終点が循環する限りで、自由と強制の両立は可能である。一方でルールは例外なくすべての人によって取り決められたものでなければならない(始点)。他方で、そのルールに、すべての人が例外なくしたがうのでなければならない(終点)。by網谷壮介『カントの政治哲学入門』

2018-03-14 13:16:34
荒木優太 @arishima_takeo

「カントによれば、何かを自分のものとして持つということは、それを誰か他の人が私の同意なく使用すれば、私自身を侵害することになるという状態を意味している」(網谷壮介『カントの政治哲学入門』)。なるほど。

2018-03-14 15:21:24
荒木優太 @arishima_takeo

「現代の人権リストに含まれるような、社会保障や教育を受ける権利、労働に関する権利、あるいは新しい人権としての環境権やプライバシー権など、多くのものは、カントの枠組みでは生得的には正当化されない」(網谷壮介『カントの政治哲学入門』)。はい。

2018-03-14 15:23:12
荒木優太 @arishima_takeo

アレントとロックの労働。直感的だが、ロックのいう労働は飯を食う必要=必然に縛られたアレント的労働よりも広く、半ばワークの方にも足を伸ばしているのではないか。そこから所有権が発生するのだとしたら、所有概念のなかに伏在する芸術論を考えることができるのでは。

2018-03-14 15:41:52
荒木優太 @arishima_takeo

「国家創設の契約に参加することのできなかった後世代の人々の存在」(網谷壮介『カントの政治哲学入門』)。ルソーの社会契約論の問題点、たしかにそうだな。

2018-03-14 19:45:38
荒木優太 @arishima_takeo

「私見では、これまで全く指摘されてこなかったが、ロールズが配慮しているる正義原理の第一と第二の関係さえ、カントの政治哲学は先取りしている」(網谷壮介『カントの政治哲学』)。大きくでたな。

2018-03-15 17:42:36
荒木優太 @arishima_takeo

もちろん人々は各々、適法的に幸福を追求してもよいが、それは国家の実現すべき目的ではない。むしろ、各自が幸福の追求を自由に行なえる状態こそ、国家の目指すべき公共の福祉である。by網谷壮介『カントの政治哲学』

2018-03-15 17:53:43
荒木優太 @arishima_takeo

カントは国家を支配形式と統治形式の二つの形式で区別している。支配形式には、独裁制(君主制)、貴族制、民主制があり、統治形式には、専制と共和主義がある。専制は人による統治で、共和主義は法律による統治、代表制とも呼ばれる。メモ。

2018-03-15 18:01:09
荒木優太 @arishima_takeo

カントは市民を自立している能動市民としていない受動市民に分け、後者に女性や手工業者に投票資格を認めなかったらしい。自立とは他人に依存せずに生活できる能力のこと。しかし、そもそもこの世界で自立している奴なんて存在してるんだろうか。会社の社長だって取引相手が悉くNOだったら死ぬのでは。

2018-03-15 18:22:30
荒木優太 @arishima_takeo

米とか野菜とか作る力があれば、自立してるといってもいいのかもしれない。

2018-03-15 18:23:33
荒木優太 @arishima_takeo

網谷壮介『カントの政治哲学入門』読了。とても読みやすかった。『人倫の計上学・法論』というマイナーな(らしい)著作からカントの政治/法哲学を再構成する。金慧『カントの政治哲学』も面白そうだね。

2018-03-16 15:29:52
荒木優太 @arishima_takeo

それにしても、なんでオレ、よく分かりもしないのにこんなカントカントいってんだろ、って途中疑問に思ってたけど、ああ、アレントとの関係でやらざるをえないからカントってたわけだ、忘れてたよ。

2018-03-16 15:31:19