丹生谷貴志ツイートまとめ(2018年11月)

丹生谷貴志さんの2018年11月のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

お礼。木下暢也さんの詩集『亡失について』が届いていた。感謝。詩には頭が閉じてしまうたちなので、特にこのような、今、先ほど、不意に風で何かが少し動いた、という感覚の詩、すぐに、の感想が言えなくて申し訳なく。ともかく、感謝です。

2018-11-11 12:03:11
nibuya @cbfn

初歩。「名づけ得ぬもの」という言明は言うまでもなく完全な罠であって、それは「名づけ得ぬもの」という「名」を持った概念を構成する。真に「名づけ得ぬもの」に「達する」ためにはだから、無際限に名を与え続けること、「名」を無際限に後退(増殖)する運動と化す以外にない。最良の時の「神学」?

2018-11-11 22:11:28
nibuya @cbfn

余談。「あなたは作品そのものを見ようとしない」と迫った丸谷才一に中村光夫は「日本近現代文学に作品として評すべきものが何篇あると言うのか?」と問い返している。この一種あっけらかん(?)とした「啖呵」はしかし、重要な、語源通りの意味での「ダイエット」だ。「作品」など問題ではない・・・

2018-11-11 22:26:46
nibuya @cbfn

・・「作品」はワーク、ウーヴル等々の訳語だとして、それら原語は動詞であって「モノ」の意ではない。「テクスト」にしてもそれは織られ絡み揺れ融け結ぼられ続ける「揺動するもの」の意であるだろう。「作品」という邦訳名詞が作られたことに例えば石川淳は「迷惑なことだ」と吐いて捨てている・・・

2018-11-11 22:58:29
nibuya @cbfn

・・「作品」はワーク、ウーヴル等々の訳語だとして、それら原語は動詞であって「モノ」の意ではない。「テクスト」にしてもそれは織られ絡み揺れ融け結ぼられ続ける「揺動するもの」の意であるだろう。「作品」という邦訳名詞が作られたことに例えば石川淳は「迷惑なことだ」と吐いて捨てている・・・

2018-11-11 22:58:29
nibuya @cbfn

青臭い余談。時折、巨大な引きこもり集団である叡山や高野山や永平寺や臨済やetc.は今何やってんだろうかと不意に思う。明治150年、よくもまあ黙り続けて来たものだと、無論、そんなはずはないとは思う。せめてこの150年「そこで」何があったのかまとめた本が、泰淳さん風以外に読みたいと思う・・・。

2018-11-12 10:36:32
nibuya @cbfn

青臭い余談。時折、巨大な引きこもり集団である叡山や高野山や永平寺や臨済やetc.は今何やってんだろうかと不意に思う。明治150年、よくもまあ黙り続けて来たものだと、無論、そんなはずはないとは思う。せめてこの150年「そこで」何があったのかまとめた本が、泰淳さん風以外に読みたいと思う・・・。

2018-11-12 10:36:32
nibuya @cbfn

余談。西欧中世宇宙像で「天使界」と名づけられた「縁」はオリジナルの古代宇宙像では「アストラル界」と呼ばれ当然のことながら古代はその背後に如何なるものの存在も認めなかった。そのことを「天使界」に折り畳むと「天使たちは背後の存在=神の存在を知らなかった」という仮説(!)が立てられ得る

2018-11-13 10:18:23
nibuya @cbfn

例えばデリダはカフカの『掟の門』解読で「この説話で門の”向こう”に何があるのかを見ることなく終わるのは門番だけである」と注している。「天使」は神と宇宙=世界=人間との間の「媒介=門番」として現れるが「天使は神の存在を知らないし見もしない」可能性(!)がある訳だ。メシアニズムの鍵?

2018-11-13 10:27:36
nibuya @cbfn

仮説(?)。天使は本質として「無神論的」存在である可能性を持ち、或いは天使は唯物論的存在である。「したがって」天使は我々の存在可能性の縁に属し、「したがって」我々は「存在論的」に天使に「成り得る」。・・・奇妙な「サボタージュ存在」?「彼方へのサボタージュ」の証明/照明?etc.

2018-11-13 11:19:17
nibuya @cbfn

余談。「ネグリは美学的価値概念の中に経済学的価値概念を密輸入している」と絓秀実はネグリのディオニュソス的労働論を批判している。「美学的云々」の語法はともかく、その通りだと思う、一方、ネグリ達の「思考」の基底のさらに底にあると感じるカトリック的なもの?の気配をどう見るかが問題だろう

2018-11-13 14:39:06
nibuya @cbfn

今更。「世界はゲームだが各自が一回しかプレー出来ないという点にそのアイロニーがある」といった類の重々しい(?)言明を見ると、要は浮世思想が日本的心性の基底と感じ「戯れせんとや生まれけん」とか到るところに、さしあたりは枯れた調子ではなくエネルギッシュな風態で描かれる光景を想像し・・

