尾上先生の勉強風景 (12) ラランド『ダーウィンの未完成交響曲』

ララランドではないそうです。
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尾上正人 @9w9w9w92

現生人類の脳の増大に関わるある遺伝子変化は古く、ネアンデルタール人や他の絶滅したヒト亜科も共有している。p.226.

2019-01-28 02:53:58
尾上正人 @9w9w9w92

ヒトの液胞タンパク質遺伝子群(ハウスキーピング遺伝子の一種)は、細胞に徐々に蓄積される毒物を取り除くことに関わるが、ネズミなどではそれほど重要でなく、ヒトの寿命の長さは、文化的過程により毒物が蓄積してこれらの遺伝子の重要性が増したことと関係がありそう。pp.227-8.

2019-01-28 03:03:07
尾上正人 @9w9w9w92

夫方居住(嫁入り)か妻方居住(婿入り)かという文化的違いが遺伝子構成を変えている事例…ミトコンドリアDNAに関してイラン南部のギラキとマザンダラニ、Y染色体に関してポリネシアの例。p.228. これもおもろそう!!

2019-01-28 03:09:02
尾上正人 @9w9w9w92

南米アメリンディアンの近縁集団シャヴァンテとカヤポは社会システムと文化の違いにより、生物学的な進化速度も異なっている。p.228. カヤポはナショジオに登場 natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20…

2019-01-28 03:15:39
尾上正人 @9w9w9w92

現代社会でもヒトの進化(自然淘汰)は続いている…閉経の遅延など。途上国では死亡率(特に乳幼児)の多様性が淘汰圧になっているが、先進国では妊孕力の多様性が淘汰圧に。pp.228-9.

2019-01-28 03:20:55
尾上正人 @9w9w9w92

「[E. O.]ウィルソンが強調し損なったのは、遺伝子ー文化の引き綱(leash)は双方向に引かれているということだ。ヒトの行動・文化・技術はある程度まで遺伝子により形成されるが、ヒトゲノムの建築物も同じように我々の文化により根本的に形作られてきたのだ」p.229.

2019-01-28 03:29:23
尾上正人 @9w9w9w92

「我々は我々のニッチを構築する。全ての有機体はニッチ構築に従事するが、我々の種の環境を制御・規制・変換する能力は特異に強力であり、それは主に我々の文化の異常な能力に帰せられる」230 共進化説とニッチ構築論を一緒にしてええのかなあ…逆に見ればニッチ構築論は生物一般の構築力を過大評価

2019-01-28 03:35:43
尾上正人 @9w9w9w92

「共進化ダイナミクスにおいては、文化過程はそれ自身が生み出す淘汰の上にヒッチハイクすることで急速に広がり得る。文化に最も頼るヒトが、ニッチ構築の最も大きな潜在力を持つのは偶然ではないだろう。自己媒介的ランナウェイ効果は、我々の系統で遥かに強力なニッチ構築に火を点けただろう」p.230.

2019-01-28 03:43:26
尾上正人 @9w9w9w92

動物界でも起きている遺伝子ー文化共進化…イルカ・カレドニアガラスの食餌行動、マッコウクジラ・シャチの文化的多様化。p.230.

2019-01-28 04:02:45
尾上正人 @9w9w9w92

「我々自身の種では、遺伝子ー文化共進化は進化の主要形態ですらあるかもしれない。…淘汰圧を修正し、淘汰の強さを増すことによって、文化過程は進化をスピードアップすることができる」pp.230-1.

2019-01-28 04:06:05
尾上正人 @9w9w9w92

進化心理学批判…「現代のヒトは[更新世に適応した]生物学に根本的に合わない環境条件を作り出してしまったということになる。…ヒトは、ランダムないしデタラメに環境を修正するのではない。むしろヒトは…進化適応度を広く強化するように、構造を作り他の世界にインパクトを及ぼしたのだ」p.231.

