染色体異常を生じるトリチウム=三重水素の濃度ってどれくらい?

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日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

続き…「トリチウムはごく低濃度でも人間のリンパ球に染色体異常を起こすことは40年以上前に知られていた(1974年新聞報道)」 ん? もしかしてこの話かな? togetter.com/li/1262704 これってものすごい高濃度の話なんですけどーw

2018-09-27 08:08:29
日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

続き…「トリチウムを大量に放出するカナダ重水炉(CANDU)周辺で、小児白血病、新生児死亡、ダウン症などが多発」 こういう噂話があったのは知ってますけどw 白血病とかの原因は放射線ばかりでなく有名なところではATLV –1などという感染症によっても起因されるという事も… ganjoho.jp/public/cancer/…

2018-09-27 08:17:26

(↑上の国立がんセンターの資料の一番最後にも書いてある通り、成人T細胞白血病=ATLは世界的に見て日本の西南部(九州・沖縄地方)に多く、一種の風土病として限られた地域で流行してきたウイルス性感染症です。このことを知らないと、下のまとめでとりあげられているような誤解が生じることになります↓)

まとめ 「玄海原発周辺で白血病が増加 全国平均の6倍」について 「玄海原発周辺で白血病が増加 全国平均の6倍というデータを掲載したサイトがあった。素のデータそのものを(とりあえずは)疑ってはいないけど、この数字はちょっとあまりに大きい。本当かな?と思ってつぶやいたら、いろいろ教えていただいて勉強になったのでまとめておきます。九州全体が全国に比べて白血病が多いというのは知らなかった。 45628 pv 1019 137 users 18
日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

続き…「トリチウムの排出基準は日本は6万Bq/L、WHOは1万Bq/L、 カナダは7千Bq/L (飲み水勧告値は20Bq/L)、米国は740Bq/L、EUは100Bq/L」 でロンドン条約による国際合意はどうなっているんでしょうか? ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD… WHOの(おそらく)勧告書ってどうなっているんでしょうか?

2018-09-27 10:38:20
リンク Wikipedia ロンドン条約 (1972年) ロンドン条約 1972(ロンドンじょうやく 1972, London Convention 1972)は、海洋の汚染を防止することを目的として、陸上発生廃棄物の海洋投棄や、洋上での焼却処分などを規制するための国際条約。正式名称は1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(英: Convention on the Prevention of Marine Pollution by Dumping of Wastes and Other Matter 1972)で、ロンドンダンピング条 3

WHOの飲料水水質ガイドライン第4版(日本語版)
https://www.niph.go.jp/soshiki/suido/WHO_GDWQ_4th_jp.html
(緊急時に適用されるものではないことがp.7に明記されています)のp.216の表9.2によれば、トリチウムのガイダンスレベル(入っている飲料水を1年間飲み続けたことにより生じる内部被曝の許容限度を0.1 mSvとして算出した放射性物質濃度。1日あたりの飲料水摂取量を2 L/日と想定。ガイドラインp.210-211)は10,000 Bq/L(厳密に計算すると7,610 Bq/L)とされています。これはセシウム137とセシウム134のガイダンスレベルが10 Bq/Lと決められているのと比べると少なくとも3桁大きいわけですが、その理由は体内に取り込んだ放射性物質量(単位はBq=ベクレル)を被ばく線量(単位はSv=シーベルト)に換算するのに使われる線量変換係数の値がざっと3桁小さいからです。
線量変換係数(Sv/Bq)
トリチウム(物理的半減期12.32年):1.8x10^-11
セシウム137(物理的半減期30.16年):1.3x10^-8
セシウム134(物理的半減期2.06年):1.9x10^-8

10,000 Bq/L(ひいては厳密に計算した結果の7,610 Bq/L)が染色体異常を生じるトリチウム濃度と比べてどれだけ小さいかは、直前の「まとめ公開後の追加」の項のグラフでご覧いただけます。

日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

食品に含まれるセシウムの基準についてEUでは10Bq/Lというツイートが流れていたのですが情報の出処はこれだったのかも知れませんね。飲用基準と食品に含まれる放射性物質の基準をごちゃ混ぜにするなどなんとも節操無いデマでしたw twitter.com/higuma_saikyou…

