生活を守るべき行政が、逆に生活を破壊する~国保滞納・差し押さえ学習会まとめ(2019年2月3日)

2019年2月3日に福岡で開催された、滞納処分に関する学習会の連ツイまとめです。 昨今、税・国保諒などの滞納分回収のために、市民の生活を顧みない無茶な差押をする事例が増えています。中には、裁判にて違法認定された差し押さえもあります。 そこにどう対応していくのか、学習会が開催されました。
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→1つは役場対策。生活保護の現場でも。弁護士だから話を聞いてくれるわけではなく、法律、ということ。権力者=役所は法律に則って対応しなければならない。その法適用が間違っていると、上司と相談しに行く。法律も厳しくなっているが、行政は法律の範囲内でしか処分できない。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:31:09
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→差押の世帯数割合は、全国で11.6%。弁護士業務の中で、裁判しても差押はこの10年で数件、というくらい手間がかかるもの。役所は簡単に差押ができてしまう。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:32:55
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→滞納があれば「滞納処分を行わなければならない」となっている。行政にとっては義務。督促状の発送から10日以内に納付がなければ差押可能、となっている。厳しいが、そこにはルールがある。まずは、滞納者本人所有の財産のみ。家族のものは差し押さえられない。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:35:00
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→次に超過差し押さえの禁止。必要な範囲を超えての差押は許されない。3つ目、差押禁止財産が定められいる。実際の滞納処分の流れは、必ず電話による確認や督促、催告書が来る。この段階で相談してもらうと対応しやすい。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:37:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→その次に役所は財産調査を行う。かなり広い範囲でほぼ拾ってくる。銀行、証券、生命保険(強制解約される)など。それから制度利用の制限(短期証など)があり、特別の事情無く1年が経過すると資格証交付になり、さらに1年半が経過すると給付の差し止めが起こる。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:39:07
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→国保料の滞納は破産手続をしても免責されない。ある程度借金を止めると国保料を支払えることもあったが、もともと借金で生活していたような場合は、借金をなくしても生活再建できない。福岡では。裁判所からも破産を突き返されることも。滞納金の問題は大きい。そうなる前に解決を。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:40:46
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→なにより早く対応することが重要。督促の段階で納付方法の相談に。これも厳しくなっている。でも生活を苦しめてまで無理矢理支払うのは趣旨から外れる。なるべく事情を伝えて次善の策をとっていく。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:42:26
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→差押に至ると、対応できる幅が少なくなる。滞納処分の停止が国税徴収法で定められている。滞納処分により著しく生活が困窮する(生活保護基準を下回る)場合など。停止期間内は新たな差押は不可、停止が3年継続すると納付義務は消滅、もともと国保料は2年の消滅時効。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:44:41
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→とはいえ、納税者が自ら納付する場合には受領してよい、となっている。実際にこれを逆手にとって、役場から強引な説得がされることがあるが、当然許されない。「自ら」はまず払わんだろうという推定があって、それを裏返すだけの事情が必要。ここを主張していく。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:46:35
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→差押禁止財産。生活用品・生業に必要なものは差押できない。給与等の場合は、原則は手取額から生活扶助相当額あるいはこれを控除した残額の20%が差押禁止。さらに厳しいのは、年金・恩給類は民事執行では一切差押禁止だが、国保差押では給料と同様に見なされる。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:50:18
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→最も問題なのは預貯金差押。年金は差押限度額があるが、いったん預金口座に入金されたら全額差押できる、という解釈がある。ここが争われている。特殊事例での最高裁判例を役所が悪用している。これに対して鳥取児童手当差押事件で、それは不可、とする判決。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:53:06
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→児童手当が入金された日の9時過ぎに差し押さえしたもの。判決では、入金直後を狙い撃ちにして著しく正義に反する、とした。財務相も児童手当などが「実際に使用できなくなることも禁じられていると解釈すべき」と国会答弁した。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:55:25
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→最近では前橋地裁判決。差押禁止財産が預貯金になったら差し押さえできる、と主張する職員もいるが、これらの判決の積み重ねからは許されない。今後、生命保険や学資保険の差押への対応が問題。今は法的には対応困難、運動による改善要求を。 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:57:25
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→国保差押は税金だからこそ、民事と比べて、特別対応が認められている。生活保護の過払返還も滞納処分が準用できるようになっている。公助の範囲を拡大できるように。法律を整備して、職員もやりたくない仕事をしないで行けるように、一緒に改善していきたい。以上 #滞納処分学習会

2019-02-03 14:59:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

質疑応答:年金の振込専用口座だとどうなるか。 答:法的な考え方は預金は預金、となる。自分は違法と思っている。鳥取判決も同様。差押がされたときに闘いやすくなる。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:01:27
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

質疑応答:差押をするのが行政、という風潮。それを跳ね返すには。 答:根本的な問題。法律の原則を貫けばそうなる。払える人がいるならそうすべき。でも何のための制度か。弱者への差押が増えている。公助・社会保障として困っている人が困らないようにすべき。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:07:06
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

追記:死亡事例中、無保険32%、国保50%、後期高齢者11%、生活保護1%。

2019-02-03 15:17:54
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

連ツイしてフォロアーが減った…。

2019-02-03 15:18:35
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

事例報告~鹿児島県垂水市(仲道宗弘司法書士、滞納処分対策全国会議事務局次長)/全国の自治体のあり方は自治体により異なる。自分は群馬の司法書士だが、国保差押率の高いのは東の群馬、西の佐賀で争う異常状態。特に前橋市は酷い、筆舌尽くしがたいほど酷い。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:23:32
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→前橋市は2003年には100件未満だったのが2015年には1万件以上。100倍以上。人口34万人、16万世帯でこの件数。狂った自治体が法律を法律どおり解釈して差押を増やし、全国に宣伝して、視察が殺到している。これが全国に波及。財源が大変だという自治体が差押を増やす、短絡的。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:26:35
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→滞納処分対策全国会議では、問題のある自治体でシンポを行って申し入れを行っている。一昨年は前橋市、昨年はさいたま市。さいたま市役所は平成25年から差押強化。滞納があったら呼び出して「ヤミ金から借りてでも払え」と追い詰める。自殺者も(因果関係はともかく)出ている。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:28:13
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→一括でなければ納付できないなど、強行的な対応。全国でこういう事例があれば、シンポ+現地の声を聴いて申し入れを行う。鹿児島の垂水市は新聞報道と地元の司法書士から連絡があり、調査に行った。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:29:23
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→滞納対策として母子家庭2世帯に口座に入金された児童扶養手当を差し押さえた。違法。市は「相談に来てもらうために」差し押さえた、とのこと。二人は市役所にて納付の約束をしたので全額返金。市は約束できれば返還するつもりだった、とのことだが1人は失業中だった。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:31:42
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→垂水市は相談に来るために差し押さえた。児童扶養手当は子育てのための費用で差押は絶対に許されない。しかし預金化すれば差押可能とした。自治体が根拠にする平成10年2月10日最高裁判決は単に信金が相殺した案件で、税金滞納は関係ない。この判決を乗り越える必要がある。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:33:26
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→垂水市の事例では、市の担当者と面談。もともと鹿児島県社保協が垂水市を訪問して調査を行っている。督促状は1回だけで電話も訪問もなし、財産調査も国税徴収法の規定に則ったとのみ。児童扶養手当の差押が違法であることも当然知っていた。支給日も容易に想像できた、とのこと。 #滞納処分学習会

2019-02-03 15:36:49