社会的と翻訳してもよくわからない social について

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新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

3)また下線部ではないが、すぐ近くにThe presence of others and the social context in which the crying occurred was ....とある。

2014-08-29 00:51:26
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

4)この2カ所のsocialは、受験生は意味が分からなくても「社会的支援」「社会的状況」と一応訳しておけ、と言ったら「先生、解説の訳にもそうなっていますよ」と生徒が言う。「人が泣くときの社会的状況」などという馬鹿馬鹿しい訳をなぜ予備校が出すか。

2014-08-29 00:52:41
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

5)これはまったく社会学者や政治学者など人文系の学者の怠慢としか言いようがない。福沢諭吉はsocialの名詞societyにさんざん苦労した。しかし、今の学者はsociety「社会」social「社会的」の訳になんの疑いも持っていないようだ。

2014-08-29 00:53:13
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

6) social relationshipを「社会的関係」と訳してなんとも思っていない。授業ではsocial relationshipは「人間関係」のことだ、というが、その後、「しかし、受験生たるもの「社会関係」と訳しておけ。意味が分からんでも書いておけ」と言っている。

2014-08-29 00:54:50
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

7)なぜか。河合の解説が示すように大学の先生がsocial relationship「社会関係」という意味不明の訳をつけるからである。最近は、social interactionという言葉も頻発する。これを「社会的相互作用」などという馬鹿な訳はできない。「人づきあい」である。

2014-08-29 00:55:38
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

8)しかし、人文系の学者はsocialを「社会的」の一本槍だ。さすがに最近はsocial media だのsocial network serviceだの「社会的」と訳せない例が頻出してきた。すると、カタカナで「ソーシャル・メディア」「ソーシャル・ネットワーク・サービス」と書く。

2014-08-29 00:56:54
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

9)societyを「社会」の一本槍、socialを「社会的」の一本やり。こんな怠慢を繰り返して意味不明の「論文」らしきものを乱発していては、いつまでたっても日本の「世間」を「社会学的」に取り扱うことはできまい、と少々腹立たしい思いである。(了)

2014-08-29 00:57:32
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

1)阿部謹也『世間とは何か』という本について、というツイートです。 pic.twitter.com/9AViPm4FWq

2015-03-17 10:46:17
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新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

2)昨日の読売新聞に阿部謹也『世間とは何か』が紹介されている。私はこの本に納得しているわけでもなく、この本はある意味「日本人論」の出発点に過ぎないと思っている人間である。しかし、日本の学者の「世間」に対する意識の薄さを告発した本として基調な本なのである。

2015-03-17 10:46:48
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

3)阿部氏が立ち上げ誰でも参加できる「日本世間学会」に参加もし、発表もさせて貰ったりしていることもあるが、日本の社会学者はあまりにも「世間」を無視し「社会」という概念だけで日本を論じることに時々怒りさえ覚える私としては、とりあえず阿部謹也氏の本を読み、何事かを考えて欲しいと思う。

2015-03-17 10:47:24
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

4)私が日本の社会学者などに抱く強い不満は、未だsocial relationshipを「社会関係」と訳し、social interactionを「社会的交流」などと訳して、それで分かった気になっているからである。前者は「人間関係、対人関係」、後者は「人付き合い」の意味である。

2015-03-17 10:47:47
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

5)socialを「社会的」という訳に明治の初めごろに統一されてから、この訳がいかに不自然でもひたすら「社会的」一本でやっている。これでは日本の社会や日本の組織を論じられるわけがないと思う。私は生前の阿部謹也氏に会ってことがないのでなんとも言えない。

2015-03-17 10:48:22
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

6)しかし、私の違和感、不満はきっと理解して貰えるのではないかと思っている。というわけで私も阿部謹也氏のこの本は日本人論入門書としても強く推奨しておきたい本の一冊なのである。(了)

