丹生谷貴志ツイートまとめ(2012年12月)

丹生谷貴志氏の2012年12月分のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

精神分析”医”は最も自殺の多い職業だと聞いたことがある。彼は他人が喋り続けることを聞き続けるが、彼自身の言葉を聞いてくれる者を持たないからだ、と。それは人間関係においてだけではなく、彼は自身の言葉さえ他人のもののようにしか聞くことが出来ず・・・要は”そこには誰もいないから”である

2012-12-02 12:06:01
nibuya @cbfn

『セバスチャンナイト』邦訳五章の始めに「頬髭を生やした御者と大きな銅貨ともども消え失せる」という一文があり意味が分からないので調べると「大きな銅貨」と訳されたものは英国沼沢地に生息する銅色をした蝶のことだそうで、銅貨ではない。この蝶は十九世紀始めに発見されるとほぼ同時に絶滅する

2012-12-02 19:37:23
nibuya @cbfn

ああ、誤訳を探して喜んでいる訳ではありません。僕もたまたま仏語全集の注で知ったので、大きな辞典にも載っていないので、昆虫学に詳しくなければ思いつかないものでしょう。誤訳もなにもないのです。というか翻訳とう労働の難しさの一例に過ぎません

2012-12-02 19:41:40
nibuya @cbfn

この「Large Copper」の和名は知りません。十九世初頭に英国沼沢地帯で発見され沼沢地が干上がって十九世半ばには絶滅種となったそうです。これが分ると「時代も分らぬ髭面の男やら絶滅した銅色の沼沢の蝶ともども、忘却の中に消えて行く」というニュアンスが加わって来ることになります

2012-12-02 19:49:09
nibuya @cbfn

今日は結局、ナボコフの一節で十九世紀半ばに絶滅した沼沢の蝶(或るいは「蛾」か?)がフッと現れて消えたといことを確認するだけの一日でした。雨が降っているのを今知りました。またもや「雨が降る」。「ウィトゲンシュタインの上には雨は降らない・・・」「ブーヴィルには雨が降るだろう」etc

2012-12-02 20:44:03
nibuya @cbfn

『セバスチャンナイト』五章、「会話はクランペットとパイプの間をもそもそと行き交い、新奇なことは話題にしないのがその暗黙の規範だった」、という一行がそっくり訳されていないのは何故だろう? まあ無くても体勢に変化は無いが英国学生の当時の気風のデッサンであるとすればこの欠落はまずいか?

2012-12-03 01:08:57
nibuya @cbfn

コンピュータのハードディスクから異音?がし始め、そろそろ寿命なのか、気になるところ。一時代前に比すれば壊れなくなったし、画像処理とかする気がなければ五年前のものでも充分使えるにしても、不意にとまったら手も足も出ないのは替わらない・・・と、つまらない感慨

2012-12-06 01:42:10
nibuya @cbfn

ヴァレリーの『地中海の感興』でしたかに、子供の頃ヴァレリーが、海岸で、夕まぐれ、廃船処理の為に燃やされる帆船を見つめる場面があったように記憶します。その美しさにヴァレリーは陶然とする。或は実朝が由比ケ浜に出現させたという伝説の、底のない、忽ちに沈没して行く帆船・・・・

2012-12-06 11:25:08
nibuya @cbfn

実朝の或る歌の下の句「われて 砕けて 裂けて 散るかも」。上の句はなんでしたか。「東海の荒磯の岩に寄する波」だったような気がしますが、ま、記憶違いも歌のうちとしましょう。自分でも知らない理由で子供の時一時鎌倉の浜近くに住んでいた記憶があって、しかし八幡宮の記憶に鹿、奈良と混乱?

2012-12-06 11:33:40
nibuya @cbfn

・・・もっとも、子供の時は、三半規管の軽微の異常で五分も電車に乗れない(めまいと嘔吐で気絶する!)はずですから、奈良みたいな遠方に行ったはずもないので、これ自体、完全な記憶の間違い、或は幻想に過ぎない筈です。ということは、鎌倉にいたということも幻想の可能性があります

2012-12-06 11:43:46
nibuya @cbfn

僕は昔の写真のようなものを持ちませんし、周囲に自分の子供時代を証言するような者も一切持ちませんので、結果として、「昔のこと」の大方が幻想だったのかほんとうだったのか確認する手だてを持ちません。最後には全ては幻想だったという気分になるかもしれません。おお、何とも「文学的な」・・・

2012-12-06 11:47:49
nibuya @cbfn

今現在においても僕は、記憶と幻想と現実の区別があまり出来ない体質!なので、或はサイバー・パンク以降のSFが僕には「センス・オブ・ワンダー」に結びつかず、結果面白いと思えないのはそのせいかもしれません