2019-01-28 04:18:05
Masato ONOUE @9w9w9w9

共進化説や、特にニッチ構築論はどうしても、(環境との)予定調和的世界観に陥りやすいようにも思えるなあ…パレオファンタジーのごとき進化心理学の亜流への批判力は優れているとしても twitter.com/9w9w9w92/statu…

2019-01-28 04:21:08
尾上正人 @9w9w9w92

進化心理学批判(承前)「ニッチ構築は適応度に様々な意図せざるネガティブな効果を及ぼすが、にもかかわらず通常、少なくとも短期的には構築者の適応度を増加させるだろう。…我々もまた我々自身に合うよう世界を構築し、行動を概ね適応的に留める」232 進化心理学も短期的な適応は否定してないだろ

2019-01-28 04:27:53
尾上正人 @9w9w9w92

我々が経験してきた3つの適応進化の時代ーー ①生物学的進化が支配的な時代 ②遺伝子ー文化共進化が現れた時代 ③文化的進化が支配的な時代。p.234. ③まで言い切っちゃってええのかなあ

2019-01-28 04:45:16
尾上正人 @9w9w9w92

「狩猟採集者は、彼らの文化進化の率をひどく制限する悪循環にまんまとはまってしまう」p.240.

2019-01-28 14:42:30
尾上正人 @9w9w9w92

「家畜化と農耕の起源の外的な『第1動因』を探す代わりに(あるいはそれに加えて)、研究者は、ヒトと飼いならされた動植物の間の共進化的相互作用や、さらにそれらを支える文化的ニッチ構築に、より大きな注意を向けるように忠告され得るのではなかろうか」p.242. 梅棹忠夫の牧畜論はまさにこれよな

2019-01-28 15:29:34
尾上正人 @9w9w9w92

「農耕の起源を理解するには、我々は、動植物を飼いならすことが経済的であるようなニッチをヒトがいかに構築したのかを考える必要がある」p.243. 完全にニッチ構築論の本になっちゃった(笑)

2019-01-28 15:34:51
尾上正人 @9w9w9w92

「実際には、動植物の最初の飼いならしは通常、十全なる農耕の出現よりもかなり先行して起きており、このことから、ヒトの社会がほぼ完全に飼いならされた動植物に頼っていたと見なすことができる。世界のいくつかの地域では、最初の飼いならしと農耕は時間にして数千年も離れていた」p.244.

2019-01-28 15:48:21
尾上正人 @9w9w9w92

農耕社会がネガティブな帰結(栄養不足、疫病等)にもかかわらず支配的になった理由 ①自然淘汰…出産間隔を狭め、繁殖力で狩猟採集社会を凌駕 ②技術革新…農耕を「キー・イノベーション」として農具など次々と革新を創出。pp.247-55.

2019-01-28 17:16:18
尾上正人 @9w9w9w92

個体群が大きくなるほど、進化において遺伝的浮動よりも自然淘汰の果たす役割が大きくなるが、「同じことが文化進化にも言えて、人口規模が大きくなるほど淘汰過程がますます重要になった」p.259.

2019-01-28 17:18:42
尾上正人 @9w9w9w92

人口規模と、技術革新・技術保持の深い関係…タスマニア島の先住民は1万年前に海面上昇でオーストラリアから切り離されると、それまで知っていた多くの技術・技能を喪失した。p.258. 自然破壊で人口減少したイースター島もよな

2019-01-28 17:26:57
尾上正人 @9w9w9w92

「通俗的な遺伝子に基づく説明だけでは、ヒトの協力の全ての側面を説明できない。答えは多面的であり、協力と社会的学習の間のある驚くべき、めったに評価されない結びつきを当てにする」p.265.

2019-01-28 21:17:18
尾上正人 @9w9w9w92

マーチン・ノヴァック[?]「言語は協力と緊密に結びついている。間接的互酬性のメカニズムが効率的に働くためには、ゴシップを必要とする」p.271.

2019-01-29 05:33:51
尾上正人 @9w9w9w92

「文化的群淘汰は本質的に、遺伝的群淘汰よりも作動しやすい」p.275.

2019-01-29 05:56:06
尾上正人 @9w9w9w92

チュデック&ヘンリックの「規範心理学(norm psychology)」…「共同体で共有された行動基準を推論し、記憶の中にコード化し、それに固執し、それを強制し、それの違反を矯正するための、一連の心理学的適応」p.275.

2019-01-29 06:03:04
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