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【お玉さんの読書マラソン】『真説 芦辺拓 対 二階堂黎人』第2部

あまりにも個性的すぎる2大本格ミステリ作家!両者の仕事を年度ごとに辿り、括って、総括し、勝敗を決めていこう、というお玉さんの読書マラソン企画第2部。今回の勝負は1999年から始まります。(『名作家博覧会 芦辺拓 vs 二階堂黎人』から改題)
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて「名作家博覧会 芦辺拓 対 二階堂黎人」でございます。 1999年って、もう20年以上も前なんだよね。刻の流れの早さに震えている昨今でありますよ。 だがしかし、本日取り上げる作品は20年経てもなお新鮮な一本でございますよ。 二階堂黎人『名探偵の肖像』 pic.twitter.com/YzmRrlAmQZ

2020-02-12 01:33:29
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

短編集である。 パスティーシュ小説(贋作短編)が4本、ユーモア小説が1本、対談が1本、作家レビューが1本。 ユーモア短編である「素人カースケの世紀の対決」がとても面白く、対談で二階堂黎人と芦辺拓がまたイチャイチャしている。 この2点が『名探偵の肖像』の読みどころだよね。異論ないよね?

2020-02-12 01:34:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ちょっとだけ先の話になるけど、芦辺さんのパスティーシュ小説群で見られる超弩級クラスの完成度と比較すると、『名探偵の肖像』における贋作短編は「お可愛いことですね」な出来上がりだ。元ネタに対しての愛は充分以上に感じられるし、作品の空気感も十全に捉えてはいるが、パンチが全然足りてない。

2020-02-12 01:34:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「ルパンの慈善」にはルパンが、「風邪の証言」には丹那刑事が、「赤死荘の殺人」にはH・Mが、原作と遜色ないレベルで存在してるんだよね。行間から滲み出てる作品愛とリスペクト、それらを追っ掛けていくのは、かなり嬉しい行為なの。 けどね、再現度の高さが面白さに直結するとは限らないの……

2020-02-12 01:35:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「ルパンの慈善」の捻りの無さ。 それ、十津川警部のほうがしっくり来るよねのデジカメ。 やっぱり捻りの無い(えっ、この真相でオチるの Σ(゚д゚lll))なSFミステリ。 二階堂黎人、、、(検閲により削除)で、、、(検閲により削除)なんて、(検閲により削除)になっちまえ、な赤死荘……。……。

2020-02-12 01:36:10
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「許す or 許さない」の二項選択だけで判断するなら完全に前者となるわけだけど、すごくモヤモヤする仕上がりになっているのが二階堂黎人の贋作作品群なのね。 (たがしかし、再現度の高さと元ネタに対しての理解度の深さが、十数年後のルパンのリライト作品群にて満開の花を咲かせてるんだよなぁ)

2020-02-12 01:38:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

作者の熱量が上手い感じで転がっているのは、レビューパートである「ジョン・ディクスン・カーの全作品を論じる」 興味が薄い作品に対しては僅か数行の塩対応だけど、思い入れのある作品での思い入れ満載の饒舌な語り口は、僅かに厄介さもあるが、「カー、読みてえ Σ(゚д゚lll)」訴求力抜群だ

2020-02-12 01:38:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

……まぁ、20年前読んだときは触発されて何本かカーを手に取ったものだが、二階堂さん大絶賛の「プレーグ・コート」も「ユダ」も、私、あまりピンと来なかったんよね。二階堂さんとは感性合わないなぁ、とその当時は思ったんよ。 まだ若僧だったからね。 ……読み返さなきゃいけんよなぁ、と再決意

2020-02-12 01:40:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

(あと『魔弾の射手』に関しては、二階堂さんのカーへの思い入れがあまりに強過ぎていて、キチンと読めていないのでは? とも思っている。「魔弾」のトリックのキモって、アレじゃないんじゃないの?)(けど「魔弾」は難解な着想が全く作品に落ちきってないカオス状態な作品。あまりオススメしない)

2020-02-12 01:40:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

全作品レビューよりも、芦辺さんと二階堂さんのイチャイチャパート「地上最大のカー問答」のほうが、より強く触発されるし、随分と勉強になるんよね。 (世間的には)カーの代表作ある『火刑法廷』の指摘が全くないのがモヤッとするけど、、、『魔女が笑う夜』からのトリック論とか、かなり鋭いよ♫

