- toukai_touken
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清潔な注射器の交換・配布などを行うことでC型肝炎やHIVを予防し、身体的害(ハーム)を減らし(リダクション)、安全かつ健康的な薬物使用目指す公衆衛生的なHR。 しかしそれは「安全な薬物使用者」(善き当事者)と「リスキーな薬物使用者」の分断統治を生み、後者にたいする責任追及と
2018-08-16 17:56:25スティグマ化を強め、その上薬物使用の背景にある社会構造の問題を後継化させると筆者は指摘する。 おもしろかったのは、HRのダークサイドを乗り越える知恵が実は日本の当事者運動にあるのではないかという後半の展開。
2018-08-16 17:56:26その例として筆者は、公衆衛生の問題だけではなく、虐待、障害、差別、貧困など、生を脅かす状況をもたらさないようにリスク介入してきた日本ダルクのあり方を参照する。そこでは、薬物使用者だけでなくあらゆる社会的被排除層を包摂する、「生きるための支援」が営まれているという。
2018-08-16 17:56:26思うにダルクやべてるに代表される日本当事者運動では、想定される「回復」の期間がかなり長く(むしろ終わりがない?)、またそのあり方が多様でもある。「薬物を使わなくなったから」「幻覚がおさまったから」など、線引きをしてこちら側に来れたから回復した、ということに必ずしもならない。
2018-08-16 17:56:27本論でも引用されている三重ダルクの市川さんの言葉はまさにそのことを指している。 "薬物をやめることを基準に何かができるようになることが回復といった価値観が強いと、一部の人たちを追い詰めることにもなる。"(『ダルク 回復する依存者たち』) pic.twitter.com/QXAucR4jZ9
2018-08-16 17:56:32誰しもを包摂し、回復モデルも多様な支援は乱暴に言えば「ゆるい」。この本の中で、日本ダルクの創始者である近藤恒夫が「国家的な予算が出ていたら分裂の兆しが見えただろう」と語っているが、予算がつくような明確な回復モデルを示した支援スタイルでは、誰しもを包摂することはできなかっただろう。
2018-08-16 17:56:33あらゆる線引きに巻き込まれず、いかに生きるためのHR=「ゆるい」姿勢を保っていけるかが、対人支援における重要なファクターになりそう。
2018-08-16 17:56:34この議論を、実践している「ぼくらの非モテ研究会 」@himotemotemote に引きつけて考えるならば、それは私の中で非モテ分断を行っていないか?という論点になる。 twitter.com/kaikaidev/stat…
2018-08-16 18:30:01『当事者研究と専門知』届いたので、熊谷先生と熊倉先生が絶賛していた『ハームリダクションのダークサイドに関する社会学的考察・序説』(平井秀幸)を読む。めちゃくちゃおもしろい。 pic.twitter.com/tkE4h49XBY
2018-08-16 17:56:24異性愛非モテ男性の行き着く先として、モテ/非モテのスパイラルから逃れて自分なりの幸福を立ち上げたり、スティグマとして使われる「非モテ」という言葉をポジティブに同定したりするなど、既存の価値観を脱構築できた、もしくは脱構築を目指す非モテを「善い非モテ」、
2018-08-16 18:30:02逆にスパイラルに囚われた末に、恋愛工学やインセルのようなミソジニーを孕んだ方向性へ向かったり、「非モテ」というスティグマを自ら内面化して自虐し続けたりする非モテを「リスキーな非モテ」に分断して、殊更に脱構築ばかりを押し付ける意識がないか、自分に問わなければならない。
2018-08-16 18:30:02でなければ、異性愛非モテ男性が苦しむ背景にある、男らしさの押し付けやからかいといった社会的な問題を隠蔽してしまいかねない。 非モテの苦しさを和らげる方法は人それぞれ。ただミソジニーや暴力は回避しなければならないので、生きていくことと人を傷つけないことを目標にやったいきたい。
