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ざっくり学ぶ日本史 第01回 先史以前

わたくしは 歴史好きでは ありません
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Michael Byrne @YT1093

顎や歯、食事に要する筋肉の発達が不十分だったヒト属=ホモ属では、食べ物を加工して柔らかくする必要がありました。ホモ・ハビリスの時代になると用いられていた初期の打製石器は、いつから作られ始めたのかは、未だにわかっていません。最初期の石器は「オルドワン(Oldowan)」と呼ばれています。 pic.twitter.com/DySvj1RRSO

2018-08-02 03:05:53
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Michael Byrne @YT1093

やがて、170~180万年前には初期の打製石器から剥離石器が生まれます。小さな進歩ではありましたが、こうして生まれた「アシューリアン石器」には、オルドワン石器から80万年のあいだに生まれた知恵が詰め込まれていました。握り斧やナイフ石器(肉切り包丁)、ピック(穴あけ器)などがあります。 pic.twitter.com/MMRUyYhOoy

2018-08-02 03:16:58
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Michael Byrne @YT1093

石器の進化については、およそ40万年前の「原人」と「旧人」が同居した時期に入って生まれた「剥片石器」を挙げておく必要があるのでしょう。画像は石核石器(握斧)の加工過程ですが、こうして剥がれ落ちた石片は矢じりなどにも用いられることになりました。 pic.twitter.com/UHNIqbjngq

2018-08-02 03:23:58
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人類の祖先が最初に「火」を用いたのは、今から100万年よりも以前だとされています。もっとも、習慣的に火を用いて調理やモノの加工にも利用できるようになったのは、40万年ほど前の「原人」「旧人」段階と考えてもよいのでしょう。私たちに馴染みの深い「北京原人」もまた、火を用いていました。 pic.twitter.com/ajTnG6m0Ht

2018-08-02 03:32:38
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Michael Byrne @YT1093

ちなみに、わたくしは若い頃に「北京原人」なる映画を借りて観た記憶がある。片岡礼子のおっぱい目的でレンタルしたのだが、絵に描いたようなクソ映画で、おっぱい以外になんの見どころもなかった。悪い意味で印象に残っているので、暇があれば近いうちにまたDVDでも借りてみようと思っている。 pic.twitter.com/GAsJD8uI3N

2018-08-02 03:37:39
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Michael Byrne @YT1093

ところで、猿人から原人への過渡期には地球が「氷河期」に入りました。人類はそれまでのフルチン・ノーガード戦法をはなれて、毛皮など簡単な衣類をまとうようになります。恥じらいが芽生えたからではありません、たんに寒かったのです。残念ながら毛皮は化石化しないため、衣類の起源は謎のままです。 pic.twitter.com/Qz9R80Cl51

2018-08-02 03:46:40
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Michael Byrne @YT1093

時代は下り、いまから40万年ほど前にようやくネアンデルタール人が登場する。いわゆる「旧人」にあたる人類の近祖で、以前は別種という説が有力でしたが、現生人類に数%ほど遺伝子が受け継がれている調査結果も出されており、混血があったのではないかと考えられています。 pic.twitter.com/Qbjr1wnI8z

2018-08-02 03:54:32
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Michael Byrne @YT1093

ネアンデルタール人はまた、「死」を共同体のなかで認識した、最初の人類だとされています。イラク北部のシャニダール洞窟では、ネアンデルタール人の人骨(屈葬:折り曲げて埋葬するスタイルでした)と共に、花を手向けた名残と思われる、花粉が大量に発見されています。 pic.twitter.com/SloOmgSwAK

2018-08-02 03:57:45
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Michael Byrne @YT1093

また、ネアンデルタール人の人骨からはカニバリズム(人肉食)の痕跡があると考えている研究者もいます。もっとも、人肉食であったのか、何か葬儀における「祭礼的儀式」であったのかは判っていません。余談ですが、孔子の弟子である子路は、醢(ししびしお=塩辛)にされて食べられてしまいました。 pic.twitter.com/JDplxh27KW

2018-08-02 04:03:44
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Michael Byrne @YT1093

ネアンデルタール人など「旧人」の対照として、かつてはクロマニヨン人などを「新人」と呼んでいました。現在ではほぼ「ホモ・サピエンス」という名称が一般的になっています。ホモ・サピエンスは「古い現生人類=ホモ・イダルトゥ」と「現生人類=ホモ・サピエンス・サピエンス」に分かれています。

