地域による文化的資本の格差であったり、出自である階層による格差は、存在する。

事実認定とは別に、「そのように記憶している」という本人性も重要、そのことを同じ研究者が「許容せずに叩く」という方向に向かったことを、私は研究や科学の「貧困」だと感じる。 まずは「聞く」ということから始めなければ、科学が数値として扱えない領域について研究し、社会に貢献することなどできはしまい。 格差を固定化して、東京に人が集まることで、地方は得しますか? 上澄みの才能が流出して、ルーツを「ないことにして」押し黙らせて、それで地方は発展しますか?
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新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

科学や客観的なファクトは、そこまでそっくり返って相手をドヤすほどに「偉く」て「唯一無二」の研究者にとっての記述方法なののだろうか。 世の中の様々な「状態」について、数学で記述できる事柄は極めて限定的だ。科学が手つかずの「状況」や「状態」は圧倒的な量で存在する。

2018-05-02 09:10:17
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

そういう「手つかずのところ」に「科学の態度」で中途半端に無理に切り込むと、たとえば「ビブリオメトリックス」による学術の評価のような(ポジティブな面も存在するが)極めてネガティブな副作用も起こる。AIによる人事評価などもそのひとつだろう。

2018-05-02 09:13:26
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

一方、当事者に話を詳しく聞く、というナラティブな方法論というのも、学術研究の世界には存在する。たとえば、戦争体験者、性的被害者らが語るものは彼らの「記憶」であり、事実認定とは別に、「そのように記憶している」という本人性も重要だ。それを「客観性に乏しい」と責めるのは二次被害に等しい

2018-05-02 09:19:23
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

「記憶」は(本人の意思や意志に無関係に)都合のよいように脚色されることは多い。あなたの記憶も私の記憶も、そうだ。だが、重要なのは、「十代の若者が(その当時は語る言葉自体を持っていないために)語られなかったこと」が、比較的記憶が鮮明な間に、語られたという事実だろう。

2018-05-02 09:22:06
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

そのことを同じ研究者が「許容せずに叩く」という方向に向かったことを、私は研究や科学の「貧困」だと感じる。まずは「聞く」ということから始めなければ、科学が数値として扱えない領域について研究し、社会に貢献することなどできはしまい。

2018-05-02 09:23:35
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

以上を読んだ上で、改めてこの稿を読んでみてほしい。「近所に文化的施設がなかったなんて嘘だ。盛っている。売名行為だ」と非難することが適切かどうか、冷静に考えてほしい。 gendai.ismedia.jp/articles/-/553…

2018-05-02 09:59:37
リンク 現代ビジネス 「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由(阿部 幸大) 教育と格差の問題といえば、しばしば話題にのぼるのが東大生の親の年収である。東大生の育った家庭の半数強が、年収950万円以上の比較的裕福な家庭だという。だが、こうした問題提起に出くわすたび、いつも「ある視点」が欠けていると私は感じる。それは都市と地方の格差、地域格差である。田舎者は、田舎に住んでいるというだけで、想像以上のハンディを背負わされている。 1349 users 10772
リンク 現代ビジネス 大反響「底辺校出身の東大生」は、なぜ語られざる格差を告発したのか(阿部 幸大) 衝撃をもって受け止められた、阿部幸大氏による「教育と文化の地域格差」に関する論考「『底辺校』出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由」。前回の記事が想像以上に大きな反響と議論を呼んだため、本稿は連載形式をとることになった。さしあたり今回は、前回の記事に対していただいた反論や疑問に応答する。とくに重要だと思われるいくつかの指摘をピックアップして、直接・間接に、できる範囲でお応えしたい。 389 users

 

新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

格差の上の側は「語る方法論」を持っている。一方、格差の下の側の多くは「語る方法論」を十分に持っていない。そこにすら歴然と格差がある。 通常ならば「語る方法論」を持たない側が、稀有な偶然によりその方法論を身に着けたときに、最初に発した怒りを受け止めなくて、どうする!

