鹿太郎さんのメフィスト賞感想まとめ(ランキング追加しました)

鹿太郎さんがTwitterを始めてから読んだメフィスト賞感想のまとめです。 ここに感想が載ってない作品は最新作か鹿太郎さんがTwitter始める前に読んだ作品です。 ※4月25日ベスト&ワーストランキング追記
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鹿太郎 @shika1111555

津村巧「DOOMSDAY 審判の夜」読んだ。宇宙人がやってきて馬鹿が次々死んでいく話。シンプルを極めていてB級の美学を感じる。添え物程度にハヤシの物語とかあったけど殺戮シーンしか記憶にない。でもそれでいい!500ページもあるのに小細工を弄するつもりが一切ない横綱相撲そのものだった。

2018-02-25 16:30:22
鹿太郎 @shika1111555

日明恩「それでも、警官は微笑う」読んだ。尖った何かがあるわけではないが、バランスよくレベルが高い。結構ヘビーな終わり方だな。人の思いはそれぞれだとしても、現実はそれを斟酌しなくて、不幸は頑強で幸福は脆い。それでも笑う警官の姿はカッコいい。自分でも意外なほど楽しめた

2018-03-22 20:51:41
鹿太郎 @shika1111555

石黒耀「死都日本」読んだ。火山の噴火による日本の危機を描く大災害小説。「被災者のパニック」を完全に排除し、淡々と大災害の悲惨さ及びそれに伴う国家の危機を描くストイックな構成が良い。膨大な知識に裏打ちされた生々しさが作品にリアリティを与えていた。

2018-04-09 00:01:29
鹿太郎 @shika1111555

この手の作品にありがちな「極限状況での人の醜悪さ」を取り除いたのは英断だと思う。自然の前で人の生き死になんてちっぽけなものだ。もちろんそのちっぽけなものを守るためにトップは尽力してたわけだけど。地獄のような状況で「嘘をつき過ぎて地獄に堕ちそうな気分だ」というセリフが出るのがね……

2018-04-09 00:01:29
鹿太郎 @shika1111555

生垣真太郎「フレーム・アウト」読んだ。フレームで囲われることで生まれた物語が、フレームを破壊することで完成される。という構造が美しい。この本のタイトルはフレームアウト以外にない。ラストでわざわざ読者を突き放したところまで含めて、書きたいものを書いた感じがして良かった

2018-02-21 16:15:15
鹿太郎 @shika1111555

関田涙「蜜の森の凍える女神」読んだ。よくあるクローズドサークルものだなと思ったらそんなことはなかった。こういう話だったのか。けど、なんだかちぐはぐな印象を受けた。問題編がフーダニットなのに挑戦状と小説の主題がホワイダニット(少し違うか?)で全体がうまく噛み合っていないような。

2018-02-16 19:07:31
鹿太郎 @shika1111555

いわゆる「ひと殺しパズル」に人間の物語を組み込むのなら相応しい舞台・状況・設定、それらを繋ぐ伏線が必要だと思うのだけど、どれも不足しているように感じてしまった。五十年前の事件とか語り手くんの過去とかが宙に浮いちゃってる。面白く読んだのは本当だけど、それだけじゃ足りないとも感じた

2018-02-16 19:07:31
鹿太郎 @shika1111555

矢野龍王「極限推理コロシアム」読んだ。デスゲームだ!殺しあえ!というただだけの小説。びっくりするほど淡白で感想が難しい。思いつかない。とりあえずお前らもうちょっと推理しろや!

2018-01-02 16:09:41
鹿太郎 @shika1111555

辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」読んだ。閉ざされた校舎、作者と同名の登場人物、解決編前に挿入された「解答用紙」、ミステリとしての形式でしかないはずのそれらが青春物語としてひとところに集約される構図の美しさ。どうしようもない後悔とその結末はまさに青春ど真ん中でとても良かった

2017-12-20 18:18:33
鹿太郎 @shika1111555

真梨幸子「孤虫症」読んだ。極めて不快なのに超読みやすい。読後感最悪なのにするする読めて頭に残る。容赦ないなぁ。まさか解決でさらなる奈落に突き落とされるとは……これがデビュー作とは恐れ入った。

2018-03-23 20:22:35
鹿太郎 @shika1111555

気持ち悪さが先行してギミックにまで注目してられなかったけど、作品の方向性を自覚した上でミステリの手法を使ってるのが面白いと思った。まあ読んでる最中はそこまで考えなかったけど……。みんな肉にはちゃんと火を通そうね!

