teru_enotoによる中性子星レビュー

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Teruaki Enoto | 榎戸輝揚 🧲⭐️🛰⚡️ @teru_enoto

SS433: 中性子星なのかブラックホールなのか、よく判明していないジェット出してる天体。ジェットの終端で高エネルギーガンマ線が出ているのをメキシコのHAWC望遠鏡が数日前に Nature に報告していて大興奮。Discussion がなかなか面白い可能性を議論してる。buff.ly/2DUMbjA #NeutronStar

2018-10-05 06:30:10
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FRB121102: これを中性子星と断定するのには異論がある人もいるかも。宇宙の遠方からやってくる謎の突発電波信号 Fast Radio Burst (FRB)のひとつだけど、今の所唯一、繰り返し電波信号を出す謎天体のひとつ。わりと多くの人は中性子星に由来する電波信号だと思っているが研究途上。 #NeutronStar

2018-10-06 06:30:08
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GX 13+1: 質量の小さい星と連星をなしたX線星を Low-mass X-ray binary (LMXB)と呼び、そのひとつ。GX 13+1 はコンパクト天体が中性子星で、質量降着によりエディントン光度の数十パーセントで輝いている。ブルーシフトした吸収線が観測されていて、disk wind の情報が得られている。#NeutronStar

2018-10-07 06:30:04
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Her X-1: ヘラクレス座にある一番明るいX線源なので、Hercules X-1 という名前。連星で相手の星からの質量降着で輝く中性子星。磁力線に沿って磁極に物質が落ちてX線を出している。磁場が強すぎて、電子のエネルギー準位がランダウ準位に離散化し、その間の遷移が吸収線として見える。 #NeutronStar

2018-10-08 06:30:01
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4U 0115+63: これも Her X-1 同様に降着で輝くX線パルサーで、電子サイクロトロン共鳴による吸収線がX線スペクトルの中に見えている。なんと、これは吸収線の4次の高調波まで見えている (Santangelo+1999, ApJ)。厳密には吸収線のエネルギーは整数比から少しずれている。#NeutronStar

2018-10-09 06:30:20
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SGR 0418+5729: マグネターで頻繁に見られる突発増光が起きたのに、自転周期の変化率がとても小さく、磁気双極子放射で見積もられる磁場が弱いので「Low-feild magnetar (弱磁場マグネター)」と呼ばれるようになったエポックメイキングな天体。中性子星の進化の理解がぐっと進んだ。#NeutronStar

2018-10-10 06:30:07
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1E 2259+586: マグネターの1種、特異X線パルサー(Anomaloud X-ray Pulsar, AXP) のひとつ。超新星残骸 CTB 109 の中心に、約7秒で自転する明るいX線パルサーがある。超新星残骸は分子雲で隠され半月型に輝く。"Anti-Glitch" ?が報告されたことも。 #NeutronStar

2018-10-11 06:30:25
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4U 1954+319: なんと 5.4 時間という中性子星で(ほぼ)いちばん長い自転周期を持ったX線パルサー。Symbiotic X-ray Binary (SyXB, 共生X線連星)と呼ばれる、珍しい中性子星とM型星の連星。Enoto et al. 2014 buff.ly/2DK4yrA で Acrition Induced Collapse (AIP) の可能性も指摘 #NeutronStar

2018-10-12 06:30:14
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IGR J17591−2342: 今年の8月に INTEGAL 衛星で見つかり、BAT のデータを遡ると7月末から明るくなっていた降着で輝くミリ秒パルサーの新天体。NICER と NuSTAR の観測データの報告でチームで論文だした buff.ly/2DES3gZ。欧米の人が解析しているので、NICER 解析をお手伝い #NeutronStar

2018-10-13 06:30:07

30個。

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SN1987A: 1983年2月23日に大マゼラン雲で起きた超新星。ケプラーの超新星以来、383年ぶりに肉眼で観測できた超新星。ニュートリノの観測から、少なくとも原始中性子星ができたと言われているが、どの波長でもパルサーは見つかっていない。実は自分の学振DC1のテーマだったりする。#NeutronStar

2018-10-14 06:30:00
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PSR 2144-3933: 孤立した電波パルサーとしては 170 pc と我々の最も近くにあり、8.5 秒の自転周期は普通の電波パルサーよりも長い。P-Pdot 図上で、パルサーの磁気圏放射ができなくなる死の谷 Death Line を超えても光ってる。不思議。X線では未検出 (Tiengo et al 2011)。#NeutronStar