2012-12-06 11:52:19
nibuya @cbfn

という訳で、例えば円城塔さんや三浦俊彦さん等々の小説は僕には「周知のことのリアリズム小説」なので、つまり徳田秋声やらを読むのと同じ位相の小説となります。藤枝静男さんなどは僕には「小説の絵解き」のようなものに見えることにもなる。

2012-12-06 12:00:31
nibuya @cbfn

アプトンのゴリウォグ・シリーズはちび黒サンボと同じく黒人蔑視要因ということも含めて今は普通には流通していないようです。私家版めいた英文のペーパーバックが手に入りますが素人がやったのか不思議なくらいタイプミスが多い。因に邦訳のある『二つのオランダ人形』ちょっと翻訳に疑問・・残念です

2012-12-06 21:49:53
nibuya @cbfn

・・・ああ、また誤訳指摘になってしまいました。本意じゃないのですが。アプトンの誤訳に関しては、僕の持っている原書そのものが信用出来ないので留保します。

2012-12-06 21:52:48
nibuya @cbfn

アプトンに関しては今さら少し調べてます。画家としてそれこそ「閨秀」と言ってよい経歴の人だったようで、油彩画の図版を見る限り、古風でオーソドックスですがちょっと凄みもある絵描きのようで、『ブレーチェ』と読むのでしょうか、私蔵の少女の肖像画の目つきは少したじろぐほど不気味です

2012-12-06 23:02:38
nibuya @cbfn

『オランダ人形』がドビュッシーの「子供の情景」に影響(?)を与えたことは有名のようですが、この人形、特に主人公と言っていいペギーにはフェリーニの『カサノヴァ』の機械人形、特にラストの踊る姿を連想させるものがあります。関係があるのか無いのかは知りませんが。

2012-12-06 23:18:12
nibuya @cbfn

・・・因みにペギーは星条旗で作ったワンピースを着ています・・・

2012-12-06 23:18:26
nibuya @cbfn

「「おバカなファリーニャが大怪我しただけでこの世の縁からひょっこり帰って来たら、ここでアタシたちが終わりの話ばかりしてるのがバカみたいだったってことになるわね」と彼女は笑いながら言った」・・・ファリーニャ事故死の夜、安否を訪ねた一夜を語ったピンチョンの文章の一節・・・

2012-12-06 23:55:41
nibuya @cbfn

「完璧に調律された200本のカズーで演奏されたハレルヤ・コーラスみたいだ」・・・ピンチョンがファリーニャ唯一の小説『オレにとっちゃ堕ち続けることは空に舞い上がるのと同じこと』?に寄せた文章の一節。

2012-12-07 00:28:24
nibuya @cbfn

リチャードとミミのファーリニャ夫妻、姉ジョーン・バエズ、ディランの「時代」を書いたデヴィッド・ハジューの『四番街はいい感じ』?・・・届いただけで無論未だ読んでません。因に原題を上げておきます(Davd.Hajdu."Positively 4th Street")。

2012-12-07 00:38:17
nibuya @cbfn

ここ数日原稿仕事で今日はついに徹夜でした。って、長いのを書いたのではなくて文字数たったの900文字! だから余計書けない。この字数でニ段組み400ページの本の書評を書けというのがどだい異常でしょう。

2012-12-10 09:58:25
nibuya @cbfn

ああ、だいぶ前に書いたナボコフの蝶、「large copper」、未だ和名は分りませんが、copperというのは蝶学では「青い蝶」なんだそうで、ようはナボコフが一番愛した蝶の色ですね。蝶に詳しい方からは愚かしい確認でしょうがお許しを。

2012-12-10 10:02:47
nibuya @cbfn

ああ、書評の本は映画関係、まあ大変な力作。突っ込みどころも満載なんですが、それは今回は触れず。しかし、ポランスキーが、奥さんのテートが殺された時、犯人の心当たりとしてコシンスキを想起していたのは初めて知りました。有名な話のようですね。ああ西さんの訳がある『ペインティッド・バード』

2012-12-10 10:08:13
nibuya @cbfn

コシンスキは早熟の秀才だったのは本当・・・と言うか最後はこの経歴も疑わしいと言われ、まあ傑作とされる『ペインティッド・バード』も他人の作品だって噂もある。まあ、ポランスキーもそうだけれどポーランドのユダヤ系、ひどい少年時代だったのはたしかでしょう。アメリカで自殺してますね

2012-12-10 10:11:17
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