【お玉さんの読書マラソン】『真説 芦辺拓 対 二階堂黎人』第2部
というわけで、『本格ミステリーを語ろう! [海外篇]』でした。 ……ワイは未だに[国内篇]を待ってますぜ、と言っておきます♫ あと、、、ドラゴンさつじんじけんは、、、みるべきところあるかしら、、、??? ……次回はあの驚異のリレー小説ですよ〜。ではでは〜 ( ´ ▽ ` )ノ
2018-07-26 02:43:59さて、「真説 芦辺拓 対 二階堂黎人」でございます。 暑くて死にたいと思う毎日、全身を襲う無気力感に流されながらお送りするミステリ感想。今回は、新世紀「謎」倶楽部による前代未聞のリレー小説『堕天使殺人事件』! 二階堂さんが導入部、芦辺さんが大トリを担当されたミステリ。はてさて? pic.twitter.com/otC8jqvLe1
2018-08-08 03:06:58と言ったものの『堕天使殺人事件』に関しては今まで何度か呟いたとおりで、今回の再読で特に評価が変わったりとかはなかった。 二階堂さん担当の発端は「本当に、コレは、ヒドい……Σ(゚д゚lll)」だし、芦辺さん担当の終幕は少しの不満(後述)はあるけど大変よく出来ているよね、というのが自分の感想
2018-08-08 03:07:35一年に二、三度『堕天使殺人事件』についてはサーチすることがあり(何故、そんなことをするのかは自分でもよく分からん)、芦辺さん担当の最終章に関しての苦言をチラホラ見たりする。 というか、このリレー小説「終わりで全てを持って行ってるため」、そこの部分でしか語られてないような気がするわ
2018-08-08 03:08:11ちなみに、あの犯人像に関しては、自分は300パーセントの肯定派! というか、大量死体が転がるあの冒頭の状況からスタートさせられたら、「カリスマをトップに抱いた犯罪組織」ないしは「犯罪組織」以外の犯人像って、普通に考えてみて、作れると思いますか? と。
2018-08-08 03:08:41どう考えても、一個人では不可能な犯罪がスタート地点から展開されてるわけなのよ『堕天使殺人事件』 本格ミステリ作家の領分を越えたタフでスーパーな殺人鬼の暗躍を後続に期待してたのなら別なんだけど、二階堂さんが書いた第一章は、十一人の作家でリレーする作品の導入部としては「あり得ない」よ
2018-08-08 03:09:26事件を起こした犯人って誰でしょう? そこに興味を注視しているとあの芦辺解答はションボリものだお思います。 けど、あの暗号はスゴくないかしら? リレー小説の特性を利用したあのトリックとか素晴らしくない? 様々なオカルトを否定しつつオカルトちっくに幕を引く構成とかシャレてると思わない?
2018-08-08 03:10:18各作家が散りばめたネタの数々を出来るだけ拾っているわけなんだけど、芦辺解答では使いこなすことが出来そうにないネタは「バッサリ斬り捨てている」トコロなんかも、リレー小説というスタイルだからこその緊張感があって自分は好きなんだよね。
2018-08-08 03:10:36自分が『堕天使殺人事件』の最終章で「コレはヒドいΣ(゚д゚lll)」と思う箇所はあの「密室トリック」くらいなんだよね。 エノケン一座の嵐かよッΣ(゚д゚lll)とツッコミたくなるくらいファンタジックすぎる密室殺人……。(トリックはアレだけど、長坂秀佳の『浅草エノケン一座の嵐』も面白いゾ)
2018-08-08 03:11:09だからこそ、『堕天使殺人事件』における各作家さんの評点を行うと、芦辺さんは銀メダル! ……二階堂さんのほうは十一人中、九位かなぁ。 「堕天使」という怪人を作り出したというその点だけでこの順位。(ちなみに、この下は、自分の得意分野だけで勝負してるため全体から浮いた感じのMさんとKさん
2018-08-08 03:12:02でもって『堕天使殺人事件』のMVPは、第二章を担当された柴田よしきさんだと思うわけなのです。 到底、制御不能な物語を、ものすごく上手い、しかも自然すぎるスライドでリレー小説として続けることが可能な内容のものへと改編しちゃってるんですよ♫ もし二階堂さんの次がKさんだったら…………ゾッ
2018-08-08 03:12:13柴田よしき(一位)→北森鴻(六位)→篠田真由美(四位)の第二回から第四回がリレー小説としては神がかった展開で見どころしかない。「これまでのまとめ」と「推理によるディスカッション」をしつつ次へ続く作家に対してイヂワルな謎を仕込んでいく手腕!
