ALPS等処理済み水の多くから、基準値を超えるSr-90。どうしてこうなった?

ALPS等の「多核種除去設備」は、62核種の放射性物質の濃度を、排水基準値(告示濃度限度)未満に下げる能力があるとされていましたが、主眼である Sr-90 の濃度でも、基準値を超えた処理済み水が多くあることが公表されました。この件について、誤解も多く、謎も残されているので解説します。
ALPS I-129 汚染水 ストロンチウム 震災 原発 トリチウム sr90 ヨウ素 敷地境界線量
69

追記)2019年3月末までの状況。

Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
【更新】(2018年度分まで) 既設ALPS(入口水・出口水)データまとめ(xlsx)→ konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/ka_… 増設ALPS(入口水・出口水)データまとめ(xlsx)→ konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/za_… 2018年10月に、ALPS等処理済み水に、告示濃度越えがたくさんあったことが報告されたが、その後はどうか?(続く
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
続き)結果から言うと、(トリチウム以外の)告示濃度越えはほとんどなかったが、増設ALPS C系の I-129濃度で、2件の告示濃度(9 Bq/L)超え(2018/11/27の 9.78 Bq/L と2019/3/29の 11.7 Bq/L)があった。(続く pic.twitter.com/mQEscZn3Rr
拡大
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
というわけで、今でも、I-129の除去には苦労しているようである。 解説まとめ→ togetter.com/li/1259733

追記)データの訂正について

※ 2018/10/17 に、10/1 小委員会提出グラフ等に、1,276ヵ所の訂正が行われました。(現在公表中の資料は、差替え済み。)
「第10回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会における当社説明資料の訂正について」→ http://www.tepco.co.jp/press/news/2018/1510052_8965.html

 
以下のデータまとめは、2018/10/17東電の訂正を反映ずみです。
既設ALPS(入口水、出口水) データまとめ(xlsx)→
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/ka_alps.xlsx

増設ALPS(入口水、出口水) データまとめ(xlsx)→
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/za_alps.xlsx

高性能多核種除去設備(HERO)(入口水、出口水) データまとめ(xlsx)→
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/he_hero.xlsx

 
※2018/11/30に、さらに18のデータについて、不等号の付け忘れが公表されました。(上記xlsxデータについて、11/30に訂正を反映ずみです。)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/011_05_02.pdf

さかなのかげふみ @Spia23Tc
放射線データ 検出限界未満を示す記号「<」が正しくついていなかったことについて tepco.co.jp/decommission/i…
さかなのかげふみ @Spia23Tc
経産省|第11回 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委 2018年11月30日 meti.go.jp/earthquake/nuc… 議題  多核種除去設備等処理水に関するデータの更新 meti.go.jp/earthquake/nuc…  トリチウムの生体影響・規制基準   環境放出する際の放射性物質の管理(モニタリング等)の考 え方

 
尚、I-129のデータ、および、汚染水対策全般についての解説は、こちらをお読みください。

ツイートまとめ 東電とメディア・国民とのコミュニケーションの不在について 汚染水対策を題材にして、コミュニケーションがいかに成り立っていないか、という事例を集めてみました。 1416 pv 23 1 user

 
はじめに

Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
東電は、2018/10/1「ALPS等処理ずみ水小委員会」資料→ meti.go.jp/earthquake/nuc… で、処理ずみ水の検査結果を公表したが、とりわけ驚かされたのは、Sr-90濃度が基準値(告示濃度)を越えている(しかも、かなりオーバーしている)ものが、たくさんあるという事実である。

【追記】2018/10/11に、東電HPに、この資料のデータが掲載されました。
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watermanagement/purification_analysis/index-j.html

Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
東電は、これらのデータを公表していなかったことを陳謝し、また「海洋放出などで処分を行う場合には」再処理(処理方法は未定)を行って、基準値以下に下げることを表明したが、なぜ、こうした事態に至ったのか、という事情については、十分な説明が行われたとは言えないと思う。
小松 理虔 @riken_komatsu
「東京電力廃炉推進室の松本純一室長は『十分な説明ができておらず、おわび申し上げる』と陳謝し、東京電力としてはトリチウムが最大の問題であり、社会と問題意識に『ずれ』があったと説明しました」。 www3.nhk.or.jp/news/html/2018…
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
東電の説明によれば、基準値以上に濃度が高くなった原因として、  ・設備不具合によるもの  ・除去性能不足によるもの  ・敷地境界線量の低減を急ぐ必要があったため などの要因を挙げている。 以下、設備別に見ていく。

 
1.既設ALPS

 
【「60万Bq/LのSr-90」は、設備の不具合によるもの。公表もされていた。】

Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
タンク群の調査によると、J1エリアのD、E、Fグループでは、ALPS等処理ずみ水に約 60万Bq/Lもの Sr-90が含まれている。 pic.twitter.com/GQnskzAQsh
拡大
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
これは、2014/3/18に、(既設ALPS)B系の出口水から 約1000万Bqの全βが検出された時(当時の公表→ tepco.co.jp/nu/fukushima-n… )のものだと東電は説明している。出口水で 100万Bq/L以上が検出された事例はほかにはないから、これに疑いを差し挟む理由もないだろう。 pic.twitter.com/D6WqszEp7H
拡大
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
翌日、2014/3/19 の公表資料→ tepco.co.jp/nu/fukushima-n… では、J1エリア(D1)タンクで、560万 Bq/Lの全βを検出したことも公表されている。
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
ちなみに、J1グループは2014年1月から供用が開始されているが、各タンクエリアの運用開始の時期は、こうした資料によって確認することが出来る。 twitter.com/Kontan_Bigcat/…
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
朝日新聞は、この 60万Bq/Lの数字をセンセーショナルな記事にしたけど、この不具合の件は、当時取材していた記者なら知っていた筈だし、もちろん公表されていた事象だから、ここで騒ぐのは本来、お門違いなのである。 twitter.com/ShinyaMatsuura…
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat
この不具合の原因は、クロスフローフィルターのシール(ガスケット)の欠損であることが、2014/4/9に公表→ tepco.co.jp/nu/fukushima-n… されている。 このフィルターは、その後、5月から順次、改良型のフィルターに交換されることとなる。
残りを読む(151)

コメント

こなみひでお @konamih 2018年10月5日
トリチウムの処理をめぐっては現在最も大事な話。
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat 2018年10月9日
まとめを更新。今も手つかずの「濃縮廃液」について追記しました。
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat 2018年10月18日
まとめを更新。 冒頭のデータまとめ(xlsx)を、東電のデータ訂正(2018/10/17)を反映して修正しました。
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat 2018年10月30日
まとめを更新。「Sr処理水の残水」があるタンクに、ALPS等処理済み水を入れた経緯について追記しました。
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat 2018年11月30日
まとめを更新。xslxデータについて、東電の訂正を反映しました。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする