開隆堂の英語教科書が割としっかりしている本当の理由

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uroak_miku @Uroak_Miku

74)中学英語教科書の各社の採用率。これは全国の政令都市(東京都含む)での割合で、ニューホライズン>ニュークラウン>サンシャイン(現在分析中)>コロンブス21>トータルイングリッシュ>ワンワールド pic.twitter.com/GqYj0RaLGE

2019-01-26 09:51:35
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75)ところが東京23区ですとサンシャインが最下位。 pic.twitter.com/gxHcdkBQYk

2019-01-26 09:53:18
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76)文部科学省による全国での採用率比較データも、順位は一つ目のものと同じでした。 ということは都内で何かあったのですよ。

2019-01-26 09:54:55
uroak_miku @Uroak_Miku

77)amazon.co.jp/dp/4797672587 2014年11月にこんな本が集英社から出ました。日本の中学英語教科書を、明治大で教えるアメリカ人国文学者が批判していく内容です。 6社のうち、どういうわけか開隆堂のものが集中的にやり玉に挙げられています。

2019-01-26 10:00:43
uroak_miku @Uroak_Miku

78)どうして開隆堂の『サンシャイン』がこれでもかとやり玉に挙げられたのか…特に理由はなかったと思います。6社のなかからサンプルとして取り上げられたのです。どの社のも出来の悪さはどっこいだったからどれを選んでも同じという判断だったのだと考えられます。

2019-01-26 10:03:30
uroak_miku @Uroak_Miku

79)しかし教育関係者の目にはそうは映らなかった。開隆堂のものが飛びぬけて欠陥品であると思われてしまった。想像ですがおそらくそう思われたのだと思われます。

2019-01-26 10:04:47
uroak_miku @Uroak_Miku

80)翌2015年の2月、開隆堂がこんな声明を出しました。kairyudo.co.jp/contents/02_ch… >英語科担当の指導主事の先生方. 中学校英語科担当の先生方. 教科書の英語への理不尽・不穏当な批判について. ―M. ピーターセン著『日本人の英語はなぜ間違うのか?』への意見―

2019-01-26 10:05:59
uroak_miku @Uroak_Miku

81)この声明はなんのために行われたのか?今思うと、この年に全国各地の教育委員会で次の年度からの教科書採択の議論がなされることを受けての先手(というか釈明)だったのではないかと思うわけです。

2019-01-26 10:07:31
uroak_miku @Uroak_Miku

82)考えてみてくださいピーターセンの本を全国の英語教育関係者が読んで「開隆堂のものが集中的に取り上げられているな、そうかあそこの教科書はそんなにできが悪いのか」と解釈してしまう、それを開隆堂は恐れたのです。

2019-01-26 10:09:13
uroak_miku @Uroak_Miku

83)少なくとも東京都ではそう読まれたのではないかな。23区それぞれに教科書採択の権限はあるのですが、トップダウン式に「あそこはやめとけ」な声が広がっていった気がします教育委員会界隈で。 それでこんなに『サンシャイン』の採用率が低くなってしまった―― pic.twitter.com/Xath6EzQ2t

2019-01-26 10:11:49
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84)全国ではだいたいこんな感じで、二位の三省堂『ニュークラウン』とほぼ互角ですからね、都内での大苦戦には、やはり何か裏があったとみるしかない。 pic.twitter.com/lfK1wVe2OZ

2019-01-26 10:13:38
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uroak_miku @Uroak_Miku

85)整理しましょう。 2014年11月 マーク・ピーターセンによる中学英語教科書批判本刊行 2015年 2月 開隆堂による反論声明          全国各地で教科書採択論議 2016年 4月 全国中学校で新教科書に移行(with エレン先生デビュー) ちなみに教科書は4年ごとに改訂

2019-01-26 10:16:45
uroak_miku @Uroak_Miku

86)今、私が校閲を続けている『Sunshine』は2016年改訂版ですので、ピーターセンに批判されたもの(2012年改訂版)とは別ものです。 中二編に入って英文に露骨なエラーはほとんどみられないのですよ。

2019-01-26 10:20:01
uroak_miku @Uroak_Miku

87)ピーターセン本を強く意識して、開隆堂さんが英文校閲を厳しくしたのではないかな、と思うわけですよ。

2019-01-26 10:21:30
uroak_miku @Uroak_Miku

88)それで現行版は案外しっかりした英文が載っているのです、きっと。

2019-01-26 10:22:09
uroak_miku @Uroak_Miku

89)実は同じような事件が平成のアタマに、英和辞典をめぐっておきています。英語辞書や参考書の老舗・研究社から出ていた英和辞典が欠陥品だと告発する本が評判になって、同社が著者と出版元を訴えたのです。

2019-01-26 10:23:59
uroak_miku @Uroak_Miku

90)裁判が長引くあいだに同社は英和辞典を完全改稿して、批判された版は書店の棚から消えた。 最高裁でなんと同社勝利。辞書の欠陥うんぬんについては問わず、批判本の批判の文体が社会的常識の度を越していると論点を集中させての勝利でした。

2019-01-26 10:26:03
uroak_miku @Uroak_Miku

91)この本です。廃版にされて終わりでした。amazon.co.jp/dp/4796691022

2019-01-26 10:28:27
uroak_miku @Uroak_Miku

92)同書の激しいなじり文体はともかく、研究社の辞書の分析についてはしっかりした内容でした。

2019-01-26 10:32:42
uroak_miku @Uroak_Miku

93)実はあの大騒動の後ろには日本独自の英語学習帝国の存在があります。 小学校英語教育に反対の声を上げ続ける、英語教育学系の方々も、この帝国の住人で、それも最上位階層の方々です。

2019-01-26 10:34:22
uroak_miku @Uroak_Miku

94)ここから先は先に何度も論じたことなのでここでは省略。英語教育という一大権力ヒエラルキーが日本にはあることを今はイメージしていただければよろしい。

2019-01-26 10:35:44
uroak_miku @Uroak_Miku

95)ここに切り込んでみたいのですよ、私の小さなプリンセスと。

2019-01-26 10:36:25

後日譚。中二編後半を順に分析しているのですが、おかしな英文がどんどん増えていく。どういうことなのか。