直優まとめ

直助くんと優馬くんの親友以上恋人未満なやりとり
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美桜 @shootandsay

「優馬優馬、これ食べたか?すんげーうまいの!」「優馬、これ見た?」「優馬、これ、やる!すんげー触り心地いいから!マジ最高!」「優馬!」 いつだって笑顔でナオは俺に接してくれる。それはとても嬉しいことだし、ナオのことは大好きなんだけれど、ときどき距離が近すぎて、少しだけ、困る。

2018-06-24 00:28:23
美桜 @shootandsay

今日も共有ルームのソファで仕事の指示書を確認していたら、背後から思いっきり抱き着かれた。ほっぺたをくっつけるみたいな近さで手元を覗き込まれると、正直落ち着かない。少しでも距離を取ろうと体を傾げ後ろを振り返ろうとすると、それを許さないとばかりに首に回された腕に力がこめられた。

2018-06-24 00:28:23
美桜 @shootandsay

「優馬、それ、なに読んでんの?」 「おかえり、ナオ。これは、明日の仕事の、スケジュールと概要だよ」 ナオのところにも送られているよね?と確認すると、記憶にないのか大きな目が何度も瞬きを繰り返す。メールを確認してみれば?と告げようとした瞬間、ふたたび頬がくっつけられた。

2018-06-24 00:28:23
美桜 @shootandsay

「ま、いいや。あとで優馬の見せてもらえばいいし」 「えっと、ナオ?少し、近い」 こんなに近かったら心臓の音が聞こえてしまうかもしれない。耳だって、きっと真っ赤だろう。だから少し離れて、と俺が言うより早く、ナオは満面の笑みを浮かべるとくっついた箇所をさらに擦り寄せてきた。

2018-06-24 00:28:24
美桜 @shootandsay

「だってさぁ、近くないとわかんないじゃん?」 「わからないって、何が?」 文字が見づらかったのだろうか。ならナオのほうに資料を向けて、なんて考えていた俺は、続いたナオの言葉で思いっきり固まってしまった。 「優馬が俺のだって!ちゃんと主張しとかないと、みんなに伝わらないだろ?」

2018-06-24 00:28:24
美桜 @shootandsay

びっくりしすぎて、言葉も出なかった。いったい、なにを言っているんだろう。なにを言われているんだろう?衝撃が大きすぎて、脳の処理が追い付かない。言葉も発せずにただ口をパクパクと開閉することしかできなかった俺を不思議そうに見下ろして、ナオは少しだけ体を離してくれた。

2018-06-24 00:28:24
美桜 @shootandsay

「あれ?なんか違った?」 「えっ……いや、あの、その……違わない、かな」 否定はしたくない。でも肯定するのは恥ずかしすぎて心臓が耐えられない。辛うじて絞り出した言葉にニッコリ笑顔を浮かべると、ナオは俺に絡めていた腕をパッと離した。 「んじゃ、ちょっと着替えてくる!」

2018-06-24 00:28:25
美桜 @shootandsay

そう告げて、パタパタと軽快な足音を立てながらナオが自室へ戻っていく。俺はといえば、いきなりの宣言にひっくり返りそうな心臓を落ち着かせるために、ソファに突っ伏して悶えることしかできなかった。

2018-06-24 00:28:25

『perfect sundae』

美桜 @shootandsay

寮の最寄駅で待ち合わせて二人でスマホを覗き込む。昨日はこっちに行ったから今日はこっちに行こうか、と軽い打ち合わせだけ済ませて、制服のまま、まだ明るい街並みへと飛び出した。 スイーツが美味しいと評判の店はほとんどが女性客で埋まっていたが、同行している直助は一向に気にする気配がない。

2018-06-26 19:17:18
美桜 @shootandsay

最初はほんの少しだけ躊躇していた優馬だったが、数回同じ経験をして他の客が自分たちをそこまで意識することがないと学んだあとは気にするのをやめた。目の前で嬉しそうに直助が甘味を頬張っているのに、自分の態度がぎこちなかったらいらぬ心配をかけてしまいかねない。それは嫌だった。

2018-06-26 19:17:18
美桜 @shootandsay

今日の店も店内は女性客で賑わっていた。「2人で!」と直助が元気よく店員に告げると、テラス席へと案内される。一応デビューしている自分たちがテラス席で大丈夫だろうかと優馬は周囲を伺ったが、特に注目されている様子もなかったのですぐに気持ちをメニュー表へと切り替えた。