2015-03-17 10:48:46
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

この記事のタイトルのsocial isolationを「社会的孤立」として訳して満足している人は、実は「分かった気」になっているだけで内容が理解されていない可能性が高い。次の訳例を大いに参考にして socialが「人との、人間関係の」と言った意味が主であることを理解して欲しい。 pic.twitter.com/ZhBbsf36yH

2016-12-27 15:06:17
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shakti @rinkaan4

formal educationを 形式的教育 と訳している本が昔有りましたが、わかっていなかったなあと思います。 twitter.com/ashikabiyobiko…

2016-12-27 16:15:39
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

@rinkaan4 socialという語については社会学者の「罪」は相当大きいと思っています。彼らはsocialをバカの一つ覚えのように「社会的」と訳すことで、日本人の実際の「人間関係」を研究できずに「抽象世界」で遊ぶしかなくなっているのではないかと私は疑っています。

2016-12-27 16:40:56
shakti @rinkaan4

@ashikabiyobikou socialを「人間関係」と規定したり、社交の学としたのは社会学の祖の一人のジンメルです。(清水訳の岩波文庫があったはず)。しかし、ジンメルよりはデュルケイムの影響力が大きく、またデュルケイムが批判したタルドが評価されなかったりで、抽象世界有利

2016-12-27 17:00:35
shakti @rinkaan4

@ashikabiyobikou になったのではないでしょうか。つまり『自殺論』にみられる「社会的な力」のようなものを「社会」の典型と考えるようになった。タルド(流行の心理社会学)とか、ジンメルの人と人との交わりの視点が希薄になった。

2016-12-27 17:02:21
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

@rinkaan4 私にはデュルケムやジンメルを論じるだけの知識は何もありません。ただ、社会学に限らず心理学でも政治学でもあまりにも安易に「社会的」という言葉で片づけすぎてはいないか。そのために「学者」の書くものがあまりにも的外れになっていないかという思いが私は強いのです。

2016-12-27 17:25:04
shakti @rinkaan4

@ashikabiyobikou デュルケイム社会学の「社会的事実」とマルクスの「唯物史観」の双方に貫いている考え方が、個々の人間たちの社交的政治的ダイナミズムを失わせた。また政治的社会的リーダーシップや主体性の評価を閉ざすことになった。無責任な学者的発想の跋扈にもつらなる。

2016-12-27 21:40:40
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

日本人論メモ:私は昔から日本人学者がバカの一つ覚えのようにsocialを「社会的」と訳すことに疑問を持ってきた。なぜなら、socialを「社会的」と訳すから、日本の実態としての「社会」がいつまでたってもまっとうに分析できないという不満があるからである。例えば、次の例。 pic.twitter.com/h0ete8tAK9

2017-08-12 17:19:32
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新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

この本の中で浜口恵俊は英語では「人間関係」を表すのにわざわざhuman relationなどという言葉がいる。ところが日本語は「間柄」という言葉昔からある、などと自慢している。だが、普通に英語を読んでいれば「人間関係」に相当するのは social relationshipか

2017-08-12 17:23:05
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

単に、relationshipである。human relationなどというのは出て来ても、それは珍しいのである。で、逆にいっぱい英文に出てくるsocial relationshipを「人間関係」と訳さずに「社会関係」と訳す。で、おかしなことになる。

2017-08-12 17:26:05
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

英語ではsocial relationshipという一つの概念が日本では「人間関係」と「社会関係」という二つの概念に分かれるらしい。でsocial relationshipという言葉が出てくると時々生徒に聞いてみる。「君は今、「社会的関係」と訳したがその「社会的関係」て何?」と。

2017-08-12 17:28:51
新家博/Niinomi Hiroshi @ashikabiyobikou

するとだいたいの生徒はそんな「概念」など考えたこともないから、ろくな解答はできない。しかし、「「人間関係」って分かるかい?」と聞けば「何を馬鹿なことを!分かるに決まってるじゃん」という顔をする。日本ではほとんどの人間が「社会関係」なんてほとんど意味も分からないで過ごしている。

2017-08-12 17:31:30