「タワーディフェンス」に隠れている構造とは何か?

「タワーディフェンス」をメインに、ゲームに隠れている(あるいは気づかない)構造と、その意味について考察していきます。 それはあまりにもシンプルなことだけれど、意外と意識されていないのではないか、と考えてまとめ記事にしました。
タワーディフェンス ゲーム 創作論 ゲーム論
10
しろうと @sirouto
今日は、「タワーディフェンス」というジャンル全体について、そしてさらに、それを超えた枠組について、お話したいと思います。
しろうと @sirouto
「タワーディフェンス」というジャンルは、それまでの一般的なSLGと比べて、難易度の簡易化、プレイ時間の短縮を可能にしている。
しろうと @sirouto
タワーディフェンス(TD)が、SLGやRTSのゲームとして、難易度を簡易にできるのは、プレイヤー側のユニットが動かないのだから、自明なことだろう。
しろうと @sirouto
TDはふつうリアルタイムに動くので、ターン制よりプレイ時間(とくに体感時間)を短縮できるのも、これまた自明なことだろう。
しろうと @sirouto
だから、家庭用ゲームと違って複雑な操作をしにくいブラゲやソシャゲやスマホゲームに、TDというジャンルは向いている。これはくどく説明しなくても分かるだろう。
しろうと @sirouto
そこでもう少し細かく見ると、TDのジャンル内でも違いが見られる。たとえば、敵が移動する際に、決められたルートがあるものとないものだ。ここではルートがあるものについて話す。
しろうと @sirouto
TDのルート移動も、難易度の簡易化や、プレイ時間の短縮に役立っている、と私は考える。
しろうと @sirouto
なぜなら、ルートがあるということは、敵がどういう風に来るか予想が立つ、ということでもあるからだ。だから試行錯誤を時短できる。またこれによって、初見殺しの理不尽感を避けられる、というメリットもある。
しろうと @sirouto
TDではないが、RTSでもルート設置は有効。クリック数を減らせるからだ。たとえば、障害物を避けて曲がる時、マップ上を移動させる際、普通は曲がる数だけクリック数が必要になる。だがルートがあれば、ワンクリックで移動できる。
しろうと @sirouto
ルートが決まっているから、クリック数が減るというのは、ものすごく単純なことではあるが、シンプルだからこそ強力な仕組みである。
しろうと @sirouto
ところで、この決まったルートというものは、タワーディフェンスだけの仕組みではない。
しろうと @sirouto
初代プレイステーション(PS1)の時代のADVゲームには、ウォークスルー型とでも言えるものがあった。『MYST』が元ネタなんだろうけど、移動中はムービーが流れるタイプのADVゲームだ。
しろうと @sirouto
たとえば、世界観が作り込まれていた、PS『クーロンズゲート』もウォークスルー。移動する方向を決めることと、会話することがメインのゲームジャンルだ。
しろうと @sirouto
このウォークスルー型のADVも、ルートを設置している点で、TDと共通している。もっともこちらは、プレレンダリングムービーを流すことでの、移動中の負荷軽減が目的だろうが、いずれもルート定型化による簡易化。
しろうと @sirouto
ここでTDのルートを一般化すると、「ネットワーク」とか「グラフ」になる。ツイッターがあるインターネットもネットワークだ。
しろうと @sirouto
今の時代たいてい、「ネット(ワーク)」といえば、インターネットのことを示している。しかし、コンピュータのネットワークだけがネットワークではない。
しろうと @sirouto
道路網、鉄道網、郵便網、いずれもネットワークだ。インターネット以前、どころか大昔から、人間の生活にはネットワークが普及している。
しろうと @sirouto
どうしてこんなことを言うかというと、TDが特殊なジャンルで、偶然流行したという考えを持つ人が、潜在的に多いのではないか、と私は推測しているからだ。
しろうと @sirouto
だがそれは違う、と私は思う。ルート設置型TDは、「道を作ると移動しやすい」という、紀元前からの人間の常識に沿っている。
しろうと @sirouto
つまり、(ルート設置型)TDは、コスパを最適化した局所解だ。誰がやっても、ある程度は必然的にこうなるという、構造上の理由があった。それが進行ルートというネットワーク構造。
しろうと @sirouto
ルートがあるTDは、進行ルートがあるから予測しやすいが、もともと人間の世界で大昔から、道路網というのは情報網でもあった。
しろうと @sirouto
どうしてこういうことを言うのかというと、ゲームを既存のゲームの枠内でのみ考える人が、潜在的に多そうだと思うからだ。
しろうと @sirouto
「他のゲームがこうだからこう」と、ある種の「お約束」のようなものとして考えていくと、既存の枠組から外れる新しい発想が出てこなくなる。
しろうと @sirouto
そうではなく現実を出発点にすると、オリジナルで新しいものが出てくる場合がある。
残りを読む(7)

コメント

柏木彰二 @GmailShoji 2018年11月5日
タワーディフェンスと比較するゲームはSLGよりパズルゲームなんじゃないかなぁと思うことがある。
Haruka McMahon @regicat 2018年11月5日
TDのルート論は興味深いなと思ったけど、クーロンズゲートの固定ルートはちょっと違うかなという感想。あれは物語や世界観に寄与することはあっても攻略要素としての「ゲーム性」とは断絶してる気がする。まとめ内でも言及されてる通り、「移動」ではなく「ADVのコマンド選択による切り替え」をムービーで見せて、プレイヤーの脳内で「移動」を体験させる演出。
Haruka McMahon @regicat 2018年11月5日
クーロンズゲートの攻略要素としては固定ルートのJPEGダンジョンよりも鬼律退治をするRTダンジョン(胡同)がメインで担っていて、そこは自由に動けるルート無固定。
Haruka McMahon @regicat 2018年11月5日
映画などでも一つの室内セットで物語が展開する「密室劇」ってあるけどあれを「セットやロケの簡易化」とは呼ばないようにクーロンズゲートのJPEGダンジョンは簡易化ではなく制限によって密度を高める演出の……ああダメだ、ことこの作品の考察になると超面倒くさくなる私。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする