編集部イチオシ

(覚書)フライトレコーダーが生まれたわけ

調べてみたら興味深かったのでメモ
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サキノハカ @sakino_haka

フライトレコーダーの歴史について調べていたら興味深かったのでちょっとまとめて投げるよ~

2019-03-15 22:40:26
サキノハカ @sakino_haka

1934年10月19日、オーストラリアとタスマニア島との間の海峡(バス海峡)で、ホーリーマンズエアウェイズ社が定期航空サービスで運用していたデ・ハビランド DH.86 エクスプレス(機体記号:VH-URN)が墜落する事故が起きました。

2019-03-15 22:40:47
サキノハカ @sakino_haka

捜索隊は現場海域で機体の破片や油が浮いているのを発見しましたが、乗員2名乗客9名のいずれも発見できませんでした。原因は飛行中の操縦士交代によるものだったのではないかと推測はされましたが、実際のところは今もわかりません。 baaa-acro.com/city/bass-stra…

2019-03-15 22:41:11
サキノハカ @sakino_haka

このとき当該機に乗っていた男性の一人には、当時9歳の息子がいました。ここからは彼のお話。 en.wikipedia.org/wiki/David_War… 彼はシドニー大学に進学し、その後科学・数学の教師、航空研究所の研究員などを勤めた後、オーストラリア防衛科学技術機構の主任科学研究員になりました。

2019-03-15 22:42:10
サキノハカ @sakino_haka

そこで彼は、当時世界に先駆けて就航して間もなく不可解な連続墜落事故に見舞われたジェット旅客機、デ・ハビランド コメットの事故調査に携わることになります。

2019-03-15 22:42:49
サキノハカ @sakino_haka

時は少し戻りまして、彼はその調査に携わる前、製品見本市であるものを見かけていました。それは小さなボイスレコーダーでした。 「あれが飛行機にもあれば…。飛行中や事故直前のコックピット音声を録音しておければ、事故調査における大きな手がかりになるだろう」

2019-03-15 22:43:14
サキノハカ @sakino_haka

彼の発案以前にもフランスやドイツ、イギリスなどにおいて、飛行テスト用の航空機や軍用機などで飛行時のデータを記録する装置が積まれていたことはあったようですが、「事故調査のため」「民間機にも」「コックピット音声を含む」飛行データを記録する装置を積もうとする試みはこれが初めてでした。

2019-03-15 22:43:52
サキノハカ @sakino_haka

当初、航空業界はこれにほぼ無関心でしたが、1958年にオーストラリア航空研究所を訪れたイギリス民間航空局の書記長であったハーディンガム氏がこの発明の重要性を見出し、イギリスでさっそくプロトタイプを作るように任じました。

2019-03-15 22:44:19
サキノハカ @sakino_haka

この記録装置は、頑丈で火にも水にも強く設計され、事故現場でも目立つ色(赤が選ばれました)に塗装されました。これが現在フライトレコーダー(または「ブラックボックス」)として知られている機器の始まりです。 en.wikipedia.org/wiki/Flight_re…

2019-03-15 22:44:47
サキノハカ @sakino_haka

その後フライトレコーダーは世界的に普及し、塗装色がオレンジ色になったり、見つけやすいように音や電波を発信できるようになったりしましたが、基本は一緒です。そして言うまでもなく、多くの航空事故の原因解明に役立つことになったのでした。

2019-03-15 22:45:15
サキノハカ @sakino_haka

ひょっとしたら彼は、父の事故のせめて原因の手がかりだけでも知りたかったのかもしれません。せめて手がかりさえ残っていたなら、またどこかで同様の事故が起こらないように対策も考えられるだろうのに、と。

2019-03-15 22:45:53
サキノハカ @sakino_haka

起こらなくていい幾多の事故を未然に防ぎ、死ななくていい幾多の人命を人知れず救った装置と、その発明者について。

2019-03-16 23:05:14
サキノハカ @sakino_haka

彼は2010年7月19日にメルボルンにて85歳で没し、「Flight Recorder Inventor; Do Not Open(フライトレコーダーの発明者;あけるな)」と貼られた棺で葬られたそうです。 bbc.com/news/magazine-… おしまい。

2019-03-15 22:46:29
サキノハカ @sakino_haka

1934年10月19日、からいきなり始まってますが、当初「彼の父は1934年にバス海峡で起きた航空事故で亡くなった」しかわからず、そこから「1934年に起きたバス海峡での航空死亡事故は商用機・個人所有機・軍用機総合してどうやらリンク先にあるこの1件のみ」なので間違いなくこれだろうと判断した次第

2019-03-16 08:09:27
サキノハカ @sakino_haka

追記もうひとつ: 彼の航空への貢献を讃え、オーストラリアの航空会社であるカンタス航空は、航空機(A380:同社が運用するうちでも最大の機種)の一機を、彼の名前である「デビッド・ウォーレン」と命名しました。

2019-03-16 09:57:47
サキノハカ @sakino_haka

また彼は没後、2013年にオーストラリアの航空功労者の殿堂入りし、彼の働いていたオーストラリア防衛科学技術機構の本部ビルも改称され、「デビッド・ウォーレン・ビルディング」と呼ばれています。

2019-03-16 09:58:47

追記:英語のより詳しい記事が上がったので

news.com.au @newscomauHQ

A humble Australian scientist was told “it’s not your job” before going on to have his revolutionary invention installed in thousands of aircraft worldwide. news.com.au/travel/travel-…

2019-08-31 12:20:00
サキノハカ @sakino_haka

Black box: Inventor of flight recording device was never credited for invention amp.news.com.au/travel/travel-… ブラックボックスを発明したデビット・ウォーレン氏のお話。

2019-09-01 00:37:04