2018-08-02 04:09:56
Michael Byrne @YT1093

人類の祖先はアフリカに生まれて、猿人、原人、旧人、新人に進化して、さらに今から10万年前にホモ・サピエンス・サピエンスに変わりました。やがて6万年ほど前に世界各地へと旅立ち、各地の旧人類との混血などを経て、遺伝的多様性を保ちながら人口を拡大していったのです。

2018-08-02 04:12:26
Michael Byrne @YT1093

「新人」にはまだ文字がありませんでした。呪術や祭祀に用いる絵画や、彫刻がその文化を現代へと伝えています。また、人類はわずか2~3万年前まで採集、狩猟、漁労によって食物を得ていたと考えられています。 pic.twitter.com/FvBxq1DbwS

2018-08-02 04:18:14
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Michael Byrne @YT1093

インドネシア北部、スマトラ半島に世界最大のカルデラ湖があります。あまりに美しいこの湖は、人類の存続を脅かしたトバ火山の噴火によって生まれた「地球の記憶」と呼ぶことができるのでしょう。 pic.twitter.com/NYtfpEaxGb

2018-08-02 04:23:10
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Michael Byrne @YT1093

およそ7万4000年前、トバ火山では最新の破局噴火が起こりました。噴火の後で大気中に巻き上げられた火山灰が太陽からの日差しを覆ったため、気温が下がり人類が大量死したとも考えられています。これを「トバ・カタストロフ理論」と言います。

2018-08-02 04:30:57
Michael Byrne @YT1093

トバ・カタストロフ理論の主な根拠に、現生人類の遺伝的多様性の低さがあると言えます。また、インドネシア周辺の地域では当時の火山灰による堆積が見られており、これらを合わせて「何らかの破滅的イベントが起きた」と考える研究者は少なくなかったのです。

2018-08-02 04:37:11
Michael Byrne @YT1093

もっとも、遺伝的多様性の低さは、人類の祖先がアフリカ大陸をはなれて各地へ広がりを見せたことに由来していると考えることもできます。つまり、アフリカに残った種には遺伝的多様性が残りましたが、アフリカをはなれた「ごく少数の人類」は、各地で混血を経てもなお「少数派閥」だったと言えますね。

2018-08-02 04:42:56
Michael Byrne @YT1093

また、南部インドにあるジュワラプーラム遺跡では「トバ以前」「トバ以後」のそれぞれの地層から石器が出土していることも確認されています。これが必ずしもトバ・カタストロフ理論を否定するものでないことは言うまでもありませんが、「全地球的な大量死イベント」でなかったことの傍証にはなります。 pic.twitter.com/SLCR0U8rjN

2018-08-02 04:50:04
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Michael Byrne @YT1093

遺伝的多様性のボトルネックが問題となる調査では、中石器~新石器時代の社会変容が浮き彫りになってきました。それはトバ・カタストロフからさらに数万年下った新石器時代、各大陸においてこのボトルネックが確認されていることから明らかになりました。

2018-08-02 04:53:26
Michael Byrne @YT1093

農業のはじまりは今から2~3万年前と考えられており、イスラエルのガリラヤやシリア北東部のテル・アブ・フレイラ遺跡において、原始農業の痕跡が確認されています。時を同じくして、農耕と狩猟が重なる界面領域が広がり社会に変容が訪れました。「貧富と格差」の発生です。 pic.twitter.com/nFpdt9C1zy

2018-08-02 04:58:39
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Michael Byrne @YT1093

こうした社会的変容は一夫多妻制(ポリガミー)や格差に伴う貧困の影響を生むことで、一部の男性が多くの子孫を残して、残りの男性は配偶者を得られなかったという仮説が提唱されるようになってきました。男性論の立場ではなく、文化人類学の見地から、こうした仮説の検証も待たれるところです。

2018-08-02 05:01:37
Michael Byrne @YT1093

「地球最古の生命」から「貧富と格差の発生」まで、混ぜこぜとなった感のある日本史講座でしたが、第01回:先史以前を終わります。 pic.twitter.com/J67lqRMoh1

2018-08-02 05:05:27
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