140ssログ2月、3月

石かり、薬宗、髭膝ログ
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やまたに @mw_snc

そんなもの、考えるまでもない。青江は迷わず普通のチョコを選ぶ。おや、そちらでいいのかい。朝まで付き合わせてしまうかもしれないね。笑う男に、どちらを選んでもそうだろうと悪態を吐く。それならば。齧ったチョコは甘かった。さあ、僕に恥ずかしげもない無様な顔を見せてごらんよ。(石かり)

2018-02-15 06:55:33
やまたに @mw_snc

はあ、と返答とも溜息とも付かぬ吐息で宗三は媚薬入りのチョコを摘む。そっちを選ぶのか。眺める薬研を手招きして。俺に食べさせるってことか。今度はそう解釈して、誘われるまま口を開ける。放り込まれる甘さと、重なった唇。とろりと、ふたりの間でチョコが溶けていく。(薬宗)

2018-02-15 07:00:54
やまたに @mw_snc

兄者のお好きに、と予想通りの答えに、お前が選んだものがいい、と予定通りに返した。そうすれば、媚薬入りをこちらへ向けて。僕が食べるんだね。俺のはしたない様子に幻滅されたくない。僕はいいの。弟は唇を上げて。想像だけで興奮する。まるで媚薬を飲まされたのと同じ顔で。食べて、兄者。(髭膝)

2018-02-15 07:13:15

ねこの日

やまたに @mw_snc

にゃあ、と鳴けば、膝を叩いて呼ばれたから、青江そこに大人しく収まった。喉を擽られて、頭を撫でられて。本当に猫になったみたいだなぁと思いながら、今日くらいはいいかと甘えてみる。するり、と頬擦りしてくる腕の中の子猫に、石切丸は頬を緩めた。今日くらいはと、素直なこの子も愛しい。(石かり)

2018-02-22 23:50:17
やまたに @mw_snc

なにしてるんですか、と宗三が呆れる。乱に遊ばれた、猫耳付きの薬研は答えた。粟田口は皆付けてるぜ、と。可愛い弟のお願いには勝てませんねぇ、そう笑っていると、もう一つ耳が出て。可愛い恋人に負けちゃくれねぇか。あなた、可愛くないんですよ。思いつつも負けるのだ。(薬宗)

2018-02-22 23:54:19
やまたに @mw_snc

おいでおいでと弟を呼ぶ。可愛いね、と抱き締めて、好きだよ、と口付ける。されるままの弟の、頬を撫でて。今日、猫の日だって知ってたかい。尋ねれば、幼子のように首が傾ぐ。いきなり、なにを。ふと思い付いたわけじゃないよ、と喉を撫でた。僕の寝子を愛でてるんだ、もうずっと。(髭膝)

2018-02-23 00:01:13

弟の日

やまたに @mw_snc

やあ、あに様。くすくすと髭切に声を掛けられて、青江は眉をよせた。彼の兄になった覚えはないし、なりたくもない。顔に出たのか、余計に髭切が笑う。義姉上様がよかったかい。ああ、そういうこと、と苦笑して。膝丸君も僕を兄と呼ぶのなら、呼んでもいいよ。今度は彼の眉が寄る。(石かり+髭膝)

2018-03-06 23:19:24
やまたに @mw_snc

弟を大事に思ってなにが悪いのか。一期は薬研を布団の中に閉じ込めた。離してくれ。ぶすくれる声を無視する。弟の日ですな。他にも弟はいるだろうよ。いいえ、いいえと繰り返した。他の弟は捕まえなくても隣にいてくれるのです。俺は、宗三と、寝るんだっ。今日くらい聞きなさい。(薬宗)

2018-03-06 23:24:33
やまたに @mw_snc

弟の日だそうですよ。そう言って、数珠丸は青江の頭を撫でる。弟、なのかなぁ。同派ってだけじゃないかい。僕は元は大太刀だったんだから。山ほどの言い訳を繰り返すというのに、と数珠丸は微笑んだ。ちっとも、この子は逃げないのだ。(青江派)

2018-03-06 23:26:52
やまたに @mw_snc

おとーと、と髭切が呼んだ。膝丸だ。言い飽きた文句を口にすると、だって、と唇を尖らせる。どっちが兄かわからねぇな。誰かが不意に口にするから、ふたりは顔を見合わせて。僕がお兄ちゃんだよ。俺が弟だ。そこはどうでもよくないんだよ。ねぇ、膝丸。と髭切は笑う。(髭膝)