2018-09-27 10:49:29
日隈斎京@春植菌 @higuma_saikyou

「ちなみにEU基準だと10Bq未満じゃないとダメです。」←調べてみたけどそんな基準になっているという資料が見つからない。なんか勘違いされているんじゃなかろうか? EU基準だと一般食品の基準値は1250Bq/kgかな? mhlw.go.jp/topics/bukyoku… twitter.com/km_jetta/statu…

2018-09-25 13:32:55

(↑ご指摘の通り、WHOの飲料水水質ガイドラインに出ている飲料水中のセシウム137とセシウム134のガイダンスレベル10 Bq/Lと混同(させようと)していることは明らかです。
なお、ガイダンスレベルは「これを超えたら飲んではいけない」という値ではないことが上のガイドラインの本文に明記されていることを知っておく必要があります。
WHOの飲料水水質ガイドライン第4版日本語版p.210の囲み記事:
ガイダンスレベルの超過は追加的な調査の契機と捉えるべきであり、必ずしもその飲料水が安全ではないということを示すものではない。↓)

myasu1959 @myasu1959

10Bq/LってWHOの飲料水水質ガイドラインに有るこの値を越えたら調査しましょうねってガイダンスレベルと同じ値ですね。この値を越えたら精査しましょうって値で飲んでは駄目って値ではないのですが。てか、これ日本も同じはず who.int/water_sanitati… twitter.com/higuma_saikyou…

2018-09-27 11:46:17
myasu1959 @myasu1959

WHOの飲料水水質ガイドラインのガイダンスレベル、セシウム137は10Bq/L、トリチウムは10000Bq/Lとなっていますね。この値が独り歩きしたのかな?

2018-09-27 11:49:16
日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

続き…「6万Bq/Lの1%が有機結合型とリチウムとして取り入れられたら600Bq/kg。同じベータ線を出すセシウム137被ばくにより多臓器不全で死亡した人たちの臓器のセシウム濃度200-500Bqを越える」 えーとですね、多臓器不全で死亡した臓器のセシウム濃度200–500Bqって? 事実なんでしょうかね?

2018-09-27 10:56:40

おそらくチェルノブイリ事故後のベラルーシで1997年に成人と小児の死後剖検を行って臓器別の放射性セシウム濃度を調べたバンダジェフスキーの論文
Chronic Cs-137 incorporation in children's organs
Y. I. Bandazhevsky
Swiss Med Wkly 133: 488, 2003
http://tchernobyl.verites.free.fr/sciences/smw-Bandazhevsky_chronicCs137.pdf
(日本語解説 http://d.hatena.ne.jp/buvery/?of=10
を指しているのだと思われますが、この論文は一部のデータ(表2は6人)を除いて何人調べた結果なのか明示していません。

また放射性セシウムのβ線のエネルギーはセシウム137が512.0 keV、セシウム134が658 keV
(日本アイソトープ協会の資料https://www.jrias.or.jp/report/pdf/caesium_no_abc.pdf p,8 )
で、トリチウムのβ線の18.6 keVと比べると前者は27.5倍、後者は35.4倍に相当しますから、同じBq数の原子が出すβ線の影響は放射性セシウムの方がずっと大きいことになります。

日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

それより「6万Bq/Lの1%が有機結合型とリチウムとして取り入れられたら600Bq/kg(ママ)」ってどうやったらその量を取り入れることができるのか、有機結合型「とリチウム」がそんなに存在するのか、謎は深まるばかりですw

