[R-18]魔女シリーズ終~転生したら全知全能の神仙ショタだったので魔女を家畜にハーレムでやりたい放題する話・後編

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まとめ [R-18]魔女シリーズ終~転生したら全知全能の神仙ショタだったので魔女を家畜にハーレムでやりたい放題する話・中編 災いの子ムンリトと玄徹真君ヨーハン、暗行夜叉セーそのほかの物語。 ほかのお話は以下 魔女シリーズ一覧 https://togetter.com/li/1257731 [R-18]魔女シリーズ1~少年期に魔女に犯された男が成長後も搾取を受ける話 https://togetter.com/li/1257715 [R-18]魔女シリーズ2~食用人種なのに貧相で出荷されない少年がお姉さんに世話してもらう話 https://togetter.com/li/1257724 [R-18]魔女シリーズ3~少年放牧場における躾、お姉さんの趣味と実益を兼ねた妙技 https://togetter.com/li/1257726 [R-18]魔女シリーズ4~たたら場で使い潰されそうな少年を拾った女剣鬼がおもちゃにする話 ht.. 8534 pv 7
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ とある理想郷の話をしよう。真空と大気の境目に浮かぶ島。 仙境。 みずからを神仙と呼ぶ不老長生の人々が暮らす、幸(さいわ)いの地。 神仙はあまねく世界を統べる君侯であり真理を求める学哲であり、ほかの人間を家畜として飼いならす牧場主だった。

2018-08-27 21:34:17
帽子男 @alkali_acid

地上にいくつも営(いとな)む牧場には、若さと寿命を延ばす丹薬の材料となる食用人種として、自然の諸力を操る四種族、火妖、風魔、海霊、樹精を囲い込み、牧童としては牙と爪と毛皮を持つ獣人、戎牙を配していた。

2018-08-27 21:36:40
帽子男 @alkali_acid

ほかにも雑役や使い捨ての兵卒として、ひ弱な常人を配下に収め、さらに数え切れぬほどざまざまな種族を望むままに捕え、命の秘密を解き明かすために交配を試みていた。 神仙の暮らしは豊かで実り多いものだったが、まつろわぬ民の怒りを買い、戦が打ち続き、ついに繁栄には陰りがあらわれた。

2018-08-27 21:39:05
帽子男 @alkali_acid

神仙は、家畜の軛(くびき)から逃れんとする四種族と死闘をくりひろげるさなか、尚武という戦闘人種を作り出した。 神仙をもとにしていながら、干戈を振るって血を流すための新たな種族。尚武の勇猛なはたらきによって、ひとまず仙境の安泰は守れたかに見えた。

2018-08-27 21:41:33
帽子男 @alkali_acid

だが、尚武は御しがたかった。 神仙より発しながら、より常人に近い激しやすい心を持つ尚武は、次第に主人の手に負えぬ召使となってきた。単なる兵器に甘んじず、ことあるごとに反抗を示し、より高い地位を求めるようになった。 仙境の真の没落は、結局はみずから産んだ子等によってもたらされたのだ。

2018-08-27 21:45:04
帽子男 @alkali_acid

だが押し迫る破滅の陰には、もう一つ、神仙の仇敵でありながら複雑な因縁のからみあう存在、魔女がかかわっていた。

2018-08-27 21:46:53
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 仙境に点在する施設のうちでもとりわけ重要なものの一つ、太陽のかけらの宮では、とりしきり役である神仙、日照老君が、ほかの神仙の群からなる集合知と交信していた。 “最後の神仙たるムンリトに、太陽のかけらを授けたはずだ” “いいや。しておらぬ”

2018-08-27 21:49:40
帽子男 @alkali_acid

“ムンリトは、我等の宿敵たる五体の怪物、火妖、風魔、海霊、樹精、雷怪それぞれの異常個体が死から蘇ったところを、太陽のかけらを用いて退治した” “そういう話は聞いた” “証もある。太陽のかけらの放つ光と粒の嵐に、つど我等の監視は盲いた” “それは太陽のかけらを用いずとも起きる現象だ”

2018-08-27 21:53:41
帽子男 @alkali_acid

“日照老君。あなたは太陽のかけらの宮のとりしきり役という職権を濫用してあまりに強い武器をムンリトに与えたのだ” “だがあれは太陽のかけらではない。太陽のかけらというものを、どう定(さだめ)め義(よし)とするかにもよるが” “はぐらかすな。考えを集合知に分かち合え”

2018-08-27 21:55:30
帽子男 @alkali_acid

神仙のなかでも精緻な学を究めた男は、身を覆うきらめく影をかすかにひらめかせた。軽蔑の印だった。 “劣れるものには理解できぬ” “ならば一つ一つ問答するまで。あなたは有毒の鉱滓の処分という名目で宮の資源を分け与えたな” “あれはまこと有毒の鉱滓だ”

2018-08-27 22:00:24
帽子男 @alkali_acid

“だがムンリトはそこから武器を作った” “武器というより玩具だ。予(あらかじ)め算(かぞ)えた配分は費やしていないし、むしろ処分にかかる費えを浮かせたぞ” “玩具ではない。あの威力は” “威力というが、あれは目くらましだ” “どういう意味だ” “太陽のかけらの熱も衝撃もない”