2018-11-14 11:21:19
nibuya @cbfn

余談。例えばアフリカ部族の祭具的仮面は欧語でFeticheと呼ばれるが、多くの部族において仮面は祭祀の中において「のみ」聖性を帯び他の時はフェティッシュであることをやて単なる木屑に過ぎぬものに還る。屑に帰ることのない物象化=フェティシズムはむしろ「近代人」において生じた倒錯である。

2018-11-14 18:07:18
nibuya @cbfn

余談。柄谷行人の言うように「風景を発見した」ことに近代文学の誕生があるとして、それは固有性を脱色された風景を「新たに固有化しようとする」不可能性においてなのか? むしろ何如なる「固有性ももたぬ風景」に到ることの不可能性こそが「ネガとして文学を誕生させてしまった」と言い換えるべきか

2018-11-14 18:16:01
nibuya @cbfn

無駄話。フーコーは没後、仏本国では大学研究者に囲い込まれ、或いはその秘書だったエヴァルドが「ネオリベ」推進の保守派に転じるなども重なって衝迫力を失い、その批評性が再活性したのは21世紀、講義『生政治の誕生』が出、「ネオリベ批判」の重要な基礎マニフェストと目されてからだという噂・・・

2018-11-14 23:37:02
nibuya @cbfn

漢詩的歌垣的etc.覆いが蒸発しその荒漠の再掌握のために近代詩・言文一致的散文が作動し「風景が発見される」という運針があったとして、問題は「露呈された荒漠」を何と見たかだ。「真理相」の露呈と見たか「非人間的な相」の露呈と見たか。当然それによって再掌握の動作の内実が全く異なって来る。

2018-11-15 09:45:59
nibuya @cbfn

例えば画家・佐伯祐三の作動=不幸(?)を注視してみること。彼はおそらく「仮面を剥がれた日本の風景の相の露呈」を見出した。しかし彼は遂に「日本で描き続けること」の不能に陥る。二度にわたる渡仏で客死する佐伯はパリの街を描くことに活路を見い出す。一種の借景。荒漠への直面は消える・・・

2018-11-15 10:18:59
nibuya @cbfn

・・・無論、「荒漠」はさしあたり「現実界の逼迫」と言い換えてもいいはずで・・・

2018-11-15 10:42:59
nibuya @cbfn

与太話。80年代、NewPaintingが世界同時的に一挙に開くとされる訳だが芸大の油画の現場では事態は重苦しく、日本でNewの「軽快さ」を伴って現れ得たのがデザイン科の日比野克彦であり少しくだっては日本画科出の村上隆だったことは偶然ではない。無論彼らが油画の格落ち出身という意味では全くない。

2018-11-16 10:06:20
nibuya @cbfn

与太。昔々江藤淳『成熟と喪失』を読んだ時、母的なるものと父的なるものの相即的な喪失が「欠如」として捉えられ、結果過去に向けてか未来に向けてかその”転移的”補填が当然のごとく渇望されるその思考感覚が以前も今も全く理解できない。抽象としてはともあれ、エディプス三角を私は自身に持たない。

2018-11-17 07:07:16
nibuya @cbfn

無論プロットとしては理解でき、例えば絓秀実の分析で日本近代文学がフロイト・ラカン風ジジェク風であれエディプス三角形的な機制で見事に照明されるのに感嘆してしまうが、ふと何か、可愛い熊やらペンギンやら蛙やらのマークをつけて走る大型トラックを見て脱力する時のような後味に襲われもするのだ

2018-11-17 11:16:01
nibuya @cbfn

与太。厳密な歴史学など無視。西欧が史的終末論であることは絶対であり、「東洋」が「歴史の死後」の世界であることは絶対である。前者の暦では19世紀以降世界は終末期に入り死期の臭気が後者の「死後の空気」と似始めて「近代」、今や歴史の臨死の帯を鏡のように挟んで両者は手を差し伸べあっている。

2018-11-17 15:32:22
nibuya @cbfn

・・・無論、鏡を挟んだ手は握手のために伸ばされるわけではなくかといって闘争の「手合わせ」であるはずもない。伸ばされた手は鏡の厚みの中空でぼやけ消えてしまう。その消える辺りに我々は、さしあたりは戸惑いの照れ笑いか忿怒か、もっとも表情もぼやけ消えていて・・etc.

2018-11-17 21:41:08
nibuya @cbfn

今更。届いたハンナ・アーレントの伝記を見ながら・・・現在時点のイスラエルの人口は東京都より少なくほぼ大阪府と同じ、全世界のユダヤ人人口は1500万強で大阪+東京より少ないという統計になんとなく驚いてしまう。それ以前に(?)日本の人口は東西分裂時のローマ帝国より多いはずだと思うと・・

2018-11-18 06:07:23
nibuya @cbfn

与太。「独我論」を無際限に外化してみること。先ほど見た女郎蜘蛛の発生と同時に全宇宙が存在を始めた、今手にした色鉛筆の発生と同時に、ライターの火と同時に、タイヤに飛ばされた砂粒と同時にetc.全宇宙が存在し始めたetc.「真理」は無限に移動可能になる。誰・何にとってのかは不明であるにしても

2018-11-19 08:45:37