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ざっくり学ぶ日本史 第01回 先史以前

わたくしは 歴史好きでは ありません
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Michael Byrne @YT1093

ざっくり学ぶ日本史 第01回 人類誕生と古代 pic.twitter.com/EhPVtOkWwc

2018-08-01 20:10:31
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Michael Byrne @YT1093

世界最古の生命はなにか?という問いについては、いまだに答えが出ていない。現時点(2018年)では、最古の生命それ自体の形状や様態を知る方法はないのだが、命が残した「足跡」のようなものは発見されている。

2018-08-01 20:25:23
Michael Byrne @YT1093

2017年、カナダ東部ラブラドル半島から採取された堆積岩から、東京大学の研究チーム(小宮剛准教授ほか)が、グラファイト微粒子を発見しました。グラファイトとは炭素によって生じた元素鉱物のことですが、この炭素のかけらこそ、今から39億年を遡る太古の生命が残した「痕跡」のひとつだったのです。 pic.twitter.com/hklUa32PBp

2018-08-01 20:33:17
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Michael Byrne @YT1093

炭素のかけらを見るだけで生命の痕跡だと言えるのか?という謎が残るところ。そこで研究者たちは炭素の「質」を観察します。炭素同位体というものを調べてゆくのですが、なかでもグラファイトに含まれる炭素同位体には、炭素12(C12)と炭素13(C13)があり、いずれも安定的です。 pic.twitter.com/RFVsFOOPKn

2018-08-01 20:38:02
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Michael Byrne @YT1093

研究者が炭素同位体(なかでもC12)の存在を「生命の痕跡」としてみなす理由のひとつとしては、植物の光合成があります。植物は光合成の際に、水と二酸化炭素を取り入れて、酸素と糖類を生みます。この過程において炭素同位体を取り込むのですが、C12は軽くて質量数が小さく、取り込まれやすいのです。

2018-08-01 20:45:31
Michael Byrne @YT1093

余談ですが、自然界に存在する炭素同位体15種のうち、天然に存在する同位体がC12、C13、C14となります。C14は放射性同位体ですが、まれな存在比(存在する割合)=1兆分の1であるため、生物の痕跡としては調べる対象にふさわしくありません。他方で、半減期が長いことから年代測定によく用いられます。

2018-08-01 20:51:17
Michael Byrne @YT1093

東京大学の研究チームが発見したのは、C12を豊富に含んだグラファイトの粒子でした。現時点で古生物の特定には至っていませんが、古細菌またはバクテリアの一種と推定されています。

2018-08-01 20:54:29
Michael Byrne @YT1093

ちなみに、ネイチャーに論文を発表した小宮剛准教授の御尊顔を、これでもかとばかりに晒しておこう。 pic.twitter.com/eqR0ON6uUL

2018-08-01 20:56:42
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Michael Byrne @YT1093

生命とはなにかという分類の歴史についても触れておきましょう。かつて生物を分類した基準はたったのふたつで、これを「2界説」と呼んでいました。提唱者のカール・フォン・リンネは18世紀生まれのスウェーデン人で、生物分類学の父とも呼ばれる先駆者のひとりです。 pic.twitter.com/weidqyuQX6

2018-08-01 21:15:16
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Michael Byrne @YT1093

リンネはそう、たとえば「哺乳類」という言葉を発明したことでも有名ですね。彼が生命を分類した基準は2つで「動くか、動かないか」と「モノを食べるか、食べないか」でした。動いて食べるものを「動物」と呼び、動きもせず、食べもしないものを「植物」と呼びました。これを「2界説」と言います。

2018-08-01 21:18:33
Michael Byrne @YT1093

やがて観測技術の発展にともない、リンネの分類(2界説)では説明のできない生命が次々と発見されます。たとえば、ミドリムシ(euglena)は鞭毛を用いて動くと同時に、葉緑体(クロロプラスト)で光合成を行います。動物でもあり、同時に植物でもあるふしぎな生きものですね。 pic.twitter.com/33KWLjF0p8

2018-08-01 21:31:06
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Michael Byrne @YT1093