2018-06-26 19:17:18
美桜 @shootandsay

二人でさんざん悩んだ末に、店で一番人気だというパフェとパンケーキを注文することに決める。注文を受けにきたウェイトレスに笑顔で手を振って見送ると、直助はテーブルに置かれた水を一息に飲み干した。 「にしてもさー、優馬ってパフェ好きだったんだな。意外」 「えっ?」 「えっ、って?」

2018-06-26 19:17:19
美桜 @shootandsay

「ナオがパフェ好きなんだと思ってたから、美味しそうなお店の情報調べていたんだけれど……もしかして、違った?」 だとしたら申し訳ないことをしてしまったと焦る優馬の眼前で、直助が不思議そうに首を傾げる。 「あれ、俺、そんなこと言ったっけ?」 「言ったっていうか、打ち上げのとき」

2018-06-26 19:17:19
美桜 @shootandsay

飲み屋さんでわざわざパフェを頼むくらいだから、てっきり好物なのかと思い込んでいた優馬は自分の思い違いに青ざめる。記憶がないのかしばらく首を捻っていた直助な、途中で考えることを放棄したらしく椅子に深く座りなおすと満面の笑みを浮かべてみせた。 「ま、いっか。なんにしても美味しいし」

2018-06-26 19:17:19
美桜 @shootandsay

「でも、もしそんなに好きじゃないなら、無理しなくても」 「別に嫌いってわけじゃないしさー。それに、放課後優馬とこうして出歩くのすっげー楽しいから、そっちのが大事」 だろ?と朗らかに同意を求められ、少しだけ躊躇ったのちに優馬も頷く。確かに、直助の言うとおりだ。

2018-06-26 19:17:19
美桜 @shootandsay

考えすぎていた自分がおかしくなっていて思わず笑いだした優馬に釣られて直助も声を弾ませる。通行人が笑い転げる男子高生二人の光景に振り返るのも気に留めず、店員が注文の品を運んでくるまで、しばらく二人は楽し気な声を響かせていた。

2018-06-26 19:17:20

『はいよるもの』

美桜 @shootandsay

『Perfect Sundae』 直助くんと優馬くんの放課後デート(?)の小話。

2018-06-26 19:17:59
美桜 @shootandsay

『なにか』に見られているような気がして優馬は立ち止った。 振り返っても、陽光を照り返すアスファルトがゆらゆらと空気を揺らめかしているだけで生き物の気配はない。電柱の陰にもブロック塀の端にも何かがいるような形跡はなかった。 踵を返し歩き始める。と、また背中に刺さるような視線を感じた。

2018-07-16 10:24:18
美桜 @shootandsay

息を飲み込み背後の気配を探る。やはり何かがいるような形跡は感じられない。それなのに、大きな目がじっと自分を凝視しているイメージが拭い去れない。暑さとは異なる汗が首筋を辿り背中に伝うのが落ち着かなくて、優馬は指先で滴を拭った。 早く帰らねばと、気持ちばかりが急く。

2018-07-16 10:24:18
美桜 @shootandsay

早くこの場を立ち去らなければ。あの視線から逃れなければ。そう思えば思うほど足は重くなり前に進むことが億劫になる。熱気のせいか喉がひりひりと痛み視界がくらくらと歪み始める。逃げなければ。あれに捕まってはいけない。脳内に鳴り響く警鐘に従って動かない足を踏み出すと腕に何かが絡みついた。

2018-07-16 10:24:18
美桜 @shootandsay

ひゅっと息を吸い込み慌てて手を引くがそこには何もいない。いた形跡すらない。ただ陽炎が揺らぐ路面に小さく黒い影がたなびいているだけだった。 恐怖に鼓動が逸る。ダメだダメだ。ここにいてはいけない。早く、早く、帰らなきゃ。口の中で何度も繰り返すが体が言うことをきかない。

2018-07-16 10:24:19
美桜 @shootandsay

このままでは『それ』に飲み込まれてしまう。恐ろしくて悲鳴をあげそうになった瞬間、聞きなれた声が静寂を遮った。 「優馬じゃん、なにしてんの?」 息を飲み込み声のほうを振り返る。コンビニ袋を下げた直助がアイスを咥えながら怪訝そうにこちらを伺っていた。 その瞬間に硬直が解ける。

2018-07-16 10:24:19
美桜 @shootandsay

「ナオ……」 声が掠れているのを恥じる余裕すらなかった。安堵に胸を撫でおろし、優馬は友人のほうへと歩む。「食べるか?」と差し出されたポリエチレン容器いりの氷菓は汗をかいていてたが、掌に伝わる冷気が心地よくて思わず握る手に力がこもってしまった。 視線はもう、感じない。

2018-07-16 10:24:19
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