三つ編みおさげの筋ロリがでっかい雄に腹ボコォされる話

三十六歳はロリです(ドワーフ基準)
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帽子男 @alkali_acid

角燈におおいをかけて、岩の廃屋の一つに隠れる。 トロルの群だ。ゴブリンも混じっている。 「ギヒヒ」 「ゴフ、ゴフッ」 汚らしい声を上げて、乱れがちな隊伍でどこかへ向かう。大柄な鬼は工具をかついでいる。よりにもよってドワーフの旧領で何か見つけたらしい。かっとなるが抑える。

2018-10-20 21:27:29
帽子男 @alkali_acid

フィーニはむこう気は強いが、ひとりで多数の敵に挑むような阿呆ではない。 ただ静かに後をつける。 大鬼小鬼は都を通り過ぎ、先へ向かう。幾度か見失いそうになりながらもぴったりとはりついて、さらに深みへ。

2018-10-20 21:30:35
帽子男 @alkali_acid

「あいつらも…紫鉄を欲しがってるのかな」 こっそりと囁いて、そばに誰もいないので答えなど待たず孤独な追跡を続ける。 とうとう連中が立ち止まっている。地面に飛び散った古い鉱滓のなごりを調べているようだ。

2018-10-20 21:32:37
帽子男 @alkali_acid

不気味な風が抜き抜ける。地底にも風はあるが、今のは妙に暑い。 ゴブリンとトロルの会話が乗って届く。 「ここ!やつ!いた!」 「うが?」 「やつ!ワザワイ!」 なまりはきつい貿易語なので理解はできる。

2018-10-20 21:34:15
帽子男 @alkali_acid

やっぱり地の底の災いを探っていたのだ。 フィーニが納得してさらに身を乗り出したところで、上から影が飛び掛かって来る。 「ギヒヒヒ!!」 「わあ!!」

2018-10-20 21:35:43
帽子男 @alkali_acid

短剣を持ったゴブリン。刃には剣呑な糞毒が塗ってある。かすり傷でもうければ命がない。だが少女はとっさに手首を掴んで受け止め、指に力をこめた。 「ギヒヒ…ギッ…ウギイイイ!?」 ぼきりと骨が折れる。 「ふんぬうう!!!」 ドワーフの石頭が頭突きを決めると、鉤鼻が折れる。

2018-10-20 21:37:12
帽子男 @alkali_acid

"ギイイイ!!野郎どもぉお!!ドワーフだああ!ドワーフの戦士だああ!!" これは卑ゴブリン語だったのでフィーニには理解できなかったが、とりあえず間合いを取って、鋼槌を構え、勢いよく肋に打ち込む。 「ギャヘッ」 血反吐を吐いて死ぬ小鬼。

2018-10-20 21:38:58
帽子男 @alkali_acid

すぐにほかのゴブリンが走り寄って来る。しかしあまり距離を詰めずに小弓を構え、糞毒つきの矢を次々に放つ。さらにトロルが棍棒だけでなく鉈や鋸といったいやらしい武器を手に押し寄せる。地鳴りのような足音。 「ちっくしょう!」 逃げたいところだが、猿のようにすばやい小鬼が回り込んでくる。

2018-10-20 21:40:42
帽子男 @alkali_acid

「負けるもんか!!あたいは一人前のドワーフだ!」 だが多勢に無勢だ。 「ギヒヒ!あまっちょだ!生かして捕まえろ!おたのしみだ!」 ゴブリンの一匹がわざと通じるよう貿易語で叫ぶ。 「ウガガガ!!」 トロルは聞いていないようすで全力で棍棒を振り下ろしてくる。

2018-10-20 21:42:09
帽子男 @alkali_acid

フィーニは当たればぺしゃんこになりそうな打ち込みを、かいくぐり、敵の膝に得物を叩き込む。またも骨を粉砕し、大鬼は均衡を失って倒れ込む。 「さあ次はどいつだ!」 だが鉈の一撃が背を襲い、少女を這いつくばらせる。鎖帷子のおかげでに肉に食い込むのは避けたが、吐き戻すほどの衝撃。

2018-10-20 21:44:18
帽子男 @alkali_acid

「じぐじょう…」 「ギヒヒ!ギヒヒ!殺すなって!おいら達がさんざん輪姦してから泣き叫ぶところを手足バラバラにして遊ぶんだぞ!たまらねえな!弱いものいじめは」 「うああああ!!」 小鬼が近づいてきて小人の顔面を蹴飛ばす。 「ぎゃんっ」 ドワーフでなければ歯が折れているところだ。

2018-10-20 21:45:43
帽子男 @alkali_acid

「ギヒヒ、おい、近くに仲間がいないか確かめてこい」 ほかのゴブリンが散らばる。頭らしい一匹だけはしゃがみこんでにたつく。 「そうだ。もっといい遊びを思いついたぜ。これから起こることをお前に教えてやる。おいらはな…なんとゴブリンタウンの精鋭、腐肉漁りの鴉の兄弟団だ」 「…?」

