吉行淳之介「窓の中」から読む上昇婚、ジェンダーロール、オタクの執着について

まぐにゃ @magu_magu_nya

前提として身体を見せびらかす前に三千子は中年男とセツクスを経験してゐる。。。。。。。当時の言ひ方なら「婚前交渉」があつたのはほぼ間違ひがない。。。。。。。。。。其の上での動機になるのでつるが。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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1、セツクスを経験して、中年男へ身体を見せびらかすことに慣れ、其の「肥り肉」（デブと言ふ訳ではなくむつちり系でせうな）の身体が彼女にとつてフアルスとなつたのだと言ふ説。。。。。。。其れ丈で金と楽な生活を手に入れた訳でつるから相当の自信を与へた。。。。。。。。。。。。

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２、或いはさうでは無い説。。。。。。。彼女の悪魔が出てくると云ふ恐れを性への恐れを含んだものと解釈すれば、セツクスを凄くおぞましいものであるかのやうに捉へてゐた。。。。。ところが実際に経験してみると大したものではなくて、「何だ、コンナものか」となつた。。。。。。。。

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其所でソンナ恐れ等笑ひ飛ばせるやうになり、もつと現実的な金銭の話を語り出すやうになつた。。。。。。此の後は妊娠、出産、子供の学校入学、良いところへの就職、より堅実な路線を歩むことになるのかも知れぬ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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１を強調していくと、三千子はフアム・フアタールになるでせう。。。。。。。。２なら平凡な人生。。。。。。併し二者択一ではなくて、両者の複合である可能性も高い。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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常識的に考へれば、夫の中年男は三千子に裸体を見せびらかさせるのを喜ぶ筈がない。。。。。。。。とすると、此れは三千子の自由意志である可能性が非常に高い。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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どちらにしても道夫は蚊帳の外であることは言ふまでもない。。。。。。三千子にとつて道夫は「まなざし」を実証する道具にしか過ぎないでせう。。。。。。。。。何れにしても三千子は他者からまなざゝれても動じない、寧ろ其れが強さになつてゐる。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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ま、幾ら説明しても此れは単なる小説、お話なんでつるけども、此の小説は上昇婚絶対の世界に於ける恐らく作者も意識してゐない窮屈さを描きつゝ、「まなざし」を受けても猶動じない女性を描いてゐる。。。。。。其れを単に中年男の男性思考をインプツトされたと解釈は出来ない。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

先づ初読時、此れただの男性視点のエロ小説だろ、みたいにしか思つてゐなかつたのでつるが、かう細かく解釈して行けばさうではないことが分かつてくる。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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よく言はれる「女性は現実的」と言ふ時としてホモソシアル空間でも共有されるジエンダーロールが何故生起するかと言ふあたりの考察になると思ふんでつるよな。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

ネトフエミの人が読めば三千子は「単純に中年男から、性の手ほどきをされてエロくなつたと言ふ男思考丸見えのクソ小説だろ」となるのかも知れぬ。。。。。。わたくしも別に傑作とは言はない。。。。。。併し其れは正しくない。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

逆に言ふと此の小説で三千子を変えたのはオタク少年の城への執着が主で、其れは世間で言はれる性的なものとは遠い。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。道夫や中年男は単なる媒介に留まつてゐるのでは。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

三千子が話す「悪魔」と言ふのは将来への不安、弟に対する心配、金銭面での絶望、今後出会ふ男性への恐怖、性的な行為への不安など様々なものが綯ひ交ぜになつてゐる複合的な感情と解釈するのが妥当かも知れぬ。。。。。併し彼女は「悪魔」と会ひ、其れが大した物ではないと気付いたのでつな。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

此処こそ本当の意味で女性的でちよつとエロいと思つてしまふ。。。。。。。裸体などは実はエロでは大した物ではないんでつるな。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

後、これははつきりとはしないでつが元父子家庭なので三代子はフアザコンだつたと解釈も出来まつるなあ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。さうすると、出会つた中年男が彼女の嗜好にあつてゐたと言ふ可能性もありえる。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

よく考へれば上野千鶴子さんあたりが吉行をミソジニーと論じてからさう言ふ傾向が強くなつたんでつるなあ。。。。。。。。併しさう言ふミソジニー読みをするフエミニストの力が以前よりも強くはなくなつた現在ならばミソジニー作家を取り上げ、論じ直すのは重要なんでつるよお。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

実際問題、吉行が描き出した上昇婚の問題は今現在のネツト論壇でも語られるものである。。。。。。。。さう考へると過去の幻想ではなく、今未だ我々を支配する幻想が小説として描かれてゐるとも考へられるのでつるな。。。。。。。まあ全てはフアンタジーでつるけれども。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

ミソジニーを指摘すること自体は別にソンナな大したものではない。。。。。。。そろそろ吉行淳之介を「女の通」作家だとか、其の逆の「女嫌ひ」作家だと言ふレツテルから解放するべきではないかと思ふ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

此処が上野さん発言が結構纏まって引用されてゐる。。。。。。。。。。。。。。まあ評論と言ふより個人的に吉行の名前を出して女の通とか読んでゐるやうな男共に辟易したのでせうがなあ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 blog.livedoor.jp/maturika3691/a…

まぐにゃ @magu_magu_nya

上野さん発言を読んでも、よく分からないのがぢやあ、なんで吉行淳之介は「女に好かれたか」と言ふところなんでつるよな。。。。。。。彼をリスペクトする女性が少なからずゐたはず。。。。。其れは果たして男性思考に操られてゐたからなのか。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

操られてゐた、と言つてしまへば其の方は、セクハラ親父達と同じ穴のムジナになつてしまふでせうな。。。。。。。。。。セクハラ親父がセクハラ親父と言ふ地位に胡座を掻いてゐる如く、女と言ふ地位に胡座を掻いてゐる。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

吉行淳之介はある種の抑圧的な時代の抑圧的な環境下にある女性を捉へてはゐたと思ふんでつるよね。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

此処での吉行淳之介をアニメ・漫画に変へてもいゝし、同時に吉行淳之介を読むセクハラ親父をオタクに変へてもいゝ。。。。。敵がセクハラ親父からオタクに変はりつつある。。。。。。。まあ今は其れが社会風潮でせう。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

「窓の中」で三千子は「悪魔」と言ふ「フアンタジー」から「お金」と言ふ「現実」へ移行して行きまつるが何度も言つたやうに併し両者は、はつきり分かたれるものではない。。。。。さう言ふ二面性をもつた存在として女性を描いたので、其所に引つかゝる人がゐたのかも知れない。。。。。

まぐにゃ @magu_magu_nya

「実際の女の快楽はこんなに便利な(つまり男に好つごうな)ものではない」みたいに上野さんはおつしやられまつるけども、事実窓の中の三千子は複合的な快楽をもつてをり、しかも恐怖を感じてゐる。。。。。。。。。。。。。。。。。。。