常世神とエタニティラルバ

常世神に関する一連の物語について考えたり調べたことのまとめ。
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銅折葉 @domioriha

ついでに、鱗粉は剥がれやすい死んだ鱗の組織というもので、蝶などはこれを持つことから捕食者に捕まりにくいという特色を持ち、蜘蛛の巣などから抜け出しやすいという研究がある。ついでに揚力も増えるみたい。 en.wikipedia.org/wiki/Scale_(in…

2018-11-27 22:12:40
銅折葉 @domioriha

鱗粉を撒き散らして攻撃するのはたぶんモスラの影響だと思うけど、本来積極的に自分から撒いていくものではない一方、失われても命に害は無いものだとすると、ラルバのあの羽根の鱗粉は、チャージした弾幕の残弾といってもいいのかもしれない。

2018-11-27 22:13:37
銅折葉 @domioriha

「伊豆国田方郡棄妾郷埼里戸主大生部祢麻呂」 「伊豆国田方郡棄妾郷埼里大生部安麻呂」 「伊豆国田方郡棄妾郷瀬前里大生部古麻呂」 「伊豆国田方郡棄妾郷許保里戸主大生部真高」 など、大生部氏の名前を記した715年の木簡が出土していた話。沼津の西浦木負などではないか。 ilha-formosa.org/?p=34383

2018-11-27 22:20:30
銅折葉 @domioriha

そうだ思い出した、蚕から少子部の関連性を見たときに現れるスガルの「雷神をとらえた」説話とくわばわくわばらの雷除けのまじない、揃って入鹿の雷との関連性は考えておきたいやつだ。

2018-11-27 22:38:05
銅折葉 @domioriha

CiNii 論文 -  皇極紀にみえる常世神事件の再検討 ci.nii.ac.jp/naid/400200415… #CiNii 常世神関係で気になっていたこちらを手に入れたので読了。

2019-01-29 20:21:49
銅折葉 @domioriha

これまでに読んだ論文や資料の再確認の面もあり、一方で新しい説の紹介もあった。割と面白かったのが2点ほどあって、一つは常世神信仰が広まったのは富士川周辺ではなく、当時の都の近辺(要するに大和地域・奈良県)ではなかっただろうかという説。

2019-01-29 20:23:40
銅折葉 @domioriha

「東国富士川の人、大生部多」と始まっていることで誤解されがちだが、これはあくまで大生部多の本貫地が富士川周辺というだけで、常世神信仰が起きた場所までもが富士川だと示しているわけではない。「都の人も鄙(田舎)の人も常世虫を取り清座に置いて」とあり、都でも信仰は広まったのではという。

2019-01-29 20:29:47
銅折葉 @domioriha

続日本紀などのなかにある大生部直三穂麻呂らの名前に「直」が含まれることか大生部多もまた国造のような地方権力者だったと見る向きがあること、沼津などから大生部の名前を記した木簡は出土していることなどはあるものの、確かにそれらは常世神信仰の場所を直接示してはいない。

2019-01-29 20:31:24
銅折葉 @domioriha

さらに常世神事件の節では、巫覡が「これは常世の国の神です。この神を祀るものは富と長寿を得る」 と言って神のお告げを伝えたので人々がこれを信じて正しくない教えが広まった、という経緯が説明されているわけですが、この巫覡が言葉を伝えるというのはここだけではないことも指摘している。

2019-01-29 20:35:09
銅折葉 @domioriha

常世神事件を記した皇極3年7月の一つ前の6月に、国内の巫覡たちが蘇我氏の時流が変わりつつある預言をしたという話があります。シャーマンが時流の変わり目を告げる話は何度も出てくるので、常世神事件もここと繋げて乙巳の変での蘇我氏の行く先を暗示すると読むべきというのは知ってましたが、

2019-01-29 20:38:46
銅折葉 @domioriha

本論文ではこの二つの出来事を地理的にも近いものだと読むのが妥当ではないかという論旨でした。蘇我氏に対して不安を示すような神のお告げを告げた巫覡たちと、常世神を祀った巫覡たちとを繋げて考えるなら、常世神もまた大和のみやこ近辺で広まったものなのでは、という。

2019-01-29 20:41:13
銅折葉 @domioriha

そうして読むことで、常世神事件にある「巫覡等、遂に詐きて神語に託せて曰く」の「遂に」の意味が繋がるのではないか。蘇我氏に対して不穏なことを言っていた巫覡たちが、遂に蘇我氏の広める仏教に対立する新しい神の信仰があるのだと言ってその神祇を広めだしたという説でした。

2019-01-29 20:44:05
銅折葉 @domioriha

確かに老齢の河勝がはるばる富士川まで旅をしていったのはちょっと考えづらい面もあり、いくら現体制を揺るがすものとは言え、大和から離れた場所での信仰を、突然そこまで問題視しなければならなかったのかというのも思うところがあったので、都の近くでも影響があったとするほうが自然には思えます。

