迎えに来て、王子様

君にとって欠点でも僕には愛しく思えること
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rin @5ty_r

『俺ずっとかわいそ〜な片想いやで?好きになったやつに彼氏がいるだけでダメージ、別れた隙に漬け込んだのに俺が心に入れた手応えもなく普段通り。おまけにお前一生一人かもー!とかよく言うし。まだ24なのに。そんなん俺が嫁にもらうに決まってるやん』まてまて君は今告白とかの前にプロポーズかい?

2018-08-19 00:24:21
rin @5ty_r

『そういうことやから、俺のこと少しは恋愛対象として見てほしい』大倉は今どんな顔をしてるんだろう。このぶっ飛んだ話のせいで酔いも気持ち悪さもどこかに落としてきた。「私可愛くないよ、顔も性格も」「まあ…もう知ってると思うけど料理が得意なわけでもないし…女としての魅力ゼロに等しい…」

2018-08-19 00:28:15
rin @5ty_r

『料理は俺ができるやん。あとお前顔も性格も可愛いし、俺の好きな子のこと悪くいうやつは本人でも許さへん』なに、これ、相当甘やかされてる気が。『◯◯にとっては欠点でも俺にとっては愛しいポイントやから堂々とそのまま生きててええよ』なんて言われたらまた涙が出てきちゃう。そんなのずるいよ。

2018-08-19 00:31:31
rin @5ty_r

「ばかよし…」『はいはーい』「おかしいよそんなの」『好きなんやから仕方ない』「んー…」『惚れたが負け、やから俺の好意知った上で振り回してくれてええよ。呼ばれたら何時でも行くし』「私そんな女じゃない…」『知ってる(笑)』「……大好き」恥ずかしくて首筋に顔を埋めながら言ってみた

2018-08-19 00:35:17
rin @5ty_r

『え?』ゆっくり歩いてた大倉の足がピタッと止まる。『ほんまに言うてんの?雰囲気に飲まれたらあかんよ?』「うん、元彼にフラれて慰めてくれた日からモヤモヤと戦ってたんだけどね」「さっき気付いちゃった」『…』「なんか言ってよ」

2018-08-19 00:37:27
rin @5ty_r

『ちょっと想定外で処理しきれへん』キャパオーバーや…とか言いながらまた歩き出す。「ねえ、もう酔いさめたから降ろしていいよ、ありがとう」『ほんまに歩ける?』「うん、背中もいいけど横がいい」なんて言ってみたらなんやねん、って言いながら本当にお姫様を扱うみたいにそっと地面に降ろされる

2018-08-19 00:42:12
rin @5ty_r

もうすぐ大通り。混む電車は嫌だからタクシーで帰っちゃおうかなと思ってたら『なあ、ほんまに俺のこと好き?』ってちょっと心配そうに聞いてくる。可愛いな、と思いつつしっかり足を止めて向き合って「すきだよ」って言ってみる。と、目の前の大倉の顔はみるみるフニャッとなった

2018-08-19 00:44:24
rin @5ty_r

『俺も大好き、やから付き合ってもらえませんか?』「よろしくお願いします」私が頭を下げ終わると同時に『よっしゃーーー!!』って両腕あげてガッツポーズしてる。「そんなに嬉しいんだ」『嬉しい!ずっと好きやってん!』「そんな素直に言われると照れるやめて」

2018-08-19 00:46:03
rin @5ty_r

『やめられるわけないやろ?!やっと言いたいだけ好きって言っても抱きしめても許されるんやで?』こんなことをさらっと言ってのけちゃう24歳。私が姫なら大倉は王子様かもね、なんて考えが頭をよぎったからまだよってるのかもしれない。

2018-08-19 00:47:52
rin @5ty_r

もうすぐ大通りに出る、なんだか夢みたいな数十分間だったなあってぼんやり考えてたら急に手を握られる。『なあ、お前のせいで俺今日飲めてないんやけど』「ごめんなさい」『謝るならうちで付き合ってや。おるだけでええから』即家に行くにはどうかとも思う、けど大倉ならまあなんでもいっか。

2018-08-19 00:53:03
rin @5ty_r

『今日せっかくの金曜やし泊まってく?』「エロいこと考えてるでしょ」『全くって言ったら嘘になるなあ』「本当にばかよし」やんややんや言いながらも同じタクシーに乗って、王子様にさらわれていったおはなし。(end)

2018-08-19 00:56:26