『ロックマンDASH』の世界観を改めて考察してみました。

前回の『流星』考察に合いの手が多かったので、調子に乗って『DASH』もやってみました。 セルフまとめです。ネタバレも誤字も多く含みますのでご注意ください! (123レス、16,000字強もあります!!書きすぎ……!!) 皆様の考察の一助になりましたらば幸いです! ユーナがユーリになってます!!ごめんねミクちゃん!!!
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らいおねサン @WRaione

ライブはフラッター号 VS ゲゼルシャフト号をやってる頃かな……? 続いて、『ロックマンDASH』の「古き良き時代の冒険活劇」としての側面と「ポストアポカリプス」としての側面の考察を初めていきます。 両者の側面の象徴であるトロン・ボーンとロックマン・ジュノを中心にして、少し整理してみます

2018-07-08 13:53:03
らいおねサン @WRaione

1997年12月18日。シリーズ10周年を突破して発売された本作は、初のフリーランニングアクションRPG……まあ要するに3Dアクションゲームでした。 演出としての3Dではなく、上下左右奥手前と行動範囲を広げた3Dです。 必然ステージの見せてくる情報量は、凄まじく厚みのあるものとなります。

2018-07-08 14:10:43
らいおねサン @WRaione

ゲーム序盤、飛び込んでくるのは厳しい無機質な古代遺跡の様相と、どこか古くも新しい街並みのダブルパンチです。 怒涛の情報量に世界観の解釈が追いつかないこと必至でしたが、遺跡の方には一旦思考停止することで、ロックマンDASHは順を追って理解していくことができると思います。

2018-07-08 14:10:43
らいおねサン @WRaione

知っている方も多いかもしれませんが、タイトルの“DASH”とは“Digouter's Adventure Story in Halcyon days”の略で、これを“古き良き時代の冒険活劇”と訳されています。 “古き良き”……と言われてもどんな古さなのかがちょっと分かりにくいのですが、ざっくり「牧歌的」と捉えておくことにします。

2018-07-08 14:10:44
らいおねサン @WRaione

国といった国はなく、都市国家のような町々の自治によって飛び石のような水没世界の島々で人々は暮らしています。その様子は慢性的に何者かに追い立てられるようなものではなく、かといって何もしない怠惰なものでもありません。

2018-07-08 14:10:45
らいおねサン @WRaione

というのも、この世界観では劇的に人口が激減しており、社会生活におけるゼロサムゲームが発生しにくいことに起因しているためです。 (これはTVゲーム的世界ゆえのメタ考察ではなく、暦とした「ポストアポカリプス」側の理由があってこその重要な設定です)

2018-07-08 14:10:45
らいおねサン @WRaione

この世界では、パイの取り合いが起きない代わりに、大規模な都市国家としての運営も出来ません。 ただし、多くの島にある遺跡から、過去の文明の遺産/資源を掘り出し、再利用することで高水準の生活様式を保つことができます。 場所によっては遺跡そのものの上に街が出来ているぐらいで……

2018-07-08 14:29:32
らいおねサン @WRaione

人は少ない。でも資源は多い。技術の恩恵もある。あたかもジャパリパークのような(側から見れば精密にメタ存在により管理されているとしか思えない)環境が、特に戦争も起きないような穏やかな世界観の土壌になっているわけですね。

2018-07-08 14:29:33
らいおねサン @WRaione

だからといって、悪者が一人も居ない、という訳ではありません。少ない人員(に場合によっては量産型ロボットも一緒)で構成される、食い扶持目的のアウトローが存在します。 大きく分けてこれらは2つ。 “違法ディグアウター”と、“空賊”です。

2018-07-08 14:29:33
らいおねサン @WRaione

前者は、この世界に数少ない世界規模の管理協会であるディグアウター協会の管理を受けない盗掘屋です。主だって人に悪を働くわけではありませんが、未知数の危険を孕んだ遺跡を好きに荒らされては、周辺の住民に危険が及ぶ可能性があるので、アウトローとされるわけですね。

2018-07-08 14:29:34
らいおねサン @WRaione

後者は、ロストテクノロジーの流用によって、主たる移動手段が飛行機械となっている世界観ならではの賊です。単に町々の施設を荒らし略奪するものから、町が秘匿する遺跡のディグアウト権を武力要求するものなど、様々なタイプがあります。

2018-07-08 14:29:34
らいおねサン @WRaione

基本的に自治区ごとに警察のような戦力はありますが、傾向的に多くのテクノロジー/資源を有しやすい空賊たちには、歯が立たないことが殆どのようです。ここにきてやっと、平和ボケのきらいがあると言ってもいいでしょう。

