「タワーディフェンス」に隠れている構造とは何か?
タワーディフェンス(TD)が、SLGやRTSのゲームとして、難易度を簡易にできるのは、プレイヤー側のユニットが動かないのだから、自明なことだろう。
2018-11-04 22:43:36だから、家庭用ゲームと違って複雑な操作をしにくいブラゲやソシャゲやスマホゲームに、TDというジャンルは向いている。これはくどく説明しなくても分かるだろう。
2018-11-04 22:46:21そこでもう少し細かく見ると、TDのジャンル内でも違いが見られる。たとえば、敵が移動する際に、決められたルートがあるものとないものだ。ここではルートがあるものについて話す。
2018-11-04 22:48:02なぜなら、ルートがあるということは、敵がどういう風に来るか予想が立つ、ということでもあるからだ。だから試行錯誤を時短できる。またこれによって、初見殺しの理不尽感を避けられる、というメリットもある。
2018-11-04 22:52:10TDではないが、RTSでもルート設置は有効。クリック数を減らせるからだ。たとえば、障害物を避けて曲がる時、マップ上を移動させる際、普通は曲がる数だけクリック数が必要になる。だがルートがあれば、ワンクリックで移動できる。
2018-11-04 22:54:59初代プレイステーション(PS1)の時代のADVゲームには、ウォークスルー型とでも言えるものがあった。『MYST』が元ネタなんだろうけど、移動中はムービーが流れるタイプのADVゲームだ。
2018-11-04 23:03:28たとえば、世界観が作り込まれていた、PS『クーロンズゲート』もウォークスルー。移動する方向を決めることと、会話することがメインのゲームジャンルだ。
2018-11-04 23:06:14このウォークスルー型のADVも、ルートを設置している点で、TDと共通している。もっともこちらは、プレレンダリングムービーを流すことでの、移動中の負荷軽減が目的だろうが、いずれもルート定型化による簡易化。
2018-11-04 23:08:14今の時代たいてい、「ネット(ワーク)」といえば、インターネットのことを示している。しかし、コンピュータのネットワークだけがネットワークではない。
2018-11-04 23:12:21どうしてこんなことを言うかというと、TDが特殊なジャンルで、偶然流行したという考えを持つ人が、潜在的に多いのではないか、と私は推測しているからだ。
2018-11-04 23:15:50つまり、(ルート設置型)TDは、コスパを最適化した局所解だ。誰がやっても、ある程度は必然的にこうなるという、構造上の理由があった。それが進行ルートというネットワーク構造。
2018-11-04 23:19:40「他のゲームがこうだからこう」と、ある種の「お約束」のようなものとして考えていくと、既存の枠組から外れる新しい発想が出てこなくなる。
2018-11-04 23:27:49