2019-01-29 20:46:26
銅折葉 @domioriha

もう一点は、河勝が常世神討伐に派遣されれた背景として、蘇我本宗家と石川麻呂の分家の対立があったのではないかということ。乙巳の変で滅ぼされる蝦夷&入鹿の本宗家と、石川麻呂とは舒明天皇即位や上宮王家滅亡の本宗家の動きに関して態度を保留していた。

2019-01-29 20:51:10
銅折葉 @domioriha

秦氏が「大蔵」の職掌にあったこと、石川麻呂が「蘇我倉」の名前で兄弟ともども国の「蔵」の管理に関わっていたことなどから、乙巳の変で中間官僚だった鎌足らと近付きクデーター側となった石川麻呂が、上宮王家との近しさから蘇我本宗家への対立を深めていた河勝と共同したことなどを述べている。

2019-01-29 20:54:39
銅折葉 @domioriha

ただ、こちらについては石川麻呂と秦氏の関係性は分からなくもないが、大生部多らの常世神信仰を「自ら進んで」討伐に向かった河勝の行動とあまり噛み合っていないような節はある。蘇我本宗家の支配を脅かす新興宗教を、反蘇我勢力(とまで言えるか微妙だが)の河勝が討伐する理由としては弱いような。

2019-01-29 20:57:09
銅折葉 @domioriha

よく常世神は養蚕を脅かす存在だったので既得権益を持つ秦氏の河勝がそれを討伐したと語られるのですが、秦氏が(少なくとも常世神の時期に)養蚕などに関わっていたというのは誤りらしく(秦氏の研究)、本論では「大蔵」の管理者として絹糸などを徴収する権威が失われることが理由ではないかとも。

2019-01-29 21:01:19
銅折葉 @domioriha

常世神の信仰が広まった地域が富士川ではなく(むろん本拠である富士川にも信仰はあったとは思いますが)、大生部(=壬生部、乳部)として上宮王家の皇子育成にも携わっていた大生部多が、大和の都周辺にもこれをもたらしていたというのは、この新興宗教の脅威感がより実感できる論説かなと感じます。

2019-01-29 21:03:57
銅折葉 @domioriha

常世神事件の前年11月、上宮王家が攻め滅ぼされる時に、三輪文屋君が「深草屯倉(山城国深草郷=京都市伏見区)に向かって、馬に乗って東国に至って、乳部を本にして、師を起こして、帰ってきて戦いましょう、必ず勝ちます」と進言するのに山背大兄王はこれを断る話がありますが、

2019-01-29 21:10:54
銅折葉 @domioriha

これも三輪文屋君が頼みにする東国の乳部がすでに上宮王家のバックアップとして役に立たない状態であった(=常世神信仰に支配されている)ことを示してるのではないかと考えいまして。 常世神信仰はシンプルに蘇我本宗家の敵対勢力だから上宮王家の味方になるというわけではないというのが言いたい。

2019-01-29 21:14:26
銅折葉 @domioriha

大蔵の立場である河勝が、自分の職掌や権利を脅かすものであると感じていた常世神。これは既存の価値観を捨てさせて土地を荒廃させ大きく世を乱したとあるわけで、蘇我氏にだけではなくて、既存の支配体制全体に害を及ぼすものであったのではないか。

2019-01-29 21:16:53
銅折葉 @domioriha

株式会社誠文堂新光社 / BIOSTORY Vol.20 seibundo-shinkosha.net/products/detai… 【特集】「神様になった生き物たち」で常世神の記事があったので入手して読了した。掲載誌と「常世蟲はいなかった?」のタイトルどおり、虫の生態から常世神の記述について検討したもの。

2019-02-24 17:14:49
銅折葉 @domioriha

虫の生態に踏み込んでの常世神の検討は「古代の虫まつり」が行っていて、本記事もそれを受けてのものになる。古代の虫祭りでは虫の生態や常世神の描写からクスサン、フウサンなどの野蚕が正体であり、そこからもたらされる天蚕糸が「新たな富」ではないかという推測をしているのだが

2019-02-24 17:16:47
銅折葉 @domioriha

本記事では改めて常世神の食性を調べて、「主に橘、たまに曼椒(イヌサンショウと推定)につく」という生態を満たすことは難しく、またこの常世神の外見に関する描写が記事の一番最後に書かれていることの不自然さを指摘し、これらの外見描写は記事にあとから差し込まれた推測ではないかとしている。

2019-02-24 17:20:26
銅折葉 @domioriha

野蚕から十分な糸を採ることはとても難しく、産業としては成立しないと思われることを考え合わせ、本記事では大生部多が掲げた新しい神とは蚕そのものであり、新しい画期的な蚕の飼育&絹の生産法だったのではないか、ゆえに河勝が秦氏の既得権益のために動いたのではと結論している。

2019-02-24 17:22:22
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