2018-03-23 20:22:35
鹿太郎 @shika1111555

森山赳志「黙過の代償」読んだ。うーむ。この手の作品は発売当時に読まないといけないのかな。どうにも実感がわかない。僕は知識も乏しいしその上実感が伴わないとなればこの作品の出来不出来を判断することさえ難しいわけで。こうなると結局自らの不明を恥じるしかない

2018-01-21 21:36:17
鹿太郎 @shika1111555

岡崎隼人「少女は踊る暗い腹の中踊る」読んだ。猟奇的な殺人鬼が複数うろつく街の片隅でボーイミーツガール(嘘ではないはず)。物語の中心は事件の中心と必ずしも一致しない。語り手の彼の物語ではあるけれど、彼は事件の中心にいない。これ犯人たち視点で読んでみたい

2018-01-25 18:32:31
鹿太郎 @shika1111555

どいつもこいつも自分の世界しか見ていなくて、「誰かのためだ」「誰かのせいだ」と嘯きながら自分のために罪を犯して酔いしれて、最後まで気持ち悪かった。気持ち悪さも貫き通せば魅力になるよね。なんかいい話風に終わらせたのが気に食わないが知ったこっちゃない。僕は部外者で、主人公は彼だから

2018-01-25 18:32:32
鹿太郎 @shika1111555

独りよがりを煮詰めて腐らせたみたいな作品だった。貶しているわけではなくそこが魅力ということで。申し訳程度のロジックは別に要らなかった気もする。狂人の論理は要る。

2018-01-25 18:32:32
鹿太郎 @shika1111555

「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!」読んだ。いやー、いいですね。「読者が犯人」ネタに正面から挑み、読み物としても面白い。試みがちゃんと成功してるかと問われればやや微妙かとも思いますが、全体的にハッタリ効いてて良かったかなと。一億円のトリックとかいうデタラメな設定とかいいよね!

2018-02-10 17:33:08
鹿太郎 @shika1111555

いや、一億っつーお値段設定にも意味はあるんですけどね。どうせなら本当に新聞連載にしちゃって超新星爆発みたいな刹那の輝きを残してほしかった。リアルタイムで読まないと犯人になれないとかそういう儚くて、でも力強いの好きなのさ

2018-02-10 17:33:08
鹿太郎 @shika1111555

あと、香坂氏のエピソードは作品内での意味付け関係なしに好き。特に最後は綺麗に落としてくれて満足

2018-02-10 17:33:09
鹿太郎 @shika1111555

汀こるもの「パラダイスクローズド」読んだ。終始笑ってた気がする。小ネタの応酬、本格パロディ、枠組みの破壊再構築が次々起きて飽きる暇がない。解決編は推理を披露する場ではなく、文字通り事件を解決する場であると。いやー、楽しい作品だった。

2017-07-10 19:40:00
鹿太郎 @shika1111555

輪渡颯介「掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南」読んだ。時代劇+怪談+ミステリ。とても読みやすかった。雰囲気よし、キャラクターよし、展開よし。目立った瑕疵もないし、特に言うことはないなあ。ミステリとしては素直でわかりやすいけど、読んでて楽しい小説だった。

2018-03-24 20:35:07
鹿太郎 @shika1111555

二郎遊真「マネーロード」読んだ。大げさな金融小説かと思いきや、蓋を開けれてみれば小さな人間の人生の話だった。ボロボロの千円札が歩んで来た道をたどる話。千円札語りが良かった。情があって、一歩引いていながら、同時に寄り添うようでもある。物語の上で必須ではないのにとてもいい味出してた。

2018-03-25 16:12:32
鹿太郎 @shika1111555

人と金の縁、ひいては人と人の縁がずっと展開の根底にあって、終盤はずっと優しい眼差しを感じた。爺さん好き。しょうもない人の欲はあれど、それが人間の全てではないし、いろんな人がいて当たり前だよね。でも脇役視点での語りは全く不要だったと思う。メイン三人(+お札)で事足りたのでは?

2018-03-25 16:12:32
鹿太郎 @shika1111555

望月守宮「無貌伝 双児の子ら」読んだ。特殊設定伝記ミステリ。デビュー作らしい詰め込みっぷりながら、それぞれの要素を蔑ろにしていない点が良かった。ヒトデナシは可能性を感じる設定で好き。世界の説明に紙幅を割いた関係か、トリック自体は見えやすいかもしれない。僕はあんまり気にならなかった

2018-03-17 11:27:20
鹿太郎 @shika1111555

無貌にまつわる物語としては、シリーズ前提のプロローグといった印象。探偵秋津と望少年のリスタートは丁寧に描かれるが、無貌の描写は控えめ。というか今回の無貌は完全に舞台装置だった。彼らの行く末が気になるし、完結してるみたいなのでゆっくり読み進めていきたい

2018-03-17 11:27:20
鹿太郎 @shika1111555

赤星香一郎「虫とりのうた」読んだ。思いの外ちゃんとしたホラーでびっくり。ホラー好きではないのでホラーとしての巧拙はよくわからないけど、しっかり作られてることは間違いない。実際、結構怖いんじゃないかと思う。道具立ても湿った空気も薄気味悪い。

2018-03-21 18:55:05