2018-03-06 23:30:51
やまたに @mw_snc

おいでおいで、招く腕の中に膝丸は素直に収まった。頭を撫でられて喉を撫でられ、まるで気分は猫の子だ。兄者、なにがしたいのだ。抵抗はせずに疑問だけをぶつけると、兄はその手を止めることもなく。今日はお前を可愛がる日って聞いたから。意味がわからんぞ、兄者。呆れた唇に溺愛が振る。(髭膝)

2018-03-06 23:33:36
やまたに @mw_snc

可愛い可愛い弟に、そのままを告げる。可愛い可愛い愛しいよって。その度に、普段の凜々しい顔がどこかへ行って、ふにゃふにゃと笑う顔がなおのこと愛しくて。膝丸、蜘蛛切、吠丸、薄緑。全部引っくるめて可愛い可愛い弟なのだと、その耳に囁くんだ。(髭膝)

2018-03-06 23:37:02
やまたに @mw_snc

膝丸、と呼んでみた。嬉しそうに笑う。膝丸、膝丸。たまにはと繰り返し。どんなに喜んでくれるだろうと思えば、どんどんその顔は曇ってきて。どうしたの。問えば泣きそうに。俺は明日、折れるかもしれぬ。そう言うから、呼びたくないんだよ。えーと、なんだっけ。膝丸だ。そうそう、その調子。(髭膝)

2018-03-06 23:41:22
やまたに @mw_snc

弟の日だから、と、兄は優しく触れる。今日はお前を一等大事にしようね、と。布団ごと抱きしめられて、頭を撫でられて。寝る前の口付けすらも、触れるだけで。弟の日なのだから。膝丸は抜け出した体を兄の上に乗せた。兄者、大事な弟なら、もっと甘やかしてくだされ。そう請う。(髭膝)

2018-03-06 23:44:57
やまたに @mw_snc

真面目だとか、凜々しいとか、高潔だとか、堅物だとか、弟を形容する言葉は周りに溢れているけれど。髭切は太股の上に納まる頭をゆっくりと撫でた。耳の側は気にくわないのか、むずがって。気に入る場所を探せば、擦り寄って。やめると怒って。そうやって自分だけに見せる稚さが髭切は好きだ。(髭膝)

2018-03-06 23:51:48
やまたに @mw_snc

この煮物は弟が好きだったな、と髭切は小鉢を隣にそっと置いた。代わりに、小皿のお浸しを自分の膳に奪って。弟は当たり前の顔をして、もぐもぐと与えられた好物を食べている。美味しそうだなぁ、と髭切はお浸しに箸を付けた。別にこれは、好物じゃなくて弟の嫌いなものなのだけれど。(髭膝)

2018-03-06 23:55:19
やまたに @mw_snc

兄弟なのに、と言われれば、兄弟だからと髭切は返す。兄弟なのに、弟を抱くのですか。何振りめかなぁ、ここの兄たちは随分と弟思いだ。感想はそれくらいで。後悔も、懸念も、禁忌もどこにもなく。一具以上にぴたりと嵌まる形があるのなら教えて欲しいくらいだ。(髭膝)

2018-03-07 00:00:25

春コミ薬宗

やまたに @mw_snc

やいばを振るう。桃色の光が舞う様に目を奪われそうになって、薬研は慌てて目の前の敵に集中した。皮膚を突いて内蔵を穿つ。柄まで通った、とにやりと笑う。視線を感じたのはその時で。見とれてんなよ。あなたこそ。言いながらも、また、美しい蝶を薬研は見るのだ。(薬宗)

2018-03-18 09:54:27
やまたに @mw_snc

くすりゆびを絡め合う。人の子は、心臓に繋がっていると思うのですって。宗三が笑う。小指を絡める。約束をするための指らしい。薬研が教える。人の形は、触れ合えるように出来ているものだと、ふたりは手を繋ぐ。なにか、約束してみましょうか。婚姻の方がよくないか。手を繋ぐ。(薬宗)

2018-03-18 09:57:49
やまたに @mw_snc

そらに蝶がひらりと舞う。くるくると、薬研の回りを旋回して。仕方ねぇな、と薬研は作業の手を止めて立ち上がる。蝶が導くその先は、魔王の愛刀の棲み家だ。そうざー、極めてから随分したたかになったもんな。これで呼びつけるなんて、と言えば、彼は楽しげに微笑んだ。(薬宗)

2018-03-18 10:02:16
やまたに @mw_snc

うすい桃色が庭に広がる。この季節は宗三が探しにくい、と薬研は辺りを見回した。まるで桜に拐われそうだ。そう言ったのは誰だったか。それよりは、桜を従えてしまいそうだと薬研は思う。ぶわり、花弁が薬研を包んで。おや、桜に拐われそうな美少年が来ましたね。ほら、儚いのは見た目ばかりだ。(薬宗)

2018-03-18 10:08:50
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