レイ・ラングトン論文受容10年史

2020年9月、三木那由他先生(言語哲学)がレイ・ラングトンの論文についてツイートしているのを見て、三木先生や難波優輝先生(分析美学)、服部恵典先生(社会学)のような優秀な若い先生方が車輪の再発明をしないよう、ツイッター上で交わされたラングトン論文受容10年史をまとめておくことにしました。と思ってチビチビとトゥゲッター作業を進めていたら、三木先生が12月25日発売の『フィルカル』Vol. 5, No. 3において、ラングトンの論文紹介記事を書いたという情報が入ってきたので、その前に公開することにしました。フィルカル文化人に届け! ※バトラーがほとんど主役のように出てきますが、あくまで本題は「オースティンを使ったラングトンのマッキノン擁護はうまくいっているか?」です。
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三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

言及しているLangtonの論文は"Speech Acts and Unspeakable Acts"、江口さんの論文は「ポルノグラフィに対する言語行為論アプローチ」、です。

2020-09-04 08:45:09
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

私は、前者が制度・慣習の歪みとそれをもたらすものの話をしているのに対し、後者は(制度・慣習にそうした歪みはないという前提のもとで)個々の行為の話をしているものと理解しましたが、どちらも比較的容易にアクセスできる論文ですので、気になる方はぜひ検討してみてください。

2020-09-04 08:46:52
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

もしサールの言うように制度的事実の制定がある種の発語内行為によってなされるものであるなら、ラングトンはその点からしても発語媒介行為ではなく徹底して発語内行為の話をしていると見なされるべきだろうと思うのですが、こういう文脈でサールを引っ張り出すのって、本筋とは別にもやもやしますね。

2020-09-04 08:52:40
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

ある手の言語行為が、ほかのひとはそうでないのに、自分や自分と同じ属性を持つひとたちだけはまるで舞台の上の俳優みたいに自動的に「不誠実なもの」と見なされて不発に終わる(そういう慣習に支配されている)状況って、実際のところけっこう少なくないひとが経験していそうな気も。

2020-09-04 09:04:07
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

『現代ビジネス』さんにお声がけいただいてこんな記事を書きました。 「フラットな対話」と称するコミュニケーションに隠された「暴力」を考える @gendai_biz gendai.ismedia.jp/articles/-/760… #現代ビジネス

2020-10-03 08:40:34
リンク 現代ビジネス 「フラットな対話」と称するコミュニケーションに隠された「暴力」を考える(三木 那由他) @gendai_biz 「現代ビジネス」は、第一線で活躍するビジネスパーソン、マネジメント層に向けて、プロフェッショナルの分析に基づいた記事を届ける新創刊メディアです。政治、経済からライフスタイルまで、ネットの特性を最大限にいかした新しい時代のジャーナリズムの可能性を追及します。 25 users 647
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

私自身のコミュニケーション論とオースティンの言語行為論、およびラングトンによるそのフェミニズムへの応用をもとにして、コミュニケーションのなかで行為が制限されたり、自分自身が意味したいことを意味できなくなったりというかたちの暴力ないし抑圧について、語ってみました。

2020-10-03 08:40:34
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

『現代思想』に以前「今後はコミュニケーションの政治的な次元について考えていきたい」と書いたりしたのですが、それをいくらが具体化したかたちです。

2020-10-03 08:41:37
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

近年はさまざまな事柄でマジョリティとマイノリティのあいだの対話の必要性が意識されるようになっていると思いますが、果たしてマジョリティ側が「私も自由に発言するので、あなたもどうぞ」という態度を示すだけで、両者の公平な対話になるのだろうか、

2020-10-03 08:50:06
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

実際にはそもそもマイノリティ側の自由を制限し、声を封じてしまうような抑圧的な慣習がすでに生じてしまっていて、単に「お互いに好きに言い合いましょう」では実はワンサイドゲームにならざるを得ない場面があるのではないか、みたいな話をしています。

2020-10-03 08:50:07
三木 那由他(she/her、they/themも可) @nayuta_miki

『フィルカル』5-3分析フェミニズムブックガイドに私も寄稿しています。もっとも、ブックではなくアーティクルばかりですが…。ラングトンによるポルノグラフィの言語行為論的分析、ベッチャーによる「女」の意味をめぐる言語哲学的議論、ソールによる犬笛論を紹介いたしました。

2020-12-01 11:42:50

◎場外乱闘編
北田暁大「彼女は東大を知らないから:実践のなかのジェンダー・トラブル」『現代思想』2019年3月臨時増刊号pp.234-254には、発話内行為と発話媒体行為の話が出てきます。

縮限 @contractio

北田先生と江口先生の戦い、 最強の矛と最強の盾の出会い感がある。

2019-02-26 19:44:48
縮限 @contractio

書くのが下手な人と 読むのが下手な人の頂上決戦かよ。

2019-02-27 18:05:43
現代思想2019年3月臨時増刊号 総特集=ジュディス・バトラー――『ジェンダー・トラブル』から『アセンブリ』へ

ジュディス・バトラー,清水 晶子,クレア・マリィ,合田 正人,佐藤 嘉幸,廣瀬 純,清水 知子,新田 啓子,岡野 八代,北田 暁大

KOMIYA Tomone @frroots

うーん。 北田先生から怒られてしまったが、どうしたらいいのかわからない (1) yonosuke.net/eguchi/archive…

2019-02-26 22:35:27
KOMIYA Tomone @frroots

なぜ北田さんに対して怒るのに僕の本の話が…と思ったけど北田さんが引いてくれてるからですよね。まずそっちをちゃんと読んでみないと。

2019-02-26 22:36:32
KOMIYA Tomone @frroots

でも「「パフォーマティビティ」がなんであるかどこにも書いてないっしょ? 」っていうのはちょっとどうかな。そりゃ「定義をする」ようには書いていないけれども。

2019-02-26 22:38:54
KOMIYA Tomone @frroots

とりあえず1章ではバトラーの「パフォーマティヴ」という語のいくつかの用法を確認しつつ「身体であれアイデンティティであれ、それらがジェンダー化されてあることは、行為をとおして実現しているという主張が、一貫して為されている」とまとめている(p. 7)。

2019-02-26 22:38:54
KOMIYA Tomone @frroots

ただこれがデリダの議論に接続されて、「撹乱」というフェミニズムの戦略の話に拡張されているのはおかしなところがあるので、「行為をとおしたアイデンティティの構築」という(ジェンダー概念の彫琢にとって重要な)関心を経験的研究のほうに展開させましょう、という話をした。

2019-02-26 22:38:55
KOMIYA Tomone @frroots

この話自体はオースティンとは一切関係なしにできるよ。

2019-02-26 22:38:55
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