荒木優太『無責任の新体系』感想集
- arishima_takeo
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俯瞰的に語ってしまうがゆえに起こる炎上。言い換えれば、結論を知っている立場から語ることの不毛さ。所詮、知っていることはいつも部分的。だから部分どうしをすり合わせる必要がある。これだけ守れれば、もう少し生きやすくなるんじゃないかな。
2019-02-16 17:08:35荒木優太『無責任の新体系』読了。 難しかった。「頭の悪い読者」の一人として本書を一読して分かり得たことは、責任の追及・無責任の糾弾は思ったよりも難しい/責任は人格やアイデンティティと絡み合っている/文芸作品を読むことは社会的立場から自由になって責任論を考えることに(も)役立つ。
2019-02-17 19:28:25寝る前ウーティス本を読んでいたゆえか、自分の顔写真と紐付いたプロフィールの詳細を匿名処子からメールで暴露されネットに晒す旨の脅迫を受ける悪夢を見て、飛び起きてしまった。この本魔力ある…(?)
2019-02-19 03:25:54ウーティス本、その話題を直接扱った本ではないけれども、望ましい匿名の生の思想をどう構築するかという論題は、匿名の大衆がその意志を政治上どう表象するか、権力はそれをどう統治するのかという具合で、象徴天皇制の問題とダイレクトにかかわってくる本でもあり、そういう連想も楽しめるとおもう。
2019-02-19 03:43:06ただハードコアをそのまま主題として扱うほうがよいとも現代では限らない。メタファーとして懐に隠すほうがよいこともある。天皇制の思想問題に触れると、それがなまじ欺瞞の中枢にあるだけに、それを扱っていないものが微温的に見えてしまうのはありがちな正義厨の戯言だが、そうも言えないと自戒に。
2019-02-19 04:00:35正義厨にかぶれた心をどういなして癒すかも重要なことであって。その意味でまことレヴィナスも思想界に哲学のはしかとして大きなインパクトを残してくれたなと。だから現在それと向き合うこの本は、日本思想の思春期から青年期への葛藤のメモリアルにもなっている。巨視的にそんな体系も見えてくる。
2019-02-19 04:10:57「あも&サチアキの交換日記」さんで新体系の感想をいただきました。「「これが私です!」って言い切りたい時にあるとっておきの方法が悩んだら面白いと思う方へ舵をとれってことですw」。まだ完読でないそうですが、大体そういう話です。ありがとうございます。blog.goo.ne.jp/book_lah/e/235…
2019-02-19 18:36:36(えのきど)『無責任の新体系』(荒木優太・著、晶文社)すんごい面白い! 荒木さん抜群だなぁ。 pic.twitter.com/Y4m2hv2vqa
2019-02-20 23:10:29荒木優太さんの『無責任の新体系ーきみはウーティスと言わねばならない』(晶文社)、ようやく読み始める。寝る前に序の部分だけ読んだけど、めっぽう面白いっす!
2019-02-23 02:15:49荒木優太さん『無責任の新体系 きみはウーティスと言わねばならない』 帯分に〈テンションマックスに達する〉とあり、だったらそのテンションに乗っかっていこう!と思い、一気に読んでみました。 結果、論の運びに追いつけない部分が多々あったのだけど(笑)、「あとがき」にある→ pic.twitter.com/JULEf1zicy
2019-02-23 16:38:34→〈その軽さ自体を財産として捉えるにはどういった視角をつくればよいか〉p.214 という一文を読んで、本書の語り口のテンションそれ自体にも意味が込められているんだな、と思いました。 また今度、参照されている人物・概念をゆっくり確かめながら読みたいと思います。 pic.twitter.com/knQcShurHn
2019-02-23 16:38:37序章「ウーティスという責任」。実名と責任の関係から、『オデュッセイア』のウーティス(誰でもない)へと話は接続する。"つまりは、匿名になること。英雄のイメージとは程遠い、この姑息な作戦は、しかし、現代に生きる私たちにとっても決して無縁ものではない"
2019-02-23 22:52:00"きっと私たちは無責任に居直ってもいい条件に関してあまりに無知すぎるのだ。無責任のもつ賢さがどこまで有効で、どんなときに執行して愚かさに転落してしまうのか。それが分からなければ、キュクロプスに勝つことはできない。" 『無責任の新体系』
2019-02-23 22:55:07第一章「日本の無責任」。山本七平の「空気」を参照しながら、分人主義と責任の相性の悪さを指摘する。これは個人的な考えだが、一億分の一に希釈された責任というものがあるとして、それは責任として機能するのかはかなり怪しいと思う。なめらかであるがゆえにどこまでも滑り落ちる危うさがある。
2019-02-24 22:14:45かといって個人を復権したら問題解決とはいかない。というところで、日本文化と個人の無さという話に接続する。ここで、よくある日本像に疑問を呈しながらも、"ただし、用心が先立つのであれば、それは無責任の不安に関する膨大に蓄積された、角度の異なる財産として捉え直すことができる"と道を延ばす
2019-02-24 22:20:03激混みの中央線から逃れて、中野から東西線。当然、いつもより混んでいるが、なんとか座れた。荒木優太著『無責任の新体系』(晶文社)の続きを読む。「自分が獲得した弱さを後生大事に守る」とか、すごい表現。「弱さのコレクター」なんて、すごい上手い。思わず笑ってしまう。だって面白いんだもん。
2019-02-25 09:35:53第二章「間の熟読者たち」。分人主義の先駆ともいえる間人主義について。独立した個人ではなく、対人関係の中でこそ立ち上がる人性に注目するもの。分人主義と似ている点は多い。特に、これらのコミュニケーションでは、コンテキスト──テキスト以前のものに──力点が置かれる点が。
2019-02-27 18:41:36そのコンテキストは、場の力学であり、間柄であり、空気でもある。流体的なコミュニケーション。その流体は、いやおうなしに責任を溶かしていく。責任の所在というものを、個の在り方と同様に、融解させていく。そこからさらに、個と全体が接する面(境界線)について言及し次章へつなげる。
2019-02-27 18:47:26ここまでの二章で、強い個を規定しない捉え方では、責任というものがゆるゆるとどこかに行ってしまうということが確認されたように思う。ただ、そのこと自体についての批判はない。つまり、「そういうのは良くない」と切り捨てるための話ではない。よってここもまだ準備段階だろう。『無責任の新体系』
2019-02-27 18:51:19今日は吉良貴之さんのゼミ(in立教大学)にて、拙著『無責任の新体系』を取り上げてもらったので、私も議論に参加してきました。色々な論点が出て楽しかったです。 pic.twitter.com/QPnx4fQwYH
2019-02-28 20:56:06『無責任の新体系』第三章「ペルソナの逆説」。ここでは和辻哲郎とアレントのペルソナ(/仮面)が考察される。また、仮面と「何」/「誰」の関係にも言及がある。これらは以降でもたびたび登場する重要な概念。
2019-03-01 21:49:31