荒木優太『無責任の新体系』感想集

発売から一ヵ月ほど経ったので拙著『無責任の新体系――きみはウーティスと言わねばならない』(晶文社、2019)の感想をまとめてみました。みなさま、お買い上げどうもありがとうございます。
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倉下 忠憲 @rashita2

"しかも、驚くべきことにこの局外者は、具体的で代替不能な他者のなかに宿っているのだ。" ある顔の中に、別の顔を見ること。あるいは見てしまうこと。その可能性は、私と顔が一体一で対面するという閉鎖的な関係を開いていく。分人の考え方では現れない、第三者へのイメージが立ち上がってくる。

2019-03-17 22:08:05
倉下 忠憲 @rashita2

仮面は顔のモデルでしかないが、顔は別の顔へとつながっている。これは、"人間は人と人の間でできている"ということにも呼応しているだろう。目の前の人もまた、別の人と人の間でできている。それが再帰的にイメージされるとき、概念が別の位相へと移っていく。というのは、個人的な読み。

2019-03-17 22:08:05
中沢忠之 @sz6

ウーティス本読了。カント的なワードで趣味判断こそ道徳の命法に通ずると勝手に解釈しました。文学における美学と倫理の重なり如何の問いは大事だと思ってます。全体的に論争的というか過去現在の論争・議論をコントロールしながら、この本自体は論争的では必ずしもない(具体的な敵が見当たらない)。

2019-03-20 03:17:18
中沢忠之 @sz6

具体的な敵ということでいえば、批判対象の「コンテスト読み」を最近しているのはどういった人たちなのだろう? むしろ国民総書評家社会にあって「文脈よりテクストを」の勧めは現状追認になりはしないかと少し思いました。

2019-03-20 03:17:19
中沢忠之 @sz6

いずれにせよ抽象度が高くもあるので色々な読み方ができますね。平野と池井戸を並べるところは、前著が扱った純粋小説論ぽくもある。僕なら、グダグダになってる文脈(文学史)をむしろ繋げるためにこそ作戦ウーティスを利用したいと思った

2019-03-20 03:17:19
中沢忠之 @sz6

そういえば、荒木さんは何かを否定するために発言するというよりも、言いたいから言うみたいな健康さがありますね。文芸批評家では珍しいかも。「文脈よりテクストを」論は、矢野さんの「形式より主題を」論と重なる部分、異なる部分など想像されて山ほど知りたいことができました。勉強します。

2019-03-20 03:17:20
倉下 忠憲 @rashita2

『無責任の新体系』第七章「そしてヴェールへ」。ここまでの話を踏まえた上での、一つのまとめ的な内容。章題が示すようにジョン・ロールズの無知のヴェールが解説される。

2019-03-24 21:55:03
倉下 忠憲 @rashita2

大切だと思うのは、"しかし、ペルソナは少し角度を変えただけで別の相貌をもっている。"という点。これは一つの顔が別の顔をイメージさせる、という話と呼応する。顔の複数性。仮面は付け替えられる。だとしたら、自分はあらゆる仮面をまとう可能性がある、という話になる。

2019-03-24 21:55:38
倉下 忠憲 @rashita2

もう一つ、"ずれた位置が正しい視点だから移動するのではない。ずれによって生じる差が、自分のペルソナを、ひいては他人のペルソナを、絶対のものとしない正義に近接するからだ。"には、『勉強の哲学』の「来るべきバカ」に近いものを感じた。

2019-03-24 21:56:39
倉下 忠憲 @rashita2

自己が変身(あるいは擬態)することで、他者へのまなざしに「かもしれない」を宿らせること。視線の複数性。正面からだけではなく、斜めからも見つめること。

2019-03-24 21:58:15
Theopotamos(Kamikawa)@『調査趣味社社報』第1号販売中 @Theopotamos

荒木さんの『無責任の新体系』を読み始める。匿名の言説の流通性、責任の所在、危険性という論点は民話や民衆の間のうわさ話を評価してきた鶴見俊輔・和子、木下順二、民俗学の言説を再検討する必要があるのでは?ということを念頭に置き読みたい。

2019-03-25 12:15:24
ダ・ヴィンチWeb @d_davinci

自己責任を叫ぶ人こそ“無責任”? 自己責任”は人を見捨てることの免罪符なのか ddnavi.com/review/526174/…

2019-03-25 17:34:06
福太郎 @ping_guo_pai

荒木優太『無責任の新体系 きみはウーティスと言わねばならない』と諏訪園純『〈今・ここ〉に効く源氏物語のつぶやき』を買いました。 pic.twitter.com/64iZexWi0n

2019-03-26 21:58:09
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倉下 忠憲 @rashita2

『無責任の新体系』第八章「楽しいテクスト論」。ここまで責任や個人について論説が展開されてきたが、ここではテクスト論/読書論が展開される。なかなかアクロバティックな展開にも感じるが、むしろすっと胸に染みこんでくるものがあるのが不思議である。

2019-03-27 22:23:22
倉下 忠憲 @rashita2

この章が一番面白いというかエキスたっぷりなので解説はしない。ぜひ読んでみて欲しい。とりあえず、一つだけ引いておけば"徹底的に頭の悪い読者でなければならない"という部分。なぜ、そうなるのか? 気になる方は本書をどうぞ。

2019-03-27 22:23:43
ネオ高等遊民🛺哲学youtuber @MNeeton

動画作りました 自己責任自己責任うるさい人はこれで黙らせましょう(違) 荒木優太『無責任の新体系』感想 youtu.be/5KhCwMktzkE

2019-03-29 16:08:18
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Cameron Poe (JP) @CameronpoeJp

そういや、こんど綿野くんがトークする荒木優太さんの「無責任の新体系」、めっちゃ面白い。まだ読了してないけど、日がな一日読んでいたい。文体も好きだけど、引き合いに出してくる書物のストリート感が◎。買って損はないよ。晶文社、いい仕事なさる。 amazon.co.jp/dp/4794970765

2019-03-29 17:57:27
倉下 忠憲 @rashita2

『無責任の新体系』を読みながら考えたことを絡めると、顔のないところ(データの世界)では、自発的な倫理観というのは立ち上がってこない、と言えるかもしれない。だからこそ、ルールの記述が必要となる。

2019-03-30 11:41:03
荒木優太 @arishima_takeo

一読全解。無責任の新体系レジュメでけた。 pic.twitter.com/15vZkfJiOO

2019-03-30 14:12:37
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荒木優太 @arishima_takeo

きのうのやーつ(14:20あたりであの有名な哲学YouTuberも超乱入するぞ)。youtube.com/watch?v=KsNBqa…

2019-03-31 14:12:33
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長谷川 @NowmanSho

今日買った本。 乾石智子『夜の写本師』 レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』 クリスチャン・マスビアウ『センスメイキング 本当に重要なものを見極める力』 荒木優太『無責任の新体系 君はウーティスと言わなければならない』 人生初のジュンク堂書店は、とても刺激的だった。 pic.twitter.com/kW7lXb3eOM

2019-03-31 20:45:44
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