2018-10-15 06:30:01
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PSR B1937+21: 最初に見つかったミリ秒パルサーで自転周期は 1.56 ミリ秒。中性子星の中で自転がとても早い部類で、降着によって角運動量が持ち込まれてスピンアップしたと考えられている。周期の変化率も小さい。対応天体は見つかっていなかったはず。Giant Pulse が見つかっている。 #NeutronStar

2018-10-16 06:30:16
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MAXI J1724-298: 2018/10/16 に MAXI チームが銀河中心方向から、X線バーストみたいな現象を検出した。buff.ly/2pW2MtB ホットなので取り上げてみた。銀河中心なので対応天体の候補いっぱい。X線バーストは磁場の弱い中性子星で起こることが知られている。#NeutronStar

2018-10-19 06:30:00
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PSR J1119–6127: 電波パルサーでマグネターに近い磁場を持つ種族を High-B pulsar と呼ぶ。その代表格で実際にマグネター様アウトバーストを起こした。X線のショートバースト時に、電波が消えている理由を最近 Yamasaki et al. submitted buff.ly/2CO0oxh で議論した。面白い! #NeutronStar

2018-10-20 06:30:01
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Cen X-3: ケンタウルス座(Centaurus)で3番目に明るいX線源で、最初に見つかったX線パルサー。連星の相手はO型超巨星。NICER運用でリアルタイムの4.8秒X線パルスが見えるのは感動。#NeutronStar

2018-10-21 06:30:10
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ゲミンガパルサー: 800光年ほど先にある有名なガンマ線パルサー。まずガンマ線で最初に見つかってきて、後で他の波長で見つかってきた。自転周期237 ミリ秒ほど。Crab, Vela, Geminga の3匹を合わせて「御三家」と読んでいる。回転駆動型パルサーに分類される。#NeutronStar

2018-10-22 06:30:04
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SGR 1900+14: マグネターの中でも磁場の強い部類で、SGR 1806-20 とよく比較される。これも 1998年に Giant Flare (巨大フレア) を起こしたことで有名。NuSTAR の GO proposal で提案して採択されたが、時間ないので本郷の学生さんに解析してもらって硬X線スペクトルがよくわかってきた!#NeutronStar

2018-10-23 06:30:19
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GX 304-1: X線天文の初期に気球実験で見つかっていたX線パルサー。大体133日の好転周期でX線フレアするBeとの連星。しばらく暗かったのだが、2010年のアウトバーストで電子サイクロトロン共鳴が発見されていてbuff.ly/2AnoA7u、表面磁場が4.7x10^8 テスラほどであることが判明。 #NeutronStar

2018-10-24 06:30:09
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4U 1626-67: 7.7秒の自転周期をもつX線パルサーがある、ちょっと変わった低質量X線連星。普通は高質量X線連星でサイクロトロン共鳴が見えることが多いが、この天体は低質量X線連星だけど、~37 keV に吸収線が見られている。酸素やネオンの輝線が低エネルギー側にあるなど。#NeutronStar

2018-10-25 06:30:20

40個。

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EXO 0748-676: 有名な低質量X線連星のひとつ。EXOSAT 衛星で見つかった。X線で観測すると、3.82 時間毎に食(eclipse)が見えることが知られている。type-I X線バーストも起こすこので、コンパクト天体は磁場の強い中性子星だと解釈されている。#NeutronStar

2018-10-26 06:30:09
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3C58: PSR J0205+6449 とも。このパルサー、西暦1181年に日本や中国の記録にある超新星 (SN1181) が対応するのではないかとも言われている。諸説あり。本当なら、かにパルサーよりも若い天体になる。この年には、日本では平清盛がなくなった頃だ。天文の時間スケール長いな。#NeutonStar

2018-10-27 06:30:07
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1E 161348-5055: 超新星残骸 RCW103 の中心にあるX線源 Compact Central Object で、謎の 6.67 時間の周期性があり、X線でも変動する。一応、中性子星の自転と解釈されているが、その成立過程には諸説あり。2016年6月にマグネター様アウトバーストを起こしたので磁気活動をしている? #NeutonStar

2018-10-28 06:30:04
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1E 1547.0-5408: マグネターの1つ。マグネターの典型的な特徴を多く兼ね備えているので、よくレビューの時に紹介しているサンプル天体。2009年にアウトバーストした際、すざく衛星で硬X線成分を発見した際、最初はバックグラウンド信号が引き残っているかと最初思った。 buff.ly/2O4m7Cn

2018-10-29 06:30:16