2018-08-08 03:12:28割と持て余し気味な二階堂要素は触り程度に柴田要素を軸に進んでいくストーリーだったりするのに、その中途、二階堂要素に逃げずガッツリ向かい合い、ネタを拾いまとめあげる西澤保彦(五位)の仕事も素晴らしい! 「堕天使」の西澤さんと『前夜祭』の西澤さんは、多分別人だ!
2018-08-08 03:14:00名探偵の推理としては最終章の森江春策より数倍以上のレベルで名探偵をしている根津愛(大好き♡)、彼女の大活躍を描くトリ前担当の愛川晶が『堕天使殺人事件』における評点の第三位ね。 (自分は芦辺解答派なんだけど、(当時の)新本格な読者には根津愛=愛川解答のほうがピンと来るのではなかろうか?)
2018-08-08 03:14:15「本格を盛りあげるため何かやろうぜ!」 現在の本格ミステリ作家クラブからはあまり感じられない情熱が新世紀「謎」倶楽部には見られ、その熱量が一番顕著に現出してるのが、この『堕天使殺人事件』だと思ってるのよ。 好き勝手やってる作家、橋渡しに徹してる作家、作家のクセもほんのり伺え面白い
2018-08-08 03:14:47というわけで、『堕天使殺人事件』でした! 年間ベストアンソロジーとかもええんやけど、こういうリレー小説ももっと読みたいものなんよね。本格ミステリ作家クラブが近々二十周年らしいし、、、二十周年ってコトは何かやらなくちゃいけないんぢゃないのかなぁ〜 次回は『諏訪湖マジック』 ではでは〜
2018-08-08 03:14:56……久し振りのミステリ感想なので、異常なまでの刺々しさ、……異常なまでの毒々しさになってしもうたよ。 毒キノコだから仕方あるまいて。
2018-08-08 03:16:35さて、「真説 芦辺拓 対 二階堂黎人」でございます。人生で一番の暑さに焼かれて気力ゼロの状態でした。ようやっと1999年度の3本目のレビュウとなります。 本日は二階堂黎人『諏訪湖マジック』に興じようと思います。水乃サトルシリーズ四作目。二階堂黎人、現代的アリバイトリックに挑戦♫ pic.twitter.com/ZxPKYqjWCW
2018-08-19 03:29:03前年(98年)度刊行の『鮎川哲也読本』に引っ張られてなのか『諏訪湖マジック』はこの年の芦辺拓『不思議の国のアリバイ』(次回感想投下予定)同様な異常なまでに鮎川哲也指数が高い作品ッ! 名探偵が事件を引っ掻き回すユーモアタッチでありつつ、謎の見せ方、推理の組み方が世界のT・Aのそれを匂わすの
2018-08-19 03:29:54「なるほど。昭和本格へのリスペクト、そして、二階堂黎人という作家の昭和本格を解体 → 再構築を行うとこういうテイストのミステリになるのね」 ↑ これが『諏訪湖マジック』という作品に対しての極めて正しい感想なのでは? と思う。というか、この視点抜きでボンヤリ読むと危険な罠が待っているゾ
2018-08-19 03:30:31第十九章のタイトルを読めば、かなり意識した上で作品形成がされているのは一目瞭然なんだけど、、、ホンマ、ボンヤリ読んでいると、、、「これ、超絶有名な本格作品のアレじゃねぇの?」「まさか、アレをあのまま使ってるんじゃねぇの?」「えっ?」「アレやぁ〜〜ん!」となりかねないよね
2018-08-19 03:31:04