【お玉さんの読書マラソン】『真説 芦辺拓 対 二階堂黎人』第2部

あまりにも個性的すぎる2大本格ミステリ作家!両者の仕事を年度ごとに辿り、括って、総括し、勝敗を決めていこう、というお玉さんの読書マラソン企画第2部。今回の勝負は1999年から始まります。(『名作家博覧会 芦辺拓 vs 二階堂黎人』から改題)
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

個人的な嗜好として、一つの物語内で落差のある地獄と天国を見せつける作品が大好きなんよね。 そして 「一見すると大人っぽい文章だけど文章の内容は子供の好奇心と興味だけで記されているボクちゃん探偵シリーズの構造」と「ワイ好みの地獄と天国を容赦なく提示する物語」との相性のナント良いことよ

2020-02-21 02:19:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ゴリゴリの本格原理主義のイメージがついている作家さんが、その作家生活の中で一度か二度しか使用出来ない類の物語を、ぬかることなくキチンとモノにしているのが「八百屋の死にざま」なんだよね。 ここで問題提起されている地獄ってば、考えに考えても全く救いが思い浮かば無いのよね……。

2020-02-21 02:19:43
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

とはいっても、だ。 もしも二階堂黎人の短編ベストを編む機会があったとしても、そこに「八百屋の死にざま」はセレクトしないと思うの。 「八百屋の死にざま」は『クロへの長い道』のあの位置にあるからこそ趣があるんだ。あのユルユルな前振りが、この短編にをより締まりを与えてると思うんだよ。

2020-02-21 02:20:25
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というか、ボクちゃん探偵の第三短編集『ドアの向こう側』が「クロ」から一転してゴリゴリの本格ミステリ作品集なのよね。(というか、二階堂黎人の短編作品集の中で「ドアの」が一番本格度高いんじゃないかしら?) ベスト短編集を組むとしたら、ここから選ばざるを得ないわけなんよ〜

2020-02-21 02:20:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『クロへの長い道』って僕の中では「八百屋の死にざま」が一強の短編集なのよね。(一作目と比較するのルル子のパンチが弱くなっていて、ドタバタユーモア度が減ってるのが痛い) 「縞模様の宅配便」ゆるふわ〜、「クロへの長い道」ユルフワー、「カラスの鍵」ゆるゆるふわぁ〜、、、ドォォォォン!

2020-02-21 02:20:56
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

それでも。 「縞模様の宅配便」では【新時代の犯罪】と【親子関係】が描かれてるし、「クロへの長い道」は【ペットの失踪】模様が展開されている。「カラスの鍵」では【バラエティとして消費される犯罪】を見て取れる。 つまるところ、「八百屋の死にざま」への布石は一応配置されてるわけなんよね。

2020-02-21 02:21:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ニコニコとした楽しげな笑いを積み上げてくれる短編たちが、その短編集のラストで笑い顔をひきつったモノに変えてしまう。 それが『クロへの長い道』という作品集の印象なのよね。 作品の救いの部分に本当に救われた気持ちになれるのは、確かな地獄がそこになるからなのね。

2020-02-21 02:27:04
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、ネタバレ回避をしたつもりなのにネタバレバレの『クロへの長い道』というか「八百屋の死にざま」の感想でした。ボクちゃん探偵って、アベレージが高えなぁ〜♫ でもって、次回は芦辺拓のターン! 『不思議の国のアリバイ』でございます。地味に感想が難しいんね、コレ。 ではでは〜

2020-02-21 02:27:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて「真説 芦辺拓 対 二階堂黎人」のお時間であります。 そして、今回から取り上げるのは芦辺拓『不思議の国のアリバイ』 ……軽めのタッチで進行するこじんまりとまとまった作品でありますが、……個人的印象ですが、芦辺さんの全作品の中で一番感想が難しい一本と思ってるんですよね。 はてさて。 pic.twitter.com/7IggdY5Bow

2020-03-11 00:57:37
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

この一冊だけを単体で読んだとすると、当たり障りのない感想でまとめあげることも可能だけど、当方は芦辺拓を50冊(?)読んでいる男わけで、『不思議の国のアリバイ』には色々と引っ掛かる箇所が多いのよね。 それらを見過ごして軽い感想でお茶を濁すとができようか? いや出来まい!

