不知火に落ち度はない５６（浜風）

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「普段ならいいんだけど、作戦の時は前に絶対出過ぎないようになってたでしょ」 「そだな。ちょっと力不足を感じますねそれ俺」 「現場レベルの話よ。首突っ込みすぎないでねー」 「おうよ。だが神通にはちょっとお話しますよそれ」 「げ。裏切り発生した」 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「心配すんな。処罰とかはねーから」 「話のソースはどこからにするつもり……？」 「お前だけど」 「やっぱ裏切りじゃんー！！！！」 どうやらこいつは神通教官にチクり屋と思われるのが嫌らしい。 いやでもそれ、見過ごしたらマズいし、お前正しいことしたから今。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「代わりに俺からご褒美あげる」 「あによ。菓子じゃ騙されないからね」 「今度の遠征んときチャリもってけ。いいとこ教えてやる」 「ほんとにいいとこでしょね？ 期待しとく」 よし成立。チャリとトレードオフ完了だ。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「それじゃ最後の的撃墜したら戻ってこい浜風」 『了解です。ってあ──』 と、浜風の言葉が聞こえた瞬間。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

ざぱーん。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

そんな間の抜けた音を立てて。 浜風の艤装が、波しぶきを被っている光景が見えた。 ああ、うん。 これは俺も予想外。 演習エリアは基本閉空間だけど、外界から波は来る。 普段ならこんなこともないんだが、気候は花嵐とも言うべき突風も出る春。 稀にしぶきが出る時があり。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

そして運の悪いことにもう一つ。 艤装のバリア機能は切れ、速度が上がった浜風はそれを避けきれず。 モロにしぶきを被ってしまったというオチである。 つまるところ── #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

『もー！！！！ 最悪ですこれー！！』 そう言うな。普段出撃んときは気にしないでしょうと思いつつ。 「はいはいお前ら解散解散！！ 散れ！！！ 陽炎タオルと着替えもってこい！」 「りょーかい！」 俺はテストをそこで切り上げて、そう周囲に指示を出すのであった。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「つーわけだ。ぬいぬい、留守番ご苦労」 「ぬいぬいです。ではお土産を要求します」 「チョコミント味のカロリーメイトとかでいいか」 「お断りします。不知火はフルーツ味こそ至上なので」 いろいろ片付け司令室に戻った俺は、ダメ出しをされてしまったわけである。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「留守の間なんかあった？」 「特にはありませんが、神通教官を責めるのはおやめください。無茶ですが必要な教育です」 お前聞いてたのね。相変わらず地獄耳モードな奴。 一分の隙もない可愛げない生き物である。 「責めたりはしないが、話はしてくる」 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「不知火は同行しますか？」 「指揮官として話す、不要だ」 「了解です。それではそろそろ本日の業務は終了とします」 「おうおつかれ。そうだ不知火？」 とんとんと書類をまとめ終わり、席を立つ不知火がこちらを見る。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「お前は艤装改装、なんか要るのあるか？」 「不知火はいつでもベストコンディションです。それ以上を求めるなら、それは司令が判断することかと」 ちっちゃいドーベルマンは、さも当然自分が一番優れている、とでも言いいたげな様子で言い切った。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「可愛げねえやつ。おねだりとかしない？」 「それならもっと別の話でどうぞ。失礼します」 「おうよ。ついでに神通に後でここに来いと伝えてくれ」 「ご自分でどうぞ」 そう言って、ちっちゃいドーベルマンは部屋から出ていったのであった。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「可愛げねえやつ」 俺はそう笑って、電話を手に取り神通への内線番号を押す。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

そんなわけで今日はそんな日。 浜風の艤装改装テストを行った日。 今日はそんな一日だった。 次はまた今度な。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

と、ゆーわけでおしまい。思いつき更新からなんかテキトーにネタが広がりましたとさ。 ではではまた気が向いたときの更新、おたのしみください。 したらな！！ #落ちぬい

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「どういうことだよ兵頭ー！！ 磯風は納得だけどこの谷風さんにニュー艤装のお話持ってこないの納得いかないけどー！！」 「いや、うん。お前非番だったじゃん？」 「うん。非番で居酒屋で一杯やってたけどさ」 「捕まるぞお前。未成年じゃないけど」 #不知火に落ち度はない #おまけ

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「でもでも起動力アップなんでしょ？ この谷風さんの身体能力なら殺人的なGにも耐えられるしトランザム行けるってばさ！」 「３倍のスピードで戦う谷風・セブンソードとかになる気かお前。継衛にでも乗れよ」 「シドニアとか渋いの言うね」 「読者か谷風」 #不知火に落ち度はない #おまけ

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「ヒロインはつむぎちゃんより、イザナ派だよ谷風さんは」 「わりと俺もそう思う。それはさておき、谷風。悪いがお前の改装もっと後になると思う」 「あんですと！？ 谷風さんの何がいけないのか言ってみなよ！！！」 #不知火に落ち度はない #おまけ

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「背」 「えっ」 「身長」 「えっ」 「加速部分と身長が合ってねえの、設計と」 「マジで？」 #不知火に落ち度はない #おまけ

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「おう。だから加速するとググーッと斜め上からGがかかってきてなー」 「かかってきてー？」 「顔面から水面にぶち当たって進む面白い谷風さんになる」 「あんまりだー！！！！！！！！」 かわいそうな谷風さんがそこにいたんじゃ #不知火に落ち度はない #おまけ