児童書の挿し絵の変遷について

まとめました。
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

この辺り、児童書の作り手と読み手との間で挿絵に関する受容のギャップが起こってる気がする。こうなった原因は、おそらくここ20年の児童書(特に児童文庫)挿絵文化の変遷を取りまとめきれていないからじゃないかな? twitter.com/6rain410/statu…

2018-10-07 18:22:30
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

漫画的な挿絵を児童書に採用する。この文化の起点はおそらくポプラ社の坂井宏先が「ズッコケ3人組」のイラストに前川かずおを起用したところだろう。今からでは考えられないことだが、当時図書館納入時に「漫画を蔵書に入れていいのか」とクレームがつき、議論になったという。

2018-10-07 18:30:19
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

児童書挿絵のオファーは少女漫画の方面にも伸びていく。代表例が、岩波少年文庫版「お姫さまとゴブリンの物語」(ジョージ・マクドナルド)のカバー絵に竹宮恵子が採用されたことだろう。耽美調ではあるものの、作風には割とマッチしていたかと思う。 pic.twitter.com/HrT0ioqZE6

2018-10-07 18:36:53
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

絵の方向性が現代に近づいてくるのが90年代。講談社青い鳥文庫のオリジナル路線が花開いてきた頃だ。特にはやみねかおる「名探偵夢水清志郎シリーズ」の人気は村田四郎の動的なイラストがなければ成り立たなかったであろう。 pic.twitter.com/fM0IIZveGX

2018-10-07 18:43:16
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

2005年、児童文庫は思いっきりポップな方向に向かっていく。石崎洋司『黒魔女さんが通る!!』の登場だ。個性的すぎるキャラ達の魅力を後押ししたのがコナミ出身の藤田香によるビビッドなイラストだ。とにかくデザイン・奥行き・色使いのセンスが違った。明らかに親しみやすく、かつ現代的であった。 pic.twitter.com/ajZ3KZac4T

2018-10-07 18:55:18
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

そして決定打が2009年の角川つばさ文庫創刊だろう。ここはグループ間のレーベルの垣根を超え、ライトノベルさえも児童書のラインナップに組み込んできた(いとうのいぢの絵が小学生の手に渡る時代が来るなんて誰が想像しただろうか?)。それだけなら傍流して流されていたかもしれない。しかし... pic.twitter.com/evaBnTHQzR

2018-10-07 19:00:36
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

2010年、つばさ文庫は古典の領域に新風を巻き起こす。河合祥一郎の革新的で読みやすい新訳とokamaの独創的かつどキュートなイラストが融合した『新訳・ふしぎの国のアリス』だ。話題が話題を呼び、なんと部数が『かがみの国〜』を合わせ50万を突破した。新作でない児童文学でこの結果は奇跡である。 pic.twitter.com/yBn7RROFQ5

2018-10-07 19:10:44
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

つばさ文庫の『新訳アリス』の革新性はイラストと訳文だけにとどまらない。導入部のデザイン・説明がきわめて視覚的に構成されているのだ。徳間の海外ファンタジーシリーズで名を馳せた「ムシカゴグラフィクス」のデザインが児童文庫のルックスを一新したのである。 pic.twitter.com/crzlAnK7Tk

2018-10-07 19:18:10
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

河合・okamaペアはその後、マクドナルドの『星を知らないアイリーン』(そう、「お姫さまとゴブリンの物語」である!)でもタッグを組み、河合はokamaをこう評した。 「この人は天才です。作品世界の特性を深く理解したうえで、強力な表現力でその魅力を引き出してくれます」 ameblo.jp/shoichiro-kawa… pic.twitter.com/8H6RIiMf8P

2018-10-07 19:25:30
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

オリジナルにも目を向けよう。つばさ文庫は特に女子目線を重要視した作品に力を入れている。その一例が『こちらパーティー編集部!』シリーズ。亡き父の立ち上げた雑誌を学校で復活させようとして、主役が周りの問題男児にふりまわされる部活モノ。挿絵の榎木りかは「りぼん」出身である。 pic.twitter.com/CQfDSODZlA