2018-08-16 18:30:03『当事者研究と専門知』読書会第一回(9/7)の個人的感想メモ - 落ち着けMONOLOG holysen.hatenablog.com/entry/2018/09/… さっき参加した読書会の感想を気持ちが熱い内にまとめました。有意義な場を設けてくれたべとりんとTakk!さんに感謝します。
2018-09-07 22:40:40「当事者研究と専門知」をちょっとだけ読んだけど、たしかにハームリダクション的な、本人の自生的な力に任せるアプローチで、「良い方向に行かなかった人」に、より強い自己責任論が待っている問題点は、検討しないといけないなと思った。
2018-09-07 17:33:43確かに日本だと社会全体がムラみたいな同胞意識?連帯意識?による規範や責任がむしろ強いせいで、「思いやり」に苦しんでいる人が多そうだよね。 だとすると日本におけるハームリダクションってどういう分脈で可能なんだろうね。むしろ、個人に返した方がいいものがあるんだよね。
2018-09-08 16:22:31でも、ハームリダクションを政策プログラミングとして持ってきてハイ適用ーよりもその考え方が広く知られることは大変ありがたいことではある。 当事者研究の有効性を納得してもらいやすくなるし。
2018-09-08 16:35:32これは明確な批判なのだが,駒場文脈の当事者研究というと「言いっ放し,聞きっぱなし」というダルクの文法が出て,あと「批判はやめましょう」というルールも追加される. これらの要素は元々なかった気がするんだよなー >臨床心理学 増刊第10号-当事者研究と専門知 amazon.co.jp/dp/4772416412
2018-08-17 23:37:36「言いっ放し,聞きっぱなし」には,まず運用上の制約とか,あとダルクがモデルだったというだけであって,これが当事者研究の特徴として挙げられるのは凄い疑問を感じるんだよなー 目の前に見えないハズのヤマンバに向かって話しかけるのが当事者研究の面白さなんだしー
2018-08-17 23:40:49べてるでは当事者によって確かに経験知が開発され,それが治療者とも共有されているんだよなー.これは,自由な相互関係と同じ釜の飯という生活共同体の力が大きい. 一方の発達障害は,まず現在の日常的な経験をどう意味づけていくのかから作業が始まる気がする.
2018-08-17 23:48:48個人的な経験では,temporaryな言語環境の共有よりも,作業や生活を経験していることによる共同性のほうが勝る.状況や場の経験知についての理論は後者に焦点をあてているんだよね.身体と状況に焦点があたり,メタファーが多用される
2018-08-17 23:53:52当事者研究と専門知の話,個人的には「専門知」は当事者性の高い先人が才覚と努力で積み上げたものなので,テキストをあたり現場での実践に展開するという視野も必要だと思う.当事者研究はけっこう車輪の再発明をしているんだよね.
2018-08-27 23:57:55当事者研究のデータベース化というのも意味があって,今自分が考えていることに先行研究かあるのか?とリファレンスすることはサイエンスでは重要で,実は支援者にこのような先行研究はありますか?ときいても,ちゃんとした返ってこないのが所有が限られた「専門知」の現状ではある.
2018-08-28 00:01:18いずれにせよ研究した結果を現場でどう展開し行動に落とし込むかという部分までやっているのが「べてる」の強みで,発達障害の当事者研究だと行動までの落とし込みはまだまだ弱いのかもしれない.当事者研究の「実証」という視点が重要になってくる.
2018-08-28 00:06:39「当事者研究と専門知」でも「縦の系譜」という表現で色々な団体がバトンを渡しつつ運動を継続していく様が描かれてたんですけど、そういう意味ではメンヘラ.jpは「バトン」を誰からも受け取らずに発展してしまったサービスなんですよね。それは確かに「市場から生まれた」と言えるのかもしれない。
2018-08-16 16:56:14実際、ターゲットのニーズから「解くべき問題」を設定して、それを解決するためのプロダクトを作るというメンヘラ.jpの設立→運営の流れ自体が、典型的なスタートアップの手法なんですよね。強く市場に影響されてることは否定できない。 twitter.com/wakari_te/stat…
2018-08-16 17:02:46