【概要和訳】IARC国際専門家グループ「TM-NUC」の提言「核事故後の甲状腺健康モニタリング」(2018.9.29作成)

Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

やっと和訳出た。 甲状腺モニタリングの長期戦略に関する国際がん研究機関（IARC）国際専門家グループの報告書について env.go.jp/chemi/rhm/post… IARCテクニカル・レポート第46号（レポート1） env.go.jp/chemi/chemi/rh… 提言　env.go.jp/chemi/chemi/rh… 概要　env.go.jp/chemi/chemi/rh…

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原子力事故後の甲状腺健康モニタリングに関する知見の不足とIARC専門家グループからの研究への提案（レポート2） env.go.jp/chemi/chemi/rh…

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Thyroid Health Monitoring after Nuclear Accidents IARC Technical Publication No. 46 publications.iarc.fr/Book-And-Repor… pic.twitter.com/4APtyGlQoG

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Executive Summaryより、推奨とその説明の和訳。 推奨1：専門家グループは、核事故後の全住民における甲状腺スクリーニングを推奨しない。 専門家グループは、個人甲状腺線量評価に関わらず、特定の地域の全住民に甲状腺検査を積極的に勧め、設定されたプロトコールに従った臨床管理を行うことを、 pic.twitter.com/BOvWnE5fUS

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（続）「全住民スクリーニング」と定義する。専門家グループが全住民での甲状腺スクリーニングを推奨しないのは、全住民レベルでは不利益が利益を上回るためである。

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推奨2：専門家グループは、核事故後に、高リスクの個人に対する長期モニタリングプログラムの提供を考慮することを推奨する。 pic.twitter.com/HTbn8tKj7e

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推奨2の説明 専門家グループが定義する「甲状腺モニタリングプログラム」には、ヘルスリテラシー向上のための教育、参加者の登録、甲状腺検査データの一元的収集、および臨床管理が含まれている。（続）

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甲状腺モニタリングプログラムは、リスクがより高い個人（ここでは、胎内で、あるいは小児期か思春期に100〜500 mGy以上の甲状腺線量を被ばくした個人と定義される）に提供される選択的な活動であり、

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これらの個人は、まだ進行していない疾患の早期発見と早期治療から利益を得るために、甲状腺検査およびフォローアップを受けるかどうか、受けるのであればどのように受けるかを選ぶことができるというものである。

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「甲状腺モニタリングプログラム」は、出発点が全住民ではなく個人であり、全住民スクリーニングとは異なるものである。

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甲状腺モニタリングプログラムの中では、甲状腺検査およびフォローアップに参加するかどうか、参加するのであればどのように参加するかについての意思決定プロセスが、個人、家族と臨床医の間で共有されるべきである。

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「患者を中心とした医療制度」の原則のもと、情報に基づいた意思決定を、個人の価値観、好み、およびコンテクストと一致させて最適化するために、無症状の個人における触診あるいは超音波による甲状腺検査の潜在的な利益と不利益について、良くデザインされた教育資料を用いて話し合われるべきである。

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IARC国際専門家グループ「TM-NUC」の提言「核事故後の甲状腺健康モニタリング」 全住民での甲状腺検査は推奨しないが、甲状腺被ばく線量が100〜500mGy以上の人たちのために甲状腺モニタリングプログラムの選択肢を提供すべき、というもの。 twitter.com/YuriHiranuma/s…

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希望者には甲状腺検査を推奨するSHAMISEN勧告よりも厳しいのかと思ったら、本文には、もっと低い線量でも希望者には利益・不利益についてよく説明した上で提供すべき、と書いてあった。 pic.twitter.com/Ltk2UvgpN4

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一応、置いときます。 【おさらい】 SHAMISEN提言の日本語版 drive.google.com/file/d/1fyPr2E… pic.twitter.com/lvMXt33bVT

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TM-NUC報告書のp.104 ん？そうだっけ？ Unlike after the Chernobyl accident, broad recordings of thyroid dosimetry were not obtained in Fukushima, because of the extraordinary demands on emergency response teams in managing the aftermath of the devastating earthquake and tsunami.

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「チェルノブイリ事故後とは異なり、福島で甲状腺線量の測定が広く行われなかったのは、地震と津波の余波に対処する緊急対応チームへの負担が非常に大きかったため」（意訳）と説明されてるけど、そうだったん？

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p16 最後に、専門家グループとしては、この報告書が、過去の核事故後に実施された甲状腺健康モニタリング活動の評価ではなく、現在行われている甲状腺健康モニタリング、特に福島県民健康調査に関する推奨を全く含んでいないということを強調したい。 pic.twitter.com/O3heevh43d

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p23 このパラグラフでは、甲状腺線量の測定は、核事故後、できれば4週間以内、遅くても6週間以内にされるべきであるけど、もしも測定器の検出下限値が500 Bqより低い場合は、事故後6週間を過ぎてもだいじょぶ、って書いてあるけど、そうなん？ pic.twitter.com/BYTU9DpuKC

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p27 In adults, PTC less than 1 cm in diameter is termed papillary thyroid microcarcinoma (PTMC); in children, there is no such distinction. 成人では、腫瘍径が1cm未満の甲状腺乳頭がんは甲状腺微小乳頭がん（PTMC）と呼ばれているが、小児では、そのような区別はされていない。

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p28 高齢の患者における甲状腺乳頭がんの遺伝的多様性の増加というのは、甲状腺がんの発がんについて、晩発性の多段階発がんプロセスの結果、あるいは甲状腺内の残留胎生幹細胞の存在の結果ではなく、早期発症の多段階発がん説を支持するものであるとみなされる可能性がある。 pic.twitter.com/ovXyo9hhI1

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このパラグラフで、”支持”されてる早期発症の多段階発がん説はWilliams氏が提唱されているもの。”残留胎生幹細胞”云々は、大阪大学の髙野氏が提唱する芽細胞発がん説で、引用文献の髙野氏の論文で、晩発性と早発性の多段階発がん説と共に説明されている。 pic.twitter.com/z7rOiyZQ3J

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p29 チェルノブイリ事故のすぐ後に、被ばくした小児における放射線誘発性甲状腺がんが、被ばくしていない小児でよりも局所浸潤、リンパ節転移や遠隔転移が広範である、よりアグレッシブな傾向を持つことが懸念された。（続） pic.twitter.com/ImjyE5Zrsx

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（続）しかし、その後の解析により、この観察が、被ばく時年齢が10歳未満の小児の人数の多さ、ヨード欠乏症の集団における放射性ヨウ素への長期にわたる曝露、および、甲状腺がん発症リスクが高い患者に対するアクティブサーベイランスプログラムが初期に存在しなかったことを含む、（続）