2018-10-20 21:47:09
帽子男 @alkali_acid

「知らねえのか!まったく田舎もののドワーフ娘はこれだから…ギヒ、兄弟団のギジャミ様といやあゴブリンタウンじゃ泣く子も黙る大物よ…ギヒヒ…俺達は山の下の王国を滅ぼした地の底の災いとやらを目覚めさせに来た。そいつをお前らの街ドワーブンキープに誘い出してをめちゃくちゃにする」

2018-10-20 21:49:21
帽子男 @alkali_acid

「なんっ…」 「ギヒヒ、なんでかって?そいつは難しいおとなの事情ってやつだ。ごうつくばりのドワーフどもにお灸を据えたいお偉方がいるってことよ。お前等から買った武器や細工の支払いを帳消しにするためなら、おいら達にその千分の一ぐらいは支払ってもいいってご立派な連中がな」

2018-10-20 21:51:04
帽子男 @alkali_acid

短剣をいじりながら、ゴブリンはにたつく。 「お前考えてるだろ。大事な秘密をぺらぺら喋るおいらは馬鹿なんじゃないかってな。ギヒヒ、ゴブリンてのはな強いやつには逆らわないが、弱いやつはどこまでも嬲る。お前が絶対においら達に勝てないって分かってるからこそ、こうやって」

2018-10-20 21:52:25
帽子男 @alkali_acid

「いじめてやるんだよ!!!ギヒヒヒ!!!!」 ギジャミと名乗ったゴブリンはまた爪先のとがった靴でフィーニの横腹を蹴り飛ばし、鎖帷子にあたって痛みに飛び回った。 「やりゃあがったな、あまっちょが!…んっ…?」

2018-10-20 21:54:30
帽子男 @alkali_acid

ゴブリンはさっと振り返った。 小鬼大鬼小人が相争った場所のすぐそばにはまた奈落があり、細長い石の橋がかかっている。同じような場所は王国のあちこちにあるが、ここはひときわ幅が広い谷になっている。そのはるか下方から、赤く細長い舌が伸びている。 いや炎だ。

2018-10-20 21:55:48
帽子男 @alkali_acid

「やべえっ」 腐肉漁りの鴉の兄弟団とやらは、ほかの仲間にはない敏捷さで、即座に周りを見捨てると、脱兎のごとく駆けだした。 だが緋の帯、正確には揺らめく炎はまっすぐに逃げる獲物を追った。 「ギイイイ!!」 短剣を抜いてギジャミは振り返り、疾風の早技で襲う火の舌を切り刻もうとする。

2018-10-20 21:58:01
帽子男 @alkali_acid

並のゴブリンとはかけ離れれた腕前で、エルフの戦士とも対等に渡り合ったかもしれない。後ろで指揮をとっていたので先の戦いでは気づかなかったが、フィーニのドワーフの剛腕があっても、とても勝てなかっただろう手練れだ。 だが炎の鞭は嘲笑うように刃を溶かし、毒を蒸発させて、小鬼を捕えた。

2018-10-20 21:59:36
帽子男 @alkali_acid

ギジャミが、旅の仲間を思いやる魔法使いか何かであればここで 「逃げろ馬鹿ものども!」 と最後の警告を発しただろう。だが単なるゴブリンだったので、肉の焦げる匂いをさせながら、悲鳴を上げ続け、深淵に引き込まれた。

2018-10-20 22:01:27
帽子男 @alkali_acid

トロルの群は武器を捨て、平伏した。ゴブリンも逃げるのは無駄と悟り、同じようにはいつくばる。 鉤爪が石の橋を支える柱を掴み、巨躯を引きずり上げる。 紫の肌、ねじれた角には炎が燃え、分厚い胸板は甲冑のよう。腕には二又に分かれた炎の鞭を携えている。 大悪魔。 グレーターデーモン。

2018-10-20 22:03:51
帽子男 @alkali_acid

かつて山の下の王国を滅ぼした災いだ。巨人をしのぎ竜にも匹敵する脅威。 異世からあらわれ、古き闇に仕えた常命ならざるもの。 「ウガガウグゴガガガア!」 畏怖と感激に囚われたトロルは両腕を差し伸べ渇仰の姿勢をとった。大悪魔は鉤爪の生えた手を伸ばすと、驚くほど優しく醜い頭を撫でてやり、

2018-10-20 22:06:28
帽子男 @alkali_acid

おもむろに胴から首を引っこ抜いた。 噴水のように吹き出す血がほかのトロルやゴブリンを濡らす。 「ギギギギギィイ!!!」 「ウガガガアア!!」 死の恐れが小鬼と大鬼を突き動かし、戦おうとするもの、いまいちど逃れようとするもの、右往左往の混乱をもたらす。

2018-10-20 22:07:37
帽子男 @alkali_acid

グレーターデーモンはまるで、好き放題におやつをつまむ子供のように獲物を掴んでは殺し、しかし一匹たりとも逃さなかった。 フィーニは呆然としてすべてを見守っていた。かたわらには鋼槌が転がっていたが、掴む気力もない。

2018-10-20 22:08:57
帽子男 @alkali_acid

すべてを殺し終えた大悪魔が、のんびり小人の少女に近づく。 またしても血に濡れた鉤爪が伸びて、優しく頭を撫でる。 最善の大鬼が迎えた末路が脳裏をよぎり、気づくとフィーニは失禁していた。 「ああ…あっ…」

2018-10-20 22:10:36