2018-09-27 11:00:16

原発から海洋放出される排水の中のトリチウム=三重水素は水の分子の中の2個の水素原子の1個がトリチウム原子=三重水素原子と置き換えられたもの(HTO、自由水=FWTとも呼ばれる)として存在します。有機結合型トリチウム(OBT)が生じるためには有機化合物中の水素原子とFWTのトリチウム原子=三重水素原子の間で交換反応が起こる必要があります。WHOの飲料水水質ガイドラインのトリチウムのガイダンスレベル10.000 Bq/Lは、1日あたりの飲料水摂取量を2 L/日と想定して決められたものですが、仮に濃度限度60,000 Bq/Lまで希釈して放出された排水そのものを1日に2L飲んだ場合この中に存在する自由水トリチウムの総量は120.000 Bq、体内に取り込まれたあとこの1/100が体重60 kgの人(成人)の体内で交換反応によって有機化合物中に取り込まれたとすると、体重1 kgあたりのOBTの存在量は1200/60=20 Bq/kgとなります。
(WHOのガイダンスレベル10.000 Bq/Lのトリチウムを自由水で含む水を同じ量だけ飲んだ場合は、1/6の3.3 Bq/kgになります)

西尾氏は総量(単位Bq)と単位体重あたりの存在量(単位Bq/kg)をうっかり取り違えたのでしょうか、それとも意図的に混同させようとしたのでしょうか?

余談ながら日本人の食べるものと体の中にはトリチウムが自由水、有機結合型それぞれどの程度存在するかを調べた日本語論文が1990年に出ています。

nao @parasite2006

余談ながらこの1990年の日本語論文(無料)jstage.jst.go.jp/article/jspf19… には「日本人の食品および人体のトリチウム」(p.468)という項があり(必見)、これによれば日本の食品にも日本人の人体中にも1桁Bq/Lのトリチウム(自由水、有機結合型それぞれに)が存在(続く)

2018-09-21 09:42:09

本文記述には
「秋田市での食品中のトリチウム濃度は, 組織自由水トリチウム濃度は米では2.5 Bq/l, 豆類1.6 Bq/l, 果実類1.0 Bq/l, 魚介類0.49 Bq/l, 肉類1.3 Bq/l, 卵1.7 Bq/l, および牛乳乳製品類2.0 Bq/lであり, また有機結合型トリチウムの濃度は米では1.8 Bq/l, 豆類3.2 Bq/l, 果実類1.8 Bq/l 魚介類1.0 Bq/l, 肉類1.8 Bq/l, 卵2.1 Bq/l, および牛乳乳製品類2.1 Bq/lであり, 油脂類では2.6 Bq/lであった44),45)。」
「日本人(京都市)の組織に含まれる自由水のトリチウム濃度は, 脳では2.6 Bq/l, 肺では3.3 Bq/l, 肝 臓では3.3Bq/l, 腎臓では6.1Bq/l, 筋肉では2.6 Bq/l, 脾臓では3.8 Bq/lであった. ちなみに, 水道水では2.60 ± 1.05 Bq/l, 雨水では2.88 ± 1.75 Bq/lであった46)。日本人(秋田市)でのデータでは, 肝臓, の自由水のトリチウムは何れも同じで1.6 Bq/lであり、組織結合型のトリチウムはそれぞれ1.6, 1.9そして1.8 Bq/lであった47)。」
とあります。いずれも1989年の論文または国際学会で発表されたデータです。

日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

続き…「政府の役人はトリチウムの危険性を何も知らないし、わかっていない」 もしこの要約が西尾先生の言葉として語られたものであったら、何も知らない、分かっていないのは西尾先生のほうでは?という疑念が湧き上がっています。

2018-09-27 11:09:06
日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

続き…「沸騰水原子炉の年間約20兆Bqのトリチウムを海洋排出できるよう、余裕を見て年間22兆Bqとした。科学的な根拠は全くない」 宇宙線によるトリチウムの生成量とトリチウムの半減期(12.3年)、そして世界の原発からの桁違いに少ない排出量を考えると残存量は平衡するように思うのですが…

2018-09-27 11:15:52
日隈斎京@冬眠 @higuma_saikyou

科学的根拠と言うならばこの程度は思い浮かべて欲しいところです。なお下記の図には示されていませんが核実験由来のトリチウムの残存量は宇宙線由来の残存量の10倍ほどあるとか… pic.twitter.com/CUj7v0xm7C

2018-09-27 11:19:10
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(↑核実験由来の残存トリチウムの量が宇宙線により生成される量や原発・核燃料再処理施設からの放出量と比べてどれだけ桁違いに多いかは、こちらのまとめでも図解入りで解説しています↓)