2018-08-27 22:02:03
帽子男 @alkali_acid

“だが事実、死から蘇った怪物は再び滅びた。消えたのだ” “そんなことは知らぬ。まず私はムンリトに説明した。太陽のかけらを武器として用いるのは容易ではない、わけても太陽のかけらに熱と衝撃を発させるために必要な爆縮を起こすのは難しいと。あなた方にもそれぐらいは分かるはずだ” “その通りだ”

2018-08-27 22:05:14
帽子男 @alkali_acid

“最初に火妖の異常個体を屠った際は、二の数乗もの神仙が同時に太陽のかけらを囲んだうえで心を合わせ、爆縮を起こし、その命と引き換えに偉業をなした” “尊い犠牲だった” “次に樹精の異常個体を屠った際は、同じ数の尚武を使った” “一歩前進と言える。だが良質の尚武を失った”

2018-08-27 22:07:54
帽子男 @alkali_acid

“だが樹精の異常個体が死の直前、太陽のかけらによって奇妙な活性を示したので、我々はあの雷怪と海霊の異常個体…ヘドローバ…” ぶるりと日照老君は身を震わせた。太陽のかけらの宮にこもりきりの学哲でも、その名だけは脳裏に刻んでいた。 “あれらには太陽のかけらを用いなかった”

2018-08-27 22:09:28
帽子男 @alkali_acid

“そうだ。だが異常個体どもは魔女との絆によって我等の解き明かせぬ不死を獲得しており、歳月とともに蘇った。ムンリトは、太陽のかけらを惜しげもなく使って再び殺した…また復活するにせよ、時を稼いだ” “ふん。だがムンリトが使ったのは太陽のかけらではない”

2018-08-27 22:11:42
帽子男 @alkali_acid

“どういうことだ” “いかに最後の神仙、望みの子が天才とはいえ、一人で太陽のかけらに爆縮を起こせるはずがない” “ではあれはなんだ” “ムンリトは私の説明をすぐ理解した。だから、目くらましでよいと言った。異常個体どもに恐怖と混乱をもたらす太陽のかけらのまがいものでいいと” “まがいもの”

2018-08-27 22:13:15
帽子男 @alkali_acid

“光と電と磁の波の兵器というか” “待て。それではなぜ怪物は消えた。熱と衝撃がなければとどめにならない” “知らぬ” “知らぬではすまぬ” “私はムンリトがあれを作る場に立ち会った。ちゃんと兵器として、神仙には用いられぬしかけも組み込ませた。玩具であっても役に立ったのだ。よいではないか”

2018-08-27 22:15:53
帽子男 @alkali_acid

“日照老君。これは由々しき事態だ。集合知へのわかちあいを怠り…” “私は何も過ちは犯していない。そもそも、予め算えた配分などというものが” “あとで正式な査問を行う” 交信が途切れると、日照老君はまた軽蔑の印に影をひらめかせ、ふところから琥珀のかけらを取り出し、額に押し当てた。

2018-08-27 22:17:28
帽子男 @alkali_acid

“ああ、そうとも…分かっている…劣れる神仙どもには…真の脅威が分かっておらぬ…私は…本物の太陽のかけらをきちんと用意している…恐るべき未来を避けるために…私だけが…” 太陽のかけらの宮のとりしきり役の口許には、笑みが浮かんでいた。神仙らしからぬ笑みが。

2018-08-27 22:18:55
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 仙境の重要な施設のひとつ、魔女の牧場では、監督をつかさどる玄徹真君が、ほかの神仙の集合知と交信していた。 “お前の弟子が言う、魔女の恒(ひさ)しく常(つね)なる性(さが)には疑義がある” “どのような疑義か” “あの説明は飾の魔女ドゥドゥにはよくあてはまるが”

2018-08-27 22:21:38
帽子男 @alkali_acid

“例えば剣の魔女ジャジャはどうか。ジャジャの四肢は、火妖の異常個体に遭遇する以前から欠損しており、再生はしてもゆるやかであり、剪定は二度あっただけだ” “それは先日提出した文書、『魔女の恒しく常なる性の可能性と展望』第七十三頁に触れてある” “また箒の魔女ヴィヴィの老化はどうか”

2018-08-27 22:24:09
帽子男 @alkali_acid

“第八十一頁に触れている。すばやい老化と、ゆるやかな再生については、魔女がそれぞれの怪物と絆を結ぶ前と後では条件が異なることについてのムンリトの分析だ。ちゃんと目を通しているのか” “時間がかかる” “明快な内容だ” “文書自体に汚染の恐れがある” “どういう意味が理解しがたい”

2018-08-27 22:26:02
帽子男 @alkali_acid

“まずお前と弟子はこの数日で百十三件の文書を提出している。四十一の学誌にあり、査読は追いつかぬ” “ムンリトは筆が早い” “それぞれに以前から懸念している、概念や知識により我等を破壊するもくろみが疑われる” “ありえぬ。正式な書式にのっとった当たり前の文書だ”

2018-08-27 22:28:51
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