ラスト・ガール・スタンディング #2
ショーゴーはアフロヘアーをいじりながら言った。「なんかアンタ気に入らねえ。じゃあ俺、このままここで容疑者になるわ」「ま、待った!待った!」ウミノは笑顔のまま慌てて、「本当に害意は無いんですよ、ここではちょっとね、色々言うのがはばかられてねェ」看守へ気遣わしげな視線を送る。
2011-04-12 16:45:28「言やいいじゃん」ショーゴーは看守に向けて手をかざした。「ア……アババーッ!?」看守の口から白い光が伸び、ショーゴーの手のひらに吸い込まれる!直後、看守は白眼を剥いて床に倒れた!ナムアミダブツ!「どうだ、これで。邪魔者、いなくなったぜ」ショーゴーは薄笑いをウミノに向けた。
2011-04-12 16:51:21ウミノの反応はショーゴーの予想外だった。それまでの笑顔がかき消え、酷薄な目つきがあらわられたのだ。「チッ。狂犬め」カタナを交差させた意匠の金のバッヂが不穏に輝いた。「教育が要るか?大人をなめるなよ」「何だと」「イヤーッ!」
2011-04-12 16:56:41「イ、グワーッ!?」ショーゴーは反射的にウミノへ「力」を用いようとしたが、まるで遅かった。手をかざそうとした時には既に顎をイタリア靴の爪先で蹴り上げられ、天井に頭部をぶつけて落下!アフロヘアーがクッションとなったが顎は蹴りを受けて外れ、発声ができぬ!「フガ、フガフガッ!」
2011-04-12 17:00:28「ガキめ。ケチなニンジャソウルひとつで世界の王になったつもりだろうが、想像力ってもんを働かせろ。な?」ウミノはショーゴーの背中をイタリア靴で踏みつけた。「ゴジュッポ・ヒャッポ。お前は俺らの世界じゃヒヨッコなんだよ。で……」ウミノはジッポーでモノホシ・タバコに着火し、灰を落とす。
2011-04-12 17:21:30「グワーッ!」アフロヘアーに灰を落とされ、ショーゴーがもがく。ウミノは無慈悲に言った。「お前のせいで予定が前後したが、選択の時間だ。いいか、お前はニンジャだ。俺たちにとって価値がある。お前次第だ。俺とシンジケートに来るか、それともここで死ぬか。今すぐ決めな」
2011-04-12 17:29:18ショーゴーはうつ伏せのまま苦労して顎を嵌め直した。「ザ、ザッケンナコラー!」「聞こえねえな!」イタリア靴で背中を踏みつけながらウミノは無慈悲に言う。「あらためてアイサツしてやるよ。ドーモ、ショーゴー=サン。俺はソウカイ・シックスゲイツのニンジャ、ソニックブームだ」「ニンジャだと」
2011-04-12 18:41:07「そうだよガキィ!」ソニックブームが威圧する。「俺もお前もニンジャだ!お前がケチなケンカした事がシンジケートの耳に入ったんだよ、残念だな!遊びは終わりだぜ!」「グワーッ!」踏みつける!「……お前、いつニンジャになった?そう昔でもねえだろう。不注意なんだよ、お前は!」「グワーッ!」
2011-04-12 19:23:00ソニックブームが足に力を込める!「グワーッ!グワーッ!」苦しむショーゴーの薄れゆく意識に、「あの時」のビジョンがフラッシュバックする。屋上から見上げた眩しい太陽、バイオセミのけたたましい鳴き声。飛翔……
2011-04-12 19:37:02