2018-05-02 10:41:38
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

階層を移動する、ということは(戦後25年くらいの短い間を除くと)、常に孤独な戦いだ。中学の友達とは話が合わないし、故郷は捨ててこなければならないし、行った先の階層は「日本に階層なんてあるのか?」意識だし。

2018-05-02 10:45:58
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

「日本に階層なんてあるんですか?」「東京だって本屋なんかで本買わないよ。Amazonでしょ」「地方って交付金もらってて、結局東京に頼っててずるいよね」みたいな年収800万円以上首都圏出身層に怒りを届けるのに、他に方法があるんですか、と私は問いたい。

2018-05-02 10:48:35
五指ナマケモノ @ituyubi

@noricoco 先日バズった釧路の話も、枝葉に突っかかってる人が多かったしなぁ… 学歴競争が公平なルールの下にないと指摘することには、強い反発が生じる。 それでも、遺伝・家庭・階層が、学歴と階層に強い影響を与えていることはひろく受け入れられつつある。 地域による格差の存在も強く訴えていきべき。

2018-05-02 12:41:49
五指ナマケモノ @ituyubi

学歴には「努力と能力の証明書」と「格差を正当化する免罪符」との側面がある。 純粋な「努力と能力」ではなく、遺伝・家庭・階層・地域などの努力では左右できない要素が大きいほど、学歴による受益の「正当性」が薄れる。 先日の釧路の話への反発の強さは、正当性への攻撃と受け取られたからでは。

2018-05-02 12:50:59
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

世界中のいわゆる一流大学において、ダイバーシティを確保するためにどう学生を取ればいいかは共通の課題。当然日本も。

2018-05-02 17:20:34
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

ただ、日本は入試の公平性に異様なこだわりがあり、改革すべき論はあっても前に進めようがなく立ち消えになる。

2018-05-02 17:21:54
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

ただ、統計を取れば東大の首都圏出身率、特に中高一貫校率の上昇は看過できない状況であることは多くの関係者が共有している問題意識だと思う。

2018-05-02 17:49:28
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

改めてリツイート >「相対的貧困」の何が問題なのか? 実感なき数字を、それでも課題視するわけ(湯浅誠) - Y!ニュース news.yahoo.co.jp/byline/yuasama…

2018-05-03 08:35:30
リンク Yahoo!ニュース 個人 「相対的貧困」の何が問題なのか? 実感なき数字を、それでも課題視するわけ(湯浅誠) - Yahoo!ニュース 子どもの貧困は、見えないし、実感ないし、死ぬわけでもない。しかし、それならばなぜ、世界はそれを課題視するのだろうか? 相対的貧困の何が問題か、まずはそこから考えてみる。 333 users
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

地域による文化的資本の格差であったり、出自である階層による格差は、存在する。前者は文化的施設を東京のゼネコンが建てることでの解消が計画され自治体が躍起になって誘致したが、成功している事例は極めて少ない。今や建物維持管理費・光熱費が自治体の重荷になっている。

2018-05-03 08:42:22
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

今回の「騒動」は、フレーム的には、NHKの貧困特集で「貧困として取り上げた女子高生が、実は貧困ではないのでは?やらせ番組なのでは?」の猛烈な嵐と極めて類似しているな、と思う。しかも「やらせ」だと主張する側は「正義」だと思って主張しているところも酷似している。

2018-05-03 08:50:01
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

それ、いったい「誰のために得になる正義ですか?」と思う。 格差を固定化して、東京に人が集まることで、地方は得しますか? 上澄みの才能が流出して、ルーツを「ないことにして」押し黙らせて、それで地方は発展しますか?

2018-05-03 08:54:59
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

昨日、私に「田舎に行ったこともないエリートのくせに」「田舎に来てみろ!」と言った人がいた。私のHPを見れば、鳥取・北海道・福島・岩手等の学校の講演会や支援をしているのが明らかなのに、だ。特に北海道はほぼ毎年行っている。基礎読解力格差は道教育委員会とRSTで確認済みです。

2018-05-03 08:58:11
新井紀子/ Noriko Arai @noricoco

鳥取でも山形でも言われたことは、過疎地ほど子どもの運動量が少なくなっているという懸念だった。まず熊が出る。猟友会の人は高齢化して減っている。遊べる年齢の子どもがいる「隣の家」まで3キロとかは普通。車で送り迎えしないと小学生は「外で友達と遊べない」。

2018-05-03 09:00:10
安田登 @eutonie

@noricoco うちの田舎(千葉県銚子市海鹿島町)の方も、路線バスが日に2本しか来ないので、友だちの家はとても遠い。しかも、海は至近なのに、「海は危ないから泳いではいけない」という指導があるらしく、以前は海に集まっていた友だちも来なくなったとか。ゲームしかないのもわかります。

2018-05-03 09:29:52
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