教育無償化よりも塾に行かずにすむ公教育を

現在の公教育は、塾通いを前提として授業が進められる実態が進行している。塾に通わなくてもすむ公教育を取り戻そう。
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shinshinohara @ShinShinohara

教育無償化よりも、塾に行かなくても済む教育の方が望ましいかもしれない。公立校の授業料は安価だが、塾は高い。公立校に通い、本人が真面目に学習に取り組みさえすれば、希望する進路を選べる、そんな教育システムの方がよほど公平なのではないか。

2018-07-07 06:58:06
shinshinohara @ShinShinohara

今は、塾通いが常識と言ってもよいくらい、通塾率が高い。これが家計を圧迫し、塾に行かせたくても通わせられない貧困家庭との格差を大きくする。しかも厄介なのは、公立校の授業でさえ、塾通いを前提とした進行をしているケースが見られることだ。なぜこんなことが起きるのか。

2018-07-07 07:01:24
shinshinohara @ShinShinohara

通塾率が非常に高くなり、学校で習うよりも早く学んでしまう予習型の塾が盛んになると、「浮きこぼれ」と言われる生徒が多数発生した。公立校ののんびりした授業が退屈で苦痛になったのだ。親も「もっと塾のように、難しい問題を、もっと内容を早く進めて」と要望するケースが増えた。

2018-07-07 07:04:33
shinshinohara @ShinShinohara

その声に抗しきれず、先生たちは、塾通いの生徒でも取り組みがいのある、少し難しいプリントを配布するようになり、授業も教科書をあまり用いず、プリント中心で進めるようになった。これで悲惨なのは、塾に通っていない子どもたち。チンプンカンプンの授業を聞かせられるのだから。

2018-07-07 07:07:24
shinshinohara @ShinShinohara

教科書は非常によく練られて作られていて、初めて学習する子でも、順番に学んでいけば理解し、習得できるようにデザインされている。しかし、通塾する子どもたちに合わせたプリントは、そんな配慮がなされておらず、いきなり難しい問題が山積して、自信を喪失させる。

2018-07-07 07:09:54
shinshinohara @ShinShinohara

もちろん、通塾している子どもは塾で予習しているから、いきなりプリントを渡されても取り組める。結果、塾に通う子だけが勉強についていけ、塾に通っていない子は授業に全くついていけないことになる。この構造に気づいた親は、無理をしてでも塾に子どもを通わせてやろうとする。

2018-07-07 07:13:08
shinshinohara @ShinShinohara

しわ寄せが来るのは、塾に通わせたくても経済的に無理な家庭の子ども。十分な学習意欲と、理解力を持っていても、塾通いの子どもに照準を合わせたプリント中心の授業では、最初から応用問題を聞かされて、基礎をおろそかにするものだから、全くついていけなくなる。

2018-07-07 07:16:19
shinshinohara @ShinShinohara

この構造を象徴するのが「フタコブラクダ」だ。公立中学の成績の分布を見ると、20点辺りを頂点とする山と、70点以上を頂点とする山の二つに分かれる。塾に通えない子どもが低成績の山をなし、塾に通う子どもたちが好成績の山を築くのだ。塾通いが格差を生んでいる。

2018-07-07 07:18:48
shinshinohara @ShinShinohara

私が中学生だった頃は、成績の分布は比較的きれいな一つの山になっていた。60点付近を頂点として、100点と0点の両極端に向けて、なだらかな下り坂となる。正規分布に近い形を形成していた。これを「フタコブラクダ」に分けてしまったのが、塾通いの進行だ。

2018-07-07 07:21:15
shinshinohara @ShinShinohara

なぜここまで塾通いが一般化したのだろうか。きっかけは「ゆとり教育」だ。円周率を3.14ではなく、約3と教えるらしい、という話がよほどショックだったのか、「このままでは受験競争を勝ち抜けないのではないか」と不安を抱いた保護者は、こぞって子どもたちを塾に通わせるようになった。

2018-07-07 07:25:49
shinshinohara @ShinShinohara

しかし、本当は「約3」と習ったら、受験でも約3としてしか問題は出さないのだ。入試試験は教科書に書いてある内容からしか出ないのだから。どんな私立大でもだ。しかし親たちが「円周率が3と習うようでは受験戦争を勝ち抜けない」と不安になったのを、塾も利用してしまった。

2018-07-07 07:29:04
shinshinohara @ShinShinohara

塾は、学校では教えなくなった内容もこれまで通り学ばせるとすることで、親たちの不安に応えた。この結果、不安を解消しようとした親たちは、こぞって塾に通わせようとした。その結果、公立校の授業でさえ変質させるほどの圧力となり、塾に通わない子がついていていけない授業となったのだ。

2018-07-07 07:31:50
shinshinohara @ShinShinohara

私はもう一度、塾に通わなくても授業についていけ、真面目に学習すれば望みの進学が可能になる授業に戻すべきだと考える。塾に通うのは金銭的にも負担が大きい。それがなくなるだけでも家計には助かる。教育無償化よりも、塾にいかずに済む授業の回復をぜひお願いしたい。

2018-07-07 07:34:04