こうした背景から生まれたのが、より広い範囲に生物分類の体系を広げた概念、5界説です。複数の研究者により提唱された概念ですが、代表的存在は1969年に論文を発表したロバート・H・ホイタッカーでしょうか。 pic.twitter.com/VaEcPKQAgD

2018-08-01 21:39:00
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Michael Byrne @YT1093

ホイタッカーはリンネの2界説に加えて、生物が栄養を摂取するプロセスに注目しました。なかでも「真核生物」の概念では、生物を「植物:生産者」「動物:消費者」「菌類:分解者」として分類します。中学の古い教科書で「食物連鎖」として扱われてきた概念ですが、現在では廃れつつあります。 pic.twitter.com/r9WMrikHn6

2018-08-01 21:48:17
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Michael Byrne @YT1093

ホイタッカーの5界説では大きいほう(大分類)から順に、モネラ界(Monera)、原子生物界(Protista)があって、そこからは植物(Plantae)、動物(Animalia)、菌類(Fungi)に枝分かれしています。 pic.twitter.com/On3gBP0ImR

2018-08-01 21:55:18
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Michael Byrne @YT1093

ところが、こうした分類はDNAやRNAの解析が進むとともに廃れてゆき、現代の生物分類学ではレガシー(過去の遺物)となっています。とくに、モネラ界は存在そのものが意味を失い、現在ではほぼ用いられていません。

2018-08-01 21:57:40
Michael Byrne @YT1093

生物学の研究が進展するとともに、古細菌と真正細菌の違いが浮き彫りになってきました。古細菌では海底熱泉付近で発見されるものなどが有名ですが、分類はバクテリア(細菌界)より真核生物に近い性質を伴っています。こうした発見が相次いだことで5界説は廃れて、ドメインという概念が生まれました。 pic.twitter.com/1EVxCAw1WQ

2018-08-01 22:08:30
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Michael Byrne @YT1093

3ドメイン説を提唱したのはカール・R・ウーズ(1928~2012)でした。自身で提唱していた6界説(5界説の展開版)を克服するために、界より大きな分類である「ドメイン」を発明します。ゲノム構造を読み解くことでもたらされた、遺伝子による分類の誕生です。 pic.twitter.com/91qLlojdm1

2018-08-01 22:16:16
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Michael Byrne @YT1093

せっかくなので、ウーズの概念を取り上げて3ドメイン6界説の概念図を引いておこう。なんとなく、イメージだけでも浮かべておくとよい。 pic.twitter.com/MF0zSvn4lF

2018-08-01 22:21:02
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Michael Byrne @YT1093

こうして、生命は「真正細菌」「古細菌」「真核生物」の3つのドメインに分類されて、真核生物のなかに原子生物、植物、菌類、動物がある。われわれヒトはもちろん、真核生物の動物に含まれる。

2018-08-01 22:23:56
Michael Byrne @YT1093

RNAワールド仮説に触れるとどうしても冗長になってしまうので、あえて簡潔に過去の投稿を引用しておく。

2018-08-01 22:29:26
Michael Byrne @YT1093

その1 鶏卵論争「ニワトリが先か、卵が先か…タマゴでした」 twitter.com/YT1093/statuse…

2018-08-01 22:30:11
Michael Byrne @YT1093

お世辞にもアタマのよいと思えない議論に「鶏卵論争」がある。ニワトリと卵、どちらが先に生まれたのか?という益体のない話だが、これは遺伝という文脈(変異の発生)でケリがついている。ところが、遺伝の世界に分け入ると、またDNAが先か、タンパク質が先なのかという循環論に陥ってしまう。 pic.twitter.com/WFnQz8rMII

2018-07-09 00:11:36
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Michael Byrne @YT1093

生命科学の基礎に少しだけ触れながら、この循環論(厳密には循環参照)を少し意味のあるものにしておくと、「DNAタンパク質論争」に触れざるをえない。 pic.twitter.com/w6UMAFJcUD

2018-07-09 00:19:12
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Michael Byrne @YT1093

その3 遺伝暗号とDNAの先行性について twitter.com/YT1093/statuse…

2018-08-01 22:31:26
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