「タワーディフェンス」に隠れている構造とは何か?

「タワーディフェンス」をメインに、ゲームに隠れている(あるいは気づかない)構造と、その意味について考察していきます。 それはあまりにもシンプルなことだけれど、意外と意識されていないのではないか、と考えてまとめ記事にしました。
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しろうと @sirouto

今日は、「タワーディフェンス」というジャンル全体について、そしてさらに、それを超えた枠組について、お話したいと思います。

2018-11-04 22:41:01
しろうと @sirouto

「タワーディフェンス」というジャンルは、それまでの一般的なSLGと比べて、難易度の簡易化、プレイ時間の短縮を可能にしている。

2018-11-04 22:42:09
しろうと @sirouto

タワーディフェンス(TD)が、SLGやRTSのゲームとして、難易度を簡易にできるのは、プレイヤー側のユニットが動かないのだから、自明なことだろう。

2018-11-04 22:43:36
しろうと @sirouto

TDはふつうリアルタイムに動くので、ターン制よりプレイ時間(とくに体感時間)を短縮できるのも、これまた自明なことだろう。

2018-11-04 22:45:07
しろうと @sirouto

だから、家庭用ゲームと違って複雑な操作をしにくいブラゲやソシャゲやスマホゲームに、TDというジャンルは向いている。これはくどく説明しなくても分かるだろう。

2018-11-04 22:46:21
しろうと @sirouto

そこでもう少し細かく見ると、TDのジャンル内でも違いが見られる。たとえば、敵が移動する際に、決められたルートがあるものとないものだ。ここではルートがあるものについて話す。

2018-11-04 22:48:02
しろうと @sirouto

TDのルート移動も、難易度の簡易化や、プレイ時間の短縮に役立っている、と私は考える。

2018-11-04 22:49:29
しろうと @sirouto

なぜなら、ルートがあるということは、敵がどういう風に来るか予想が立つ、ということでもあるからだ。だから試行錯誤を時短できる。またこれによって、初見殺しの理不尽感を避けられる、というメリットもある。

2018-11-04 22:52:10
しろうと @sirouto

TDではないが、RTSでもルート設置は有効。クリック数を減らせるからだ。たとえば、障害物を避けて曲がる時、マップ上を移動させる際、普通は曲がる数だけクリック数が必要になる。だがルートがあれば、ワンクリックで移動できる。

2018-11-04 22:54:59
しろうと @sirouto

ルートが決まっているから、クリック数が減るというのは、ものすごく単純なことではあるが、シンプルだからこそ強力な仕組みである。

2018-11-04 22:58:28
しろうと @sirouto

ところで、この決まったルートというものは、タワーディフェンスだけの仕組みではない。

2018-11-04 23:00:38
しろうと @sirouto

初代プレイステーション(PS1)の時代のADVゲームには、ウォークスルー型とでも言えるものがあった。『MYST』が元ネタなんだろうけど、移動中はムービーが流れるタイプのADVゲームだ。

2018-11-04 23:03:28
しろうと @sirouto

たとえば、世界観が作り込まれていた、PS『クーロンズゲート』もウォークスルー。移動する方向を決めることと、会話することがメインのゲームジャンルだ。

2018-11-04 23:06:14
しろうと @sirouto

このウォークスルー型のADVも、ルートを設置している点で、TDと共通している。もっともこちらは、プレレンダリングムービーを流すことでの、移動中の負荷軽減が目的だろうが、いずれもルート定型化による簡易化。

2018-11-04 23:08:14
しろうと @sirouto

ここでTDのルートを一般化すると、「ネットワーク」とか「グラフ」になる。ツイッターがあるインターネットもネットワークだ。

2018-11-04 23:11:06
しろうと @sirouto

今の時代たいてい、「ネット(ワーク)」といえば、インターネットのことを示している。しかし、コンピュータのネットワークだけがネットワークではない。

2018-11-04 23:12:21
しろうと @sirouto

道路網、鉄道網、郵便網、いずれもネットワークだ。インターネット以前、どころか大昔から、人間の生活にはネットワークが普及している。

2018-11-04 23:13:40
しろうと @sirouto

どうしてこんなことを言うかというと、TDが特殊なジャンルで、偶然流行したという考えを持つ人が、潜在的に多いのではないか、と私は推測しているからだ。

2018-11-04 23:15:50
しろうと @sirouto

だがそれは違う、と私は思う。ルート設置型TDは、「道を作ると移動しやすい」という、紀元前からの人間の常識に沿っている。

2018-11-04 23:17:10
しろうと @sirouto

つまり、(ルート設置型)TDは、コスパを最適化した局所解だ。誰がやっても、ある程度は必然的にこうなるという、構造上の理由があった。それが進行ルートというネットワーク構造。

2018-11-04 23:19:40
しろうと @sirouto

ルートがあるTDは、進行ルートがあるから予測しやすいが、もともと人間の世界で大昔から、道路網というのは情報網でもあった。

2018-11-04 23:22:34
しろうと @sirouto

どうしてこういうことを言うのかというと、ゲームを既存のゲームの枠内でのみ考える人が、潜在的に多そうだと思うからだ。

2018-11-04 23:25:20
しろうと @sirouto

「他のゲームがこうだからこう」と、ある種の「お約束」のようなものとして考えていくと、既存の枠組から外れる新しい発想が出てこなくなる。

2018-11-04 23:27:49
しろうと @sirouto

そうではなく現実を出発点にすると、オリジナルで新しいものが出てくる場合がある。

2018-11-04 23:31:05