岡田育さんによるキズナアイ・・・というよりFSSとか大奥とかカスタムキャストの話

オタク批判とか「私の考えを理解しないやつは駄目」みたいな口調ではなく「こういうの考えたら面白くない?」って感じの問いかけになっていて嫌いではないです。 ケンカしてるひとをよそ目にこういう感じの議論やっていこーぜ。
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海燕 @kaien

まあ、『ガンダム』も最近はロボットデザインが変わって来て、『オルフェンズ』あたりまで来ると「これ、モーターヘッドじゃね?」みたいになっていますが、それはともかくとして。ぼくはいわゆる「男性向け」とされる文化も好きですが、一方で「女性向け」とされる文化も好きです。

2018-10-07 12:40:21
海燕 @kaien

ちなみに『大奥』と『マージナル』だったら『マージナル』のほうがはるかに刺さります。『残酷な神が支配する』はもっと刺さるけれど。どういうわけか、ぼくにはよしながふみさんの作品がまったく響かないのですね。それはまあ、『ファイブスター物語』とは違う話なので措いておきますが。

2018-10-07 12:42:05
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

美少女の話をしてるうちにフォロワーが微増したので青臭い自己紹介を書いておきますが、私は古来まことしやかに言われる「Twitterは構造上、議論に不向き」という言説についても「本当にそうか?」と疑念を持っていて、それを確かめるためにも、このような使い方をしている者です。もう11年半近くも。

2018-10-07 12:49:02
海燕 @kaien

で、この物語にジェンダーを巡る葛藤が描写されていないかというと、あきらかにある、と考えます。一面で「メカと美少女」の「男の子のロマン」的な側面があることはたしかですが、一方でそれがいかにいびつな文化であるのかを正面から扱っている作品ということもできる。それがファティマでありGTM。

2018-10-07 12:49:08
海燕 @kaien

限りなく美しく強くかっこいい世界一優れたデザインの「メカ」であり「ロボット」でありながら、戦争と虐殺の道具であり、何百億という人々を殺してしまうゴティックメード。麗しい美少女の姿をもちながら、精神コントロールをほどこされ、「魔性」の存在とみなされるファティマ。

2018-10-07 12:51:33
海燕 @kaien

ここには、「男の子の文化」のいびつさ、狂気を相対化し、批判的に見るまなざしが間違いなくある。もちろん、その一方で「でも、そうはいっても「破裂の人形」は格好良いよね」、「エスト可愛いよね」という視点もともないながら。それがFSSという作品の奥深さだと思う。

2018-10-07 12:54:22
海燕 @kaien

女性に影響を与える「美少女」デザインの危険性という意味では、ファティマのやばさはそこらの萌えキャラの比ではないと思う。ぼくはジョーカー太陽星団には地球より拒食症の女性が多いのではないかと思う。報道などを通してファティマを見てしまうから。でも、だからこそ魅力的でもある。

2018-10-07 12:56:46
海燕 @kaien

ファティマ・エストという「究極の美少女」に魅了されてしまった少年であるヨーンが今後、どのように描かれていくのは注目するべきところだ。通常の少年マンガであればヨーンは最後にはエストを獲得して「一人前の男」になるはずだが、おそらくそうはならないだろう。そこが面白い。

2018-10-07 13:03:40
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)最初に「Twitterは140字でつぶやくツールだ」と言われたら「なるほどそうか」と真に受けて、大半の発言を140字ワンユニットで記述し、自分の日本語文体がどのように変化するかの観察を続けている。Twitterでだらだら書くのが一番効率的に「書きながら考える」をできると思っている。異論は認める。

2018-10-07 13:03:43
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)日本語Twitter黎明期、短すぎる発言の前後の文脈を示すため、連投に番号を振ったり矢印を付けたり、さまざま工夫が凝らされたのだけど、その中で「続)」という記号を最初に使い始めたのは自分だとも記憶しています。違ったらごめんよ。「okadaic、長すぎる」の芸風はその頃から続いているものだ。

2018-10-07 13:03:44
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)かつて文字数無制限のブログでトラックバック飛ばしながらだらだら議論が交わされていた時代よりも、みんな140字ずつしか書けないTwitterのほうが、土俵としてフェアでいい気さえする。今は引用RTやスレッドなど便利機能も増えたしね。でも遡って読まれることは稀なので、同じことを何度でも書く。

2018-10-07 13:03:44
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)「美少女の話」スレッドは我ながら長すぎるけど、一方でよく育ったなとも思っていて、「長いけど全部読んだ」と自分のスレッド立てて感想を語りだす人たちを眺めていると、私は「やっぱり、Twitterでも議論は不可能ではないのでは」とも思うんだよね。タイムラインはカオスでも、頭は整理される。

2018-10-07 13:03:44
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)そりゃ本当は、紙の雑誌に長い論考を載せ、翌月号には別の人が書いた反論が載る、とかが一番いいだろうけど(今時コストかかりすぎではあるが断然読みやすい)、「ディベートは難しいけど、Twitterでだって、独白の応酬としてのディスカッションくらいはできるんじゃないか」と思っているところ。

2018-10-07 13:10:01
海燕 @kaien

『ファイブスター物語』は、決して「だから戦争をしてはいけないのだ」とか、「悪いことをしてはいけません」とはいわない。ただ淡々と戦争と虐殺と差別と悪徳にまみれた人類史を描いていく。まさにそうだからこそ、現実の問題について考えるとき、思考実験として役に立つ。ぼくはそう思う。

2018-10-07 13:11:04
海燕 @kaien

つまりは、これが優れた作品というものなのだ。傑作表現とは正しい思想を教えてくれる「道徳の教科書」ではない。読者自身がその作品を通して何が正しく、何が間違えているかを考えることができるオープンな実験場なのだ。だからこそ「この描写は正しくない」といった理由で作品を弾圧してはならない。

2018-10-07 13:13:53
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)というか「独り言のはずがディスカッションになる」のが、面白いのだ、本当に。一銭にもならないけど。前後の文脈が汲みづらいリプライで質問逆質問を飛ばしあったり、対話を拒んで一言罵倒を投げつけて去ったり、返事の代わりにブロックしたり、というのを見ると「使い方次第なのにな」と思うよ。

2018-10-07 13:14:28
岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続)とはいえ、例の「美少女の話」は我ながら、あまりにも、さすがに長すぎるから、そろそろ閉じたいな、と考えており、しかし、今後もあんなふうに「期せずしてめっちゃ伸びた!」を楽しめたらいいと思う。伸びるといっても、売上でも評価でもなく、ただ単に「書く長さが」なんだけどさ……。終わり。

2018-10-07 13:17:30
海燕 @kaien

ある作品の影響を単純に考えるべきではないということだ。「美少女」が描かれているから女性には悪影響を与えるに違いないとか、「戦争や暴力」が描かれているから男性の攻撃性を増進させるだろうとか、そうシンプルなものではない。すべては「考える材料」としてそこに提示されているのだから。

2018-10-07 13:20:55
たまさか @TamasakaTomozo

「美少女の美術史」という展覧会の存在は知らなかったのですが、そこまで網羅的でなくとも、「少女」概念の歴史をめぐる本を少し読めば、問題は「少女」なるものをいかに男性社会が一方的に客体化してきたかであり、それがどう表象されるかですらないということがわかるんですけどね.....。

2018-10-07 15:27:01
たまさか @TamasakaTomozo

「少女」が過剰に「性的でない」ことを強調されていた時代もあり(そしてそれもまた抑圧なわけで)、だから極端な話、絵が扇情的かどうかだって、本質的な問題ではないのです。twitter.com/TamasakaTomozo…

2018-10-07 15:27:44
(Ǝ)ɐsıɥıɥso⅄ ouɐɓnS @koshian

オタクってめっちゃクィア、というのはそもそもが「少年漫画を読む女と少女漫画を読む男」のカルチャーであることなんだよね。残念ながらこのことはジェンダー研究者の間でも知られてないようで。

2018-10-08 01:43:21
(Ǝ)ɐsıɥıɥso⅄ ouɐɓnS @koshian

70〜80年代のこうしたクィア性の中で育まれたオタクたちが「萌え」という感覚を見出すのが90年代。これは少女的無垢性への憧憬であり、セクシャルな表象に対するある種の嫌悪も含まれていた。そんななかでエロゲブームが巻き起こり、エロゲもエロに主眼を置かなくなって全年齢版やアニメ化へと動く。

2018-10-08 01:49:17
(Ǝ)ɐsıɥıɥso⅄ ouɐɓnS @koshian

そうしたブームの中で数々のクリエイターたちが育まれ、花開いたのが0年代。エロゲを機に奈須きのこ、虚淵玄、いとうのいぢといったビッグネームを筆頭に、数々のクリエイターらがアニメに進出していく。深夜アニメブームに乗って彼らの活躍の場は増えていった。

2018-10-08 01:52:03
(Ǝ)ɐsıɥıɥso⅄ ouɐɓnS @koshian

10年代に入ると彼らの生み出した物語や絵はより多くの人々を魅了していく。児童書や教科書にも採用され、韓国や中国を中心に海外にもファン層が拡大していく。そしてRWBYやアズールレーンを筆頭に海外から「萌え」の返球を大量に受け取ってるのが今という時代なのである。

2018-10-08 01:56:01
(Ǝ)ɐsıɥıɥso⅄ ouɐɓnS @koshian

「萌え」という感覚を見出すことで、オタクたちは自分が求めてたものがエロではなかったことに気づいた。それは少女的無垢性への憧憬であり、無垢な少女への自己同一化であった。しかしながら同時に「萌え」の感覚を見つけていた女性オタクたちはやはりそこにエロではなく「関係性」を求めていた。

2018-10-08 02:02:07
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