『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇・オン・ツイッター』紹介~はじめに

4月に出版されました『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』 http://www.bnn.co.jp/books/9172/ を著者がツイッター上で解説して行きます。まずは導入部分の解説です。
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 「人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇」を出版いたしました。ここでは、本書の関して、もう一度私自身が振り返りながら、新しく考察を加えながら解説して行きたいと思います。「人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇・オン・ツイッター」です。 bnn.co.jp/books/9172/

2018-05-03 13:22:40
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 人工知能は西洋から発祥しました。実際、1960年代の第一次AIブームは日本人は蚊帳の外でありました。そのような人工知能が本格的に日本に導入されたのは、1980年代のことであり、日本人工知能学会も1986年に設立されました。これは第二次ブームの中盤のころでありました。

2018-05-03 13:25:43
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 人工知能は少し他の学問と違うところがあり、電子レンジやエレベータのように、きっちりと世界の中に客観的指標を以て組み込む機械とは違って、知能という本人にとってもあやふやなものを機械として実現しよう、というところにあります。

2018-05-03 13:26:52
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 人工知能にはその捉え方に対する姿勢がはっきりと表れます。西洋は神、人間、人工知能(機械)という縦の序列を重視します。人工知能は人に似ている必要はないし、それが人間の知的作業を代替できれば良い、という考えに大枠としては基づいています。

2018-05-03 13:29:56
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 ところが、東洋においては、特に日本においては、むしろ、人工知能を自分たちの持つ自然の中に取り込みたい、という欲求があります。それは横のつながりを基本とする「八百万の神」の自然観です。人工知能は人間と似ていて、人間と対応であるのが望ましい、という欲求が大枠としてあります

2018-05-03 13:31:34
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 現在の日本社会を見ると、実にこの二つの人工知能への捉え方、つまり西洋的な視点と東洋的な視点が混在しているのです。西洋的な視点で作られたものを東洋的に受容しようとする、東洋的発想で作られたものを海外へ輸出しようとする混在が、現在の人工知能の見えにくさなのです。

2018-05-03 13:32:51
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 「人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇」は、仏教、インド哲学、イスラム哲学をはじめ、東洋的な考え方と人工知能の在り方を探求した本であり、それは思いきって純粋に東洋の側での人工知能の在り方を探求した本です。

2018-05-03 13:34:21
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 いまいちすっきりしない人工知能を、本書を通して、明確に二つの流れがあることを知覚することができるようになるのが、目的の一つです。東洋における人工知能の姿を浮き彫りにすることで、実は西洋の現在の人工知能の行き詰まりの向こうにある未来を見通すことができます。

2018-05-03 13:35:58
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 では、まず前書きから始めたいと思います。実は前書きについては、PDFの形で公開しています。ぜひ、こちらからご覧ください。 bnn.co.jp/books/9172/

2018-05-03 16:30:16
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 人工知能と機械の違いは、人工知能が自分自身とこの世界を体験することを目指されているということです。単に外部から駆動されるのではなく、主体的に生きることを、少なくとも自律型AIは目指しています。

2018-05-03 16:33:27
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 ところが、体験を扱う、というのは科学ではとても難しいことです。少なくとも物理学でも、機械学でも、およそサイエンスと言われるところでは、体験を分解できても、体験を組み上げる、ということは目指されていない。それは人工知能に一つの目標でもあるのです。

2018-05-03 16:34:22
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 ところが、そのような体験を作る、とは言っても、体験は主観的なものです。我々人間は世界と自分自身を体験していますが、この体験の正体は何か、と言われると、はた、と答えに窮してしまいます。

2018-05-03 16:35:04
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 そういうことですから、体験ということを言わずに、機械の延長として、機械の少し賢い版として人工知能を作るという機能主義が一つあるわけです。

2018-05-03 16:36:23
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 一方で、強い人工知能という言い方が適切ではないですが、より本当の知能を作る方向としては、まず体験というものを人工知能に与える、というテーゼが、人工知能開発の地平に立ち聳えているのです。

2018-05-03 16:36:55
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』ジュンク堂池袋店さんで、哲学塾で引用された78冊のフェアが開催中です! pic.twitter.com/pEFdp3QiR5

2018-05-03 21:43:22
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ジュンク堂池袋本店におじゃましました。ぜひ、お越しください。『人工知能のための哲学塾』東洋哲学篇・西洋哲学篇に登場する、人工知能、西洋哲学、東洋哲学の78冊の本が一堂に会しています!78冊を解説した小冊子(数に限りがあります)も貰えます! #ai哲学塾 #AI #人工知能 #哲学 pic.twitter.com/1IrOnQ07TF

2018-05-02 12:13:35
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#ai哲学塾 『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』青山ブックセンター六本木店様でも展開頂いています。ありがとうございます。ぜひ、お立ち寄りください。 pic.twitter.com/NLAS1WoySj

2018-05-03 21:47:49
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