「釈明」と「求釈明」どっちが正しいの?(+ドイツ語の翻訳の話)

裁判長が当事者に質問するのは、「釈明」なのか「求釈明」なのか。法律用語の問題です。 ドイツ語の翻訳のあたりまで話が及んだのは、言葉の問題として個人的に興味深かったです。まさか、「釈明」が「啓蒙」だったとは。 (トゥギャ松先生がまとめてくれないので、まとめました。一部時系列通りでないTweetがあります。)
法律用語 弁護士 法律
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発端
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316
訴訟で相手方当事者の準備書面に「求釈明する」って書いてあると「おまえは裁判官か!」って突っ込みを入れるよね。「求釈明」をするのは裁判官で、それに応じて当事者が回答することが「釈明」だからね。

2つの用語法がありますが、ふくろんの図が分かりやすいので、まず掲載します。

ふくろん @horitsusodan
民事訴訟のなかで、よく分かんないことがあれば、「釈明」というできごとが起きることがあるろん♪訴訟関係を明瞭にするんだろん♪ 誰が「釈明」する主体なのか、明瞭じゃないって噂もあるろん♪ pic.twitter.com/lxU9oUUleL
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条文 民事訴訟法

釈明権等)
第百四十九条
 裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。
2 陪席裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。
3 当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができる。
……

(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)
第百五十七条
 当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。
2 攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないときも、前項と同様とする。

刑事訴訟規則

(釈明等)
第二百八条
 裁判長は、必要と認めるときは、訴訟関係人に対し、釈明を求め、又は立証を促すことができる。
2 陪席の裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。
3 訴訟関係人は、裁判長に対し、釈明のための発問を求めることができる。

泥濘大魔王サイケ @k_sawmen
え?裁判所が問いを発することが「釈明」、一方当事者が裁判所に対してこの問いを発することを求めるのが「求釈明」ではないのですか?(手元の有斐閣アルマ民事訴訟法230pだとそう書いてある) twitter.com/marumichi0316/…
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316
裁判所の見解は違いますね。例えば、裁判所職員総合研修所監修『民事訴訟法講義案(三訂版)』(司法協会・平成28年)の129頁の(注1)では「「釈明」という用語は、正しくは、裁判所がするのが「求釈明」で、求釈明に応じて当事者が明らかにすることを「釈明」という(後略)」とされています。 twitter.com/k_sawmen/statu…
泥濘大魔王サイケ @k_sawmen
なんと!広く使われている同じ法律用語について、本によって定義が違うんですね……(今確認したら、藤田広美の「講義 民事訴訟法 第3版」177pでは「『釈明』という用語は、裁判所がするのが『求釈明』、求釈明に応じて当事者がするのが『釈明』」になってました!) twitter.com/marumichi0316/…
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316
@k_sawmen 藤田先生とかは元裁判官なので、裁判所の用語法なのかもしれませんね。総研の本でも、別の見解が広まっていることを念頭において「正しくは」と書いている気がします。
裏窓 @uramado_open
@marumichi0316 書面に書く時、どのように書くとよいのか、わからないなと思います。「釈明権の行使を求める」または簡単に「〜について明らかにされたい」とするものでしょうか。後者ですと、裁判所に宛てた書面なのに、少しおかしいのかなと思ってしまいます。
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316
@uramado_open 準備書面の名宛人は裁判所であって相手方当事者ではないので、後者は本来はおかしいでしょうね。「原告の主張は、◯◯の点が不明瞭である。御庁におかれては、原告に対し、上記の点についての主張を明確にするよう求釈明をされたく、申し立てる。」みたいな感じでしょうかね。
裏窓 @uramado_open
@marumichi0316 お返事いただきとてもありがたいです。ご助言いただいたことで、もやもやが解けすっきりしました。
両国橋 渉 / Wataru Ryogokubashi @WRyogokubashi
これ、民訴法の見出しにある、釈明権、という言葉が混乱の元だと思っていました。 twitter.com/marumichi0316/…
Document35 @document35
求釈明あまり書かない。 相手が本人訴訟のときに、「公平とか別にいいから何が立証に必要か全部裁判官が教えてあげて」って書いたら、裁判官が必要と思われる証拠提出を全部指示した。 相手は心が折れて取り下げた。
片山正彦 @katayamam
@marumichi0316 初めまして。 そうすると、相手方代理人が裁判所に対して職権の発動を求める行為は、「求求釈明」なのでしょうか。
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316
@katayamam 総研の講義案では「発問権」(民訴訟149条3項)と記載されており、実務ではお書き頂いた行為を「求釈明の申立て」と呼んでいると思います。
微笑みのロイヤー @smile_spirits
@marumichi0316 求釈明の要請というのが正しいのでしょうか。
こんたけ @takeshiful
>RT 釈明、求釈明はほんと用語が混乱してますよね。 自分も「裁判所の発問が釈明で、裁判所に相手方に対する釈明を求めることを求釈明という」のだと思ってました。圓道先生ご指摘の書籍を確認した上で、今後は裁判所実務に合わせて書くようにしよう。。
くまえもん @kumaemon9
「~につき原告(被告)に釈明を求める」(ので裁判所は適切に求釈明されたい)という趣旨であれば、間違いではないと思うけどね。
あぼかど @meumpactum
刑訴では民訴法149条1条と同様の定めは規則208条に置かれていますが1項は「裁判長は、必要と認めるときは、訴訟関係人に対し、釈明を求め、又は立証を促すことができる。」、3項は「訴訟関係人は、裁判長に対し、釈明のための発問を求めることができる。」と定めます。求釈明の主体は裁判長。 twitter.com/marumichi0316/…
あぼかど @meumpactum
いままで相手方の書面に裁判所でなくて自分が求釈明する!と書いてあるのを見るたびに勘違いしていると思っていたが、実務と異なるアルマ説を採用しているだけだったのか。
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コメント

臼沢沙英 @Sae_anime 2019年3月6日
どうでもいいけど講義案書いたのは藤田先生だぞ
弁護士 吉峯耕平(「カンママル」撲滅委員会) @kyoshimine 2019年3月8日
まとめ作成後のTweetを追加し、更新しました。
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