2020-02-12 01:41:30
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

過去の古典作品を啓蒙するガイドライン的書籍や記事っていっぱいあるけど、、、『名探偵の肖像』でのカー礼讃は、訴求力アリアリで非常に困る。 僕たちは、揺るぎない自信を持って突き付けられるベスト選出には、弱い。 他人が激ハマりして嬉々としている姿を見ると、羨ましく思っちゃうのだ。

2020-02-12 01:41:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

推しカー & (ちょっと微妙な)パスティーシュ短編という構成なので、新しい作品を主に読んでいきたい読者さんには食傷気味になっちゃうかもしれない。 けど「素人カースケの世紀の対決」、この一本できっとキミも幸せになれるだろう。 みんなも「読書ラン」に行きたいよね? 俺は行きたいな。

2020-02-12 01:42:41
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

元ネタが簡単に連想出来るパロディ短編なんだけど、投下されるアイディアの質と量、その展開具合が天才のそれだ。もう少しだけアイディアを加えちゃうと絶対バランスが崩れるっしょ、コレ。唐突に投下されて「?」を発生させるまだらの紐すら愛おしい。

2020-02-12 01:43:03
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

新世紀前、あの時代の空気感を巧みに取り込んでいるので地味に資料的な価値もある。ミステリに関連する幾つかの問題に対しての提起も為されている。それなのに、ひたすらユーモアに徹している。とにかく、面白いのだ。 みんなシアワセになりたいよね? なら、読書ランへ行こうよ、ねえ

2020-02-12 01:43:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、『名探偵の肖像』でございました。 二階堂黎人という作家さんには興味がなくても、「素人カースケの世紀の対決」だけは読んで欲しいんよなぁ……、と常日頃から思っていますよ。 そして、次回はボクちゃん探偵を取り上げちゃいますよ。 ではでは。

2020-02-12 01:43:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ミステリ感想を作りあげるスピードが低下しているので、こんな薄い内容でもやたら時間がかかった。 もっとスピードを……。 明石のアイシールドにならなくちゃ。

2020-02-12 01:46:24
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「アイシールド21」だったら盤戸スパイダーズ戦が一番好き。

2020-02-12 01:48:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

明日か明後日ミステリ感想を投下するため『クロへの長い道』をパラパラ読み返す

2020-02-16 00:09:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて「真説 芦辺拓 対 二階堂黎人」でございます。 1999年のお話をまだまだ引き摺っている読マ案件でございます。あの頃はまだ殺人ウィルスとか無かったンだよなぁ〜、などとしみじみ思い返しつつ振り返る一作は二階堂黎人『クロへの長い道』 ボクちゃん探偵シリーズの2作目でございますね♫ pic.twitter.com/MmP7TkygFQ

2020-02-21 02:14:20
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

前回「素人カースケ」をドえらく褒めたわけですが、二階堂黎人短編作品の中でのマイベストで言うと、カースケは第3位なんですよ。 第2位に関してはいずれ語る予定として……、マイフェイバリット二階堂短編の第1位はと言うと、この『クロへの長い道』に収録されてる作品だったりするんですよね

2020-02-21 02:15:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

短編集『クロへの長い道』収録4作品、そのトリを務める「八百屋の死にざま」 この「八百屋の死にざま」が、マイフェイバリット二階堂短編の第1位なのよね。 世評の高い(?)「ロシア館」でも「劇薬」でも「泥具根博士」でも、ましてや「喰顔鬼」でもなく、私の1位は「八百屋の死にざま」

2020-02-21 02:16:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「八百屋の死にざま」はボクちゃん探偵シリーズの中だけではなく、二階堂黎人全作品を考慮しても異質な作品と言えるんよね。 ネタバレになるので深くは語れないけど「二階堂黎人って、こういう作品も書けるんだ」 作者が願う作家としての理想、その理想から最も遠い位置にある作品じゃないかしら

2020-02-21 02:17:47
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

(……作者の資質ってむしろ、こっち方面なんじゃね?) そんな錯覚すら感じさてくれるのが「八百屋の死にざま」 二階堂黎人という作家のそれまでに発表してきた作品の全てが、発してきた言動の全てが、この作品における意外性、意外性から生じる胃をキリキリさせる衝撃に寄与しているように思えるの

2020-02-21 02:18:59
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