2018-10-07 19:35:59
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中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

さて、こう変遷をたどっていくと、その傾向が必ずしも統一されたものではないことがわかるはずだ。唯一流れがあるとするならば、一イラストあたりの情報量の増加である。眼のディテール、構図の奥行き、使われる色の数、ファッション...。

2018-10-07 19:43:57
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

一部識者たちが憂慮しているのは、情報量を増やしていくうちに「ルッキズム」の呪いが発生してしまわないかということだ。主役に出てくるような女の子が常に魅力的に描かれすぎると、「そうでない子はダメなのか」という不安が子供達に植えつけられることを恐れている。

2018-10-07 19:48:36
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

たしかに、児童書を作るにあたりその辺りのバランス感覚を持つことはは重要であろう。青年誌のように極度な身体的特徴を出したら「媚び」とみなされ、それで終わりである。

2018-10-07 19:53:05
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

ただそれと同時に、私はもう少し児童と物語を信頼してもいいのではないかと思うのだ。彼・彼女達はそのメディアの本質に触れていけば「ルッキズム」の呪いが主目的ではないと理解できる人が大半だろうし、その呪いに苦しんでいる友がいたら声をかけることもできる。私たちの想像以上にクレバーですよ。

2018-10-07 19:58:44
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

そしてもし、それでも一人で呪いに囚われてしまった子がいたとしたら、それを察知して支えてあげるのは周りの大人の役目である。これこれこうなんだよとしっかり言葉で説明し、守ってあげるのが役割だ。そしてそれは、決して本屋から原因となる本を排除する事ではない。

2018-10-07 20:03:39
中村真葛(まくす)@Max KidNapper @mimimomak

とにもかくにも、「子供たちが欲しがるものを、大人はもうちょっとだけ信頼してあげようぜ!」

2018-10-07 20:11:41
凶器は見つかりませんでした @psychotic_aaaa

@6rain410 どんな意図があったにせよ誤解が生まれる表現だから反発されてるのは事実ですよね。編集者であればそういった配慮はなさらないのですか? しかもその後のリプで「社会人」と強調されておりますが、自分と異なる意見の人間は社会人じゃないんだよって皮肉ですか?反対意見の方をすごい見下してますね。

2018-10-08 06:05:59
雨宮ミヅキ @6rain410

@psychotic_aaaa "社会人"の補足をしなくてはと思っていた折に偶然見かけたのでお返事させてください。 私は社会を構成する人間全員が社会人なのだから、働く大人だけを社会人と呼ぶべきではないと思っています。そのうえで、世間から普段社会人と呼ばれる人たちに訴えかけたかったのでこの言葉を使いました。

2018-10-08 10:38:42

コメント

Dally @Dally_Shiga 2018年10月9日
押し絵ではなく挿し絵(さしえ)では……
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私はこう考える @maidscarlet 2018年10月17日
どうせ陳腐な議論がまとまってるだけだろうからほとんど読んでないけど児童向けの絵と萌え絵の合流という認識は一部正しく一部間違いだと思ってる。両者名前こそ違うが、概念というか、具象物を生み出す当為的イデア(理念)がほとんど同じなのだから萌え絵と児童向けの絵がほとんど同じになるのは当然というか。違いは可愛いと思わせる対象が「児童」か「男性か」ということのみ。
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私はこう考える @maidscarlet 2018年10月17日
でも同じ人間が可愛いと思う対象が著しく乖離してると考える方が不自然でしょ。だから似るどころか、統計的には全く区別がつかなくてもおかしくなかった。かろうじての違いを生じさせているのは人材の違いかなってところ。男性向けを描くレーターの資質や経験、児童向けを描くそれが、理念というクラスの引数となるってことで、そういう引数が違えばインスタンスとなる絵柄が多少異なるのは当然って話。
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