2018-07-08 14:29:34
らいおねサン @WRaione

ぶっちゃけ『ライバル視』もひとつのキズナの在り方じゃないの? と思わないでもないけど、ソロ君も年頃の子だからそれを突きつけると顔真っ赤にしそうだから皆んな言わないであげてるのかなーとか考えると相当痛い子扱いなのが可哀想。。。

2018-07-08 14:36:48
らいおねサン @WRaione

こうして人々は、概ねのほほんと暮らしつつ、時折遺跡周りの災害や空賊と戦うような日々を送っています。 ここまで整理すれば、普通にはあり得ない奇妙な傾向をしているのは自明ですね。 その奇妙さを深く疑問に思わず、浪漫として思考停止するからこその“古き良き冒険活劇”なのでしょう。

2018-07-08 16:09:33
らいおねサン @WRaione

プレイヤーだってそのことは知らないのですから、当初は「そんなものだろう」と考えるのをやめるのですが、『DASH1』の終盤に入ると、そんなご都合主義の浪漫的世界観がまかり通っている現実的な理由と対面することになり、主人公に移入する形でこの世界の“もう一つの側面”を知ることとなります。

2018-07-08 16:09:34
らいおねサン @WRaione

このもう一つの側面というのが、“ポストアポカリプス”としての世界観の在り方でした。 ※(考察を垂れ流しておいて今更ですが、ここから下は重大なネタバレを孕んでおりますので、未プレイの方は留意の上でお読みください……)

2018-07-08 19:30:32
らいおねサン @WRaione

実はDASHにおける人類はとっくに滅び去っており、人類の模造品と言える擬似生命体“デコイ”が代わりにこの地上で人類の代わりを務めているのでした。 登場人物の思考体系が微妙にまっとうな生物のそれと異なっているのはこのためです。また、古代遺産についての情報が現代に伝わっていないのも。

2018-07-08 19:30:37
らいおねサン @WRaione

管理された擬似生命体“デコイ”は、その数が増えすぎるなど平時を逸した状況に陥った場合、管理する側の上位存在によって“処分”されてしまいます。決定的な歴史の断絶が度々起こっているのは、これが主たる原因でしょう。

2018-07-08 19:30:38
らいおねサン @WRaione

ここまでをまとめると、人類の代わりに地球上で生活している“デコイ”は、大幅に陸地を失った島々で小規模な自治都市をつくり、上位存在による処分で歴史を断絶しながら、過去のオーパーツの絡む牧歌的生活のエラーを『冒険活劇』の浪漫として認識していたと。

2018-07-08 19:30:40
らいおねサン @WRaione

前提として『古き良き冒険活劇』としての側面、『ポストアポカリプス』としての側面の二つが表裏一体となって、DASHの世界観が形作られていることを整理しました。 これを基にして、以下から具体的なキャラクター像への考察に移ります。

2018-07-08 19:30:41
らいおねサン @WRaione

主人公ロック・ヴォルナット。彼は元々デコイを管理する一等粛清官『ロックマン・トリッガー』という人物でしたが、大昔にデコイの管理方針をめぐる内乱の中で深刻なダメージを負い、身体の再生のために赤ん坊まで退行したところを、育ての親バレル氏に拾われました。

2018-07-08 19:30:42
らいおねサン @WRaione

粛清官としての記憶は、外部メモリーに移されてしまったため、成長した後も彼は自分の本来の役割を忘れて、バレル氏とその孫娘の稼業である、オーパーツの発掘屋=“ディグアウター”を手伝って暮らしていくことになります。

2018-07-08 19:30:43
らいおねサン @WRaione

物語が進むにつれ、自分の本来の役割を知っていくロックでしたが、記憶を取り戻しても粛清官時代と変わらず、デコイの存命のため、周囲の人々に事情を隠しつつ、ディグアウトの傍ら、自分にできることを行なっていきます。

2018-07-08 19:30:44
らいおねサン @WRaione

『DASH1』の終盤以降、ロックにはディグアウターとしてのアイデンティティと、一等粛清官としてのアイデンティティが同時に備わっているというていで、物語は進行していきます。 当然、二つのアイデンティティの文脈の中で、それぞれに対立するライバルがいるのですが……

2018-07-08 19:30:45
らいおねサン @WRaione

ディグアウターとしてのライバルが、ボーン一家の三女トロン・ボーンを筆頭とした空賊たち…… 一等粛清官としてのライバルが、カトルオックス島三等市せい官のロックマン・ジュノを初めとする古代からの上位存在…… ということになります。

2018-07-08 19:30:46
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