- eguchi2018
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「手がかり(cues)は実際には、あらゆるヒト集団の物理的環境において満ち溢れている。それらの大部分が人工物でないか、あるいは『シンボル』として役立つことを意図されたものでないという事実は、それらが似た役割を果たさないことを意味しない」p.260. 「手がかり」は「ミーム」で言い換え可能か
2019-03-03 15:48:19文化人類学の「神学主義」に抗して…「例えば、参与者が像の特定の特徴を説明できるという事実は、その像が特定の『意味』を持つという事実として叙述されるべきではない。それは単に、像のある特徴が、多くの利用可能な想定の中から選択するための手がかりとして用いられ得ることを示すだけだ」p.261.
2019-03-03 15:55:25「文化的な表象の『体系的な』側面、およびその再発は、強化過程の結果として部分的には説明され得る。もしそれらの表象を獲得する認知システムが、目立つ想定の使用へとバイアスがかっているならば、それらは起こるであろう」p.262. この章(8章)は割と理解できた……ような気がする(泣)
2019-03-03 16:12:02カヴァリ=スフォルツァの文化伝達の数理モデルと並んで、ドーキンズのミーム論も重要だが、本書の共進化説の検討では取り上げないと。p.268.
2019-03-03 16:56:33W. ダーラムの共進化説…「文化淘汰の本質的な特徴は、意志決定、すなわち、文化的に導かれた行動のあり得る帰結の評価が果たす役割である。…ダーラムはとりわけ、文化的伝達の疫学的モデル(『文化的感染』)を、ヒトの選択の本質的役割を無視しているとして批判する」p.273.
2019-03-04 11:21:21共進化説における「複製子」と「乗り物」の曖昧さ—— ①行動パターンが複製子で、メンタルな表象が乗り物(ボイド&リチャーソン) ②メンタルな表象が複製子で、行動パターンが乗り物(ダーラム) ③メンタルな表象と行動パターンは複製子にも乗り物にもなり得る(ラムズデン&ウィルソン)。pp.276-7.
2019-03-04 11:30:17「『前成(preformation)』の想定は、メンタルな内容があからさまな行動において実現されるやり方についての強い(私[著者]の考えでは誤った)仮説である」p.279.
2019-03-04 11:34:51「共進化モデルと古典的人類学は、文化現象の最も重要な側面が、社会的相互作用を通じて獲得されるものによって決定されるという観念を共有している」p.280.
2019-03-04 11:37:50共進化説に比したスペルベルの「表象の疫学」の優位性…「コミュニケーションを通じて『複製する』思考のようなものは存在しない。ヒトのコミュニケーションが獲得するものは一般に、コミュニケーターと聞き手の思考のある程度の類似性にすぎない」p.284.
2019-03-04 11:43:58「[ラムズデン& E. O. ウィルソンが先鞭を付けた]エピジェネティックな制約の拡張された理解は実際には、我々の宗教的表象の叙述から現れる最も重要な結論である」p.290.
2019-03-04 11:47:53「ヒトの進化によってある直観的原理が発達し、それは自然・社会環境の特定の諸領域ないし諸側面に向けられた。…文化的再発(宗教的表象の再発を含む)は、エピジェネティックな制約の反復的な適用におけるランナウェイ過程の帰結である」p.294.
2019-03-04 11:54:20「認知的制約を叙述する私の目的は、少なくとも限られた領域において、ヒトの生物学の重要な役割に光を当てることであった。そのヒトの生物学はここでは、ヒトの歴史における、全ての遺伝的に制約された能力やそれらの帰結を成すものとして、広い意味で理解されるものである」p.295.
2019-03-04 11:58:55「『文化』という存在論的に曖昧で半ば神秘的な観念なしですませることで、特定の文化現象を説明しやすい因果構造の2タイプを、より明確に理解することができる。すなわち、本書が貢献することを目指した種の生物学的歴史と、ヒト集団の歴史的歴史[!historical history…仏語なら歴史物語?]だ」296
2019-03-04 12:05:34読了(と言えるか自信なしorz)。文化人類学の方法論的陥穽(generativeでepistemicで「神学的」)への執拗なdisは小気味良いが、肝心の目的たる宗教表象の文化横断的再発(recurrence)の説明は著者独自にはできておらず、最後の最後で進化(心理)学に丸投げの印象…私が読めてないだけかもしらんが
2019-03-04 12:18:42読了…わかりやすかった。前著↓で思弁全開だった部分が認知心理学(特に共同研究者ジャスティン・バレットの実験成果)に置き換わり、その分、意地悪に見れば著者のオリジナリティは減退した印象。文化人類学へのdisが消えたのは、進化学という安住の地を見つけたためかな? twitter.com/9w9w9w92/statu…
2019-03-07 19:02:04Boyer, Pascal. (1994) The Naturalness of Religious Ideas: A Cognitive Theory of Religion, University of California Press. 宗教の進化的研究で割と引用される本。私の世代だと、Boyer(仏音ボワイエ)と言えば「レギュラシオン理論」(ナツい)…この人も名前がパスカルだしフランス系かの?
2019-02-24 14:30:20