中国海軍の目指す姿と、それに対する本邦の目指すべき姿

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中国海軍の大量建造を問題視する意見は大変よく分かるのだけど、ちと引っかかるのが、では日本も対抗して大量の水上戦闘艦を作り強大な艦隊を編成するべきなのか？という点。 結論としてはすこしズレていると思う。 勿論増強不要だ何て言わないけども。

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こう言ってはなんだが……水上戦闘艦ってのは、単に火力投射という視点では効率の悪い兵器だと思う（必要不要とは関係ない） そのくせに破壊することについては手段も豊富だ。

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頭の悪い書き方をすれば、DD1隻800億円の資金でF-35を4〜6機買う方が、敵地攻撃とかそういうのではずっと効率的なのだ。

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では何故、高い金を出して水上戦闘艦を整備するかといえば、まあ理由はいろいろあるにしても、特に中国の求めるところにおいては政治的メッセージ力に尽きると思うのよ。

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特定の海域に居座る。 長期間にわたり単独行動できる。 これができる水上戦闘艦は海の上に置いて政治的アピール力を持った装備で、その一つの極限は空母になる。 中国海軍の建造とか見てると、あの国がやろうとしてるの現代の砲艦外交じゃね？ 米海軍に喧嘩を売るための編成に見えん。

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米海軍に喧嘩を売るのなら、古くは本邦の旧海軍や、旧ソ連軍のような、 大型水上艦艇への殺意増し増しな編成になる。 艦艇装備のリソースの極端な対水上火力への投入とあるけど、何よりも航空機と潜水艦にそれが現れるはず。

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それなのに中国軍のやり口って、地上設置の対艦弾道ミサイルとかはやってるけど、それに比べると航空機や潜水艦で殺意が見えない。 米海軍を無力化するのではなく、自分の縄張りに近づかないように威嚇することに注力してるというか。

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ホント、中国のやり口ってアメリカ相手で見ると、 こっち来んな！ケガすんぞ！やんのか！このやろう！ って威嚇しながらびくびくしてる感じがするんだよな…… もう少し本邦や旧ソ連を見習ってだな（ry

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その一方で水上戦闘艦は大量建造してて、見たところはミニ米海軍を目指しているようだし、最終的には超えるところまで目指してるようだ。 なんというかアンバランス。

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恐らくは中国の戦力整備は、 ・自分より小さな国相手に砲艦外交するための水上戦闘艦戦力 と ・自分より大きな米海軍に縄張りへの侵入を拒否するための威嚇対艦戦力 の二段構えなんだろな。 将来的に国力がアメリカを上回ってしまえば、自分より小さな相手ってことで砲艦外交。

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だから、中国のやり口は弱者が強者にジャイアントキリングするためじゃなく、 将来に周囲を軍事的に威圧し、いうこと聞かせること、そしてそれを邪魔されないこと。 これだろう。 なんだこのちんけな悪役。 もう少し大国らしいことを……

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で、最初の話に戻る。 周囲に砲艦外交するために水上戦闘艦を大量建造する中国に、我々がすべきことは何か？

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まず一定数の水上戦闘艦そのものは用意する必要はある。 これは「てめーらに屈しないぞ」という意思表示であるとともに、同盟国相手へのアピールのために必要。 引きこもってばかりでは、東南アジア諸国が中国に完全になびきかねない。

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そして肝心の「どう対処するか？」だが、 本命は潜水艦であり、地上設置の対艦ミサイルであり、機雷であり、そして遠くから飛来する航空機による対艦攻撃。 何のことはない、昔アメリカ相手にやろうとしたことをリメイクしてやればいい。 距離が近すぎて本拠地攻撃も簡単だ！こっちもやられるがな！

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ということで、本邦に必要なことは強え水上艦をありったけ作ることじゃない。 そこそこ強い艦を数揃えること。 そして陸上運用の対艦火力を、航空機を、潜水艦を整備することだ。 敵本拠地を焼く火力も用意できればさらにベター。

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なので今後DDの建造ってやらないんじゃないかな、などと思ったりもする。 DDXは気になるんだけども……

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イージス艦も作りたいだろうし、このままいくとFFMがいぱーいに隊旗艦的なイージス艦、みたいなことになりそうで…… アショアも新型レーダで高価になったしなぁ。 要するにあれ、どんどんイージスシステムが高価格化しとるってことやし。

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こんごう型導入時でイージスシステムが600億円くらいだったかな？ あたご型で800億円くらいか。これでもうDD並というのが泣ける。 んでアショアで1000億円超え。 次のイージス艦は2000億円近くいくんじゃねーのコレ……

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ともかく我が国の戦力整備としては、 ・中国海軍を実際に阻止するための接近距離火力 ・同盟国などへの意思表示するための見せ札的戦力 そして可能なら ・中国本土の根拠地に火を放つための攻撃的装備 が三本柱になるやろな。

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少し前には空母導入とかそういうネタあったけど、それは二番目の他国へのアピールの要素もった話だろねぇ…… DDを例えば南シナ海に派遣して追いかけっこするのには隻数もいるしアピール効果はそれなりでしかないけど、 空母置いたらアピール効果大だし追いかけんでも向こうが追いかけてくれるわな。

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あとアレだ。 空母を出すと何よりも絵になる！ マスコミ受けするというのは大事。 夕方のニュースに出てくれば、一般市民から政治家までそれだけで印象がつく。

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「南シナ海で行動中の護衛艦xxxに中国海軍の駆逐艦が接近し〜」 って言って、接近する中国海軍の映像が報道されたり、 こっちの艦載機に接近飛行する中国海機の映像、とか出るだけで諸外国含めてアピール力高い。

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文書でどこそこに派遣し行動中、っていうのでは真似できない力を映像は持ってるのよね。 このあたりは空母の能力は特に高い。

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もっとも、空母は高価な上に、 もともと頑丈とは言いがたい水上艦艇の中でとくに脆い装備なんで、導入するかというとどうだろうなぁ。

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というわけで中国海軍の拡大に、こっちの水上艦艇の戦力はどうこう、ってのは、別に外洋で艦隊決戦するわけでもなし、比較してもなんだかな、と思うわけですよ。 なんかあったら護衛艦はP-1とか口寄せの術かましたり、下手すれば潜水艦がイヤーッ！ってしてくるわけで。