第9回甲状腺評価部会で報告された一巡目データ解析論文について(2018.3.30作成)

6
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Clinical Thyroidology, Vol. 30, No. 3 The Baseline Survey of the 294,905 Fukushima Children and Adolescents Reveals a Panorama of Thyroid Ultrasound Features liebertpub.com/doi/abs/10.108… 第9回甲状腺検査評価部会で報告された1巡目データ解析論文↓を紹介した概要。 pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attac…

2018-03-30 03:56:37
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

1巡目ののう胞や結節データに関しては、小児期・思春期での甲状腺結節疾患の今後の疫学研究への適切(妥当?)な貢献となる、との結論。 These results make a valid contri- bution to future epidemiologic researches on nodular thyroid diseases in children and adolescents.

2018-03-30 04:01:19
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

要約報告の著者によるコメントでは、1〜3巡目の時期や方法に簡単に言及されているけれど、1巡目が、実質、予定されてた2014年3月末で終わらず、だらだらと2巡目と同時進行したことには言及されていない。引用文献は多分、その次のパラグラフで引用されているこれ。 ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…

2018-03-30 04:10:27
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

一次検査後の対応については、その引用文献のTable 1で示されたA〜C判定での推奨(Aは2年後の次回健診、Bは保険医療による二次検査、Cはただちに二次検査)がそのまま言及されており、引用文献にも出てこない二次検査での経過観察例の存在などは、もちろん出てこない。 pic.twitter.com/SEm12D0SmM

2018-03-30 04:17:21
拡大
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

1巡目データで、10歳以降は結節の発生率やサイズが女性での方が大きくなるなど性差が見られ始めることについて、思春期とエストロゲン生成との関連が示唆される、と言及。(これは特に新情報というわけでもないでしょうけど。)引用文献はこれ。 erc.endocrinology-journals.org/content/early/…

2018-03-30 04:25:17
リンク erc.endocrinology-journals.org Estrogen and its role on thyroid cancer
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ところで、この要約報告の元となる1巡目データ解析論文は、これ。 Findings of Thyroid Ultrasound Examination Within 3 Years After the Fukushima Nuclear Power Plant Accident: The Fukushima Health Management Survey academic.oup.com/jcem/article/1…

2018-03-30 04:31:06
Priamal Fear @PriamalFear

Findings of thyroid ultrasound examination within three years after the Fukushima Nuclear Power Plant accident: The Fukushima Health Management Survey academic.oup.com/jcem/advance-a… Accepted Manuscript Received: 17 July 2017 Accepted: 10 November 2017

2017-12-16 18:20:38
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

前にチェックした時は、まだオンライン掲載されてなかったような。

2018-03-30 04:32:03
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

1巡目データ解析論文で言及されている甲状腺がん症例は112例で、この数字は、2015年5月19日の第19回検討委員会で公表された1巡目結果暫定版で報告された、2015年3月時点のもの。しかし、二次検査の対象者は2224人(男性746人、女性1478人)とされており、これまでのどの結果報告とも一致しない。

2018-03-30 04:54:34
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

1巡目データ解析論文では「2011年1月から 2014 年 3 月までに一次検査を受けた対象者 294,905名」のデータが解析されているので、この294,905人を追跡したデータに基づいている?2016年3月時点で二次検査の対象者2224人中541人がFNACを受けたという数字が第23回検討委での報告と合わないのもそのため?

2018-03-30 05:00:36
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

要約報告では、結節が見つかった3870人中2224人が二次検査の対象者だったと書かれており、この3870人は、元論文のTable 3 (academic.oup.com/view-large/113…) の男性1415人と女性2455人の合計。これは3mm未満を含むすべての結節の総数と思われ、1巡目結果暫定版の「結節の有無及び大きさ」の数と大体合う。

2018-03-30 05:17:05
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

要約報告のコメントで気になったのは、1巡目での結節の疫学に関して、結節の平均有病率(男性0.9%、女性1.7%)、結節サイズの中央値への年齢と性別の影響、および結節の多巣性について唯一比較できるのは例の3県調査で、福島と同様の結節有病率が見つかっている、と書かれていること。

2018-03-30 05:33:08
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

また、1巡目の甲状腺がん112例の有病率(男性0.028%、女性0.056%)が部分的のみ比較できるのは、3県調査(0.03%)と、1974年にユタ州、ネバダ州とアリゾナ州で11〜18歳の住民5179人を触診した結果、甲状腺がんが2例(0.04%)見つかった研究の2つしかない、と言及されていること。

2018-03-30 05:34:26
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

海外の臨床医が読むようなClinical Thyroidologyの要約報告で、3県調査をそのまま比較に用いることが平常化されてしまっている。しかも、コメントの最後の方では、「この集団での甲状腺がん疫学に関しては、すでに原発事故と関連がないことが明らかにされている」と書かれており、(続)

2018-03-30 05:39:37
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)この「原発事故と関連ない」という供述の引用文献は、日本財団主催の第5回福島国際会議の報告と、2018年山下論文(ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…)。なんだか国際的に、全体的に何もなかったような感じになってきている。国際的コンセンサスが順調に確立されてるということなんだすね。(棒)

2018-03-30 05:42:06

↓ 引用文献に関するまとめ

関連まとめ