2020-03-11 00:58:50
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

正直なところ、これまでに書かれた『時の誘拐』や『地底獣国の殺人』、翌年の『怪人対名探偵』といった重量級の作品よりも「21世紀の芦辺拓」というものを考察する上においては、『不思議の国のアリバイ』って作品、様々なピースを埋めてくれる一本になっているのでは? と思ってるのよね

2020-03-11 01:01:08
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

文庫版解説(小森健太郎)にあるように、新島ともかの初登場作品として『不思議の国のアリバイ』を森江春策シリーズの転換期と見る見方は非常に正しいんだけど、2020年の今現在だからこそ見えてくる「ともか以前」と「ともか以後」という視点を自分の意識から省くことが出来ないのも、ある。

2020-03-11 01:02:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

新島ともかがそれぞれの作品で果たす役割については、それぞれの作品感想で呟けばいいのであるが、、、『不思議の国のアリバイ』における「とあるひとつの仕掛け」をキチンと語ろうと思ったとき以降の作品における新島ともかの立ち位置をセットで引っ張ってこなければならないわけで、、、頭をかかえる

2020-03-11 01:02:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

この読書マラソンが止まってしまった理由のひとつに『不思議の国のアリバイ』という(自分の中では)高い高いハードルの存在があったわけで、、、自分を納得させるカタチでこれを乗り越えなければ読書感想を続けることは出来まいだろう、、、とそんな強迫観念と戦い続けていたのもあるのですよね。

2020-03-11 01:03:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

だがしかし、私はバカチンの田舎の洟垂れ小僧なわけだ。アタマが悪いのだ。 モヤモヤとしてカタチが定まらないモノにカタを与えてアウトプットさせるだけの手腕などあるはずもない。 何かを語ろうとしても、その本質を逃げ水の如く逃がしてしまい、とりあえずの別の何かでお茶を濁すはんちく野郎なのだ

2020-03-11 01:03:45
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そんなわけで『不思議の国のアリバイ』をどのようにしたら語ればいいのか? をズーッと考えてたのよね。 『この作家この10冊2』も買った。「アリバイ」への言及があるからね。参考参考♫ でも、ワイが考える芦辺拓未開拓者向け10選とは3つしか被らんのよね(「地底獣国」「新・二都」「アリバイ」) pic.twitter.com/K0GT7ePkMZ

2020-03-11 01:06:13
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで長い試行錯誤の末「困難は分割せよ!」という絶対心理に到達したわけです。 『不思議の国のアリバイ』感想は、今回の前置きも含めて全4回。 次回からは【モチーフ】【トリック】【ヒロイン】に分けての感想投下となりますよ♫ ……は、早く投下出来るよう、がんばりまぁす \(>人<;)

2020-03-11 01:07:05
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

……言い訳と自分語りに終始した『不思議の国のアリバイ』感想の第1回でした。次回は『不思議の国のアリバイ』の【モチーフ】について考えをまとめていきますよ。 そして、ここから先はおまけとなります

2020-03-11 01:08:17
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

この作家この10冊 芦辺拓の10冊 『地底獣国の殺人』 『月蝕姫のキス』 『楽譜と旅する男』 『金田一耕助、パノラマ島へ行く』 『殺人喜劇のモダン・シティ』 『新・二都物語』 『名探偵・森江春策』 『ネオ少年探偵 妖奇城の秘密』 『少年少女のためのミステリー超入門』 『不思議の国のアリバイ』

2020-03-11 01:09:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

(このセレクトは芦辺拓未開拓の読者さんへのオススメセレクトになります。なので、自分の好みはあまり考慮しておりません。自分の好みを反映させると何作か抜いて『紅楼夢の殺人』や『時の密室』、『異次元の館の殺人』、『迷宮パノラマ館』あたりのタイトルが入ってくることになるでしょうね)

2020-03-11 01:09:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『地底獣国の殺人』→芦辺拓という作家の作品エッセンスの良い部分だけが上手い感じでギュッと凝縮された一作ね。芦辺拓という探偵作家の特長をまず知る上では、最良の一冊なのでは? と勝手に思っているわ。一見クセだらけなんだけど、全作品を俯瞰して考えるとかなりクセが少ない作品でもあるよね。

2020-03-11 01:10:55
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『月蝕姫のキス』→芦辺拓のベストは人によって変わると思うんだけど、裏ベストとなるとコレが筆頭となるでしょう。先に挙げた「地底獣国」とコレを併せると、芦辺拓という作家の基本的な要素がほぼ網羅できるんですよね。芦辺拓作品における怪人部門最強論争も、今作の月蝕姫一択ではないでしょうか?

2020-03-11 01:11:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『楽譜と旅する男』→芦辺拓は幻想ジャンルの短編がやたら上手い! コレは覚えて帰って欲しいところなのね。でもって、そのエッセンスを頭からお尻までマルッと楽しむことが出来る短編集はこの「楽譜」ということも覚えて帰ってほしい。 幻想譚なのに騙しと驚き、そして喜怒哀楽が仕込まれた短編群!

2020-03-11 01:12:26
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