「天文学と安全保障との関わりについて」関係者たちのつぶやき

2019/3/16 に日本天文学会が出した声明「天文学と安全保障との関わりについて」に対する関係者たちのつぶやきを(概ね)時間順にまとめています。 twitter で「天文学会」で検索すると、ニュースのタイトルと概要だけを読んで、脊髄反射的に「賛成!」「反対!」とコメントしているつぶやきがあまりに多かったので、実際の関係者たちの葛藤や多様な意見(賛否両論あります)などを少しでも知ってもらえたら、と思ってまとめてみました。
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OKUMURA, Akira(奥村 曉) @AkiraOkumura

「日本天文学会の柴田一成会長は「若い世代ほど、防衛省の制度に賛成が多くなることに驚いた」」という発言が驚きであり、現状認識をできていないのではないか。

2019-03-17 00:24:33
OKUMURA, Akira(奥村 曉) @AkiraOkumura

しかし、最後にアンケートが流れて 2 週間後 (締め切りの 1 週間後) に声明が対外的に発表されるとは思わなかった。

2019-03-17 22:04:25
Atsushi Imagawa @atsushi_imagawa

同じ天文学会の中で、 若手はーとか。 シニアはーとか。 争うのは無駄じゃないかなぁ。 声明には、国際協力… とか書いてあるにも関わらず、 天文学会内でさえ協力出来ないのは、 なんだかなぁと思いました。

2019-03-17 00:53:56
Jun Makino @jun_makino

まあもちろん、防衛省の制度に反対ではない若手がこれに反発するのは当然なんだけど、さて、どうしたものなんですかね。「欠如モデル」で「啓蒙」できるわけじゃないし。

2019-03-17 13:17:03
Scholarly Vicke @Vicke_2011

日本天文学会の声明案に対する事前アンケートに対し学会員として以下のような賛成理由を書きました。 日本国憲法においては、「学問の自由」(第23条)は、治世者による学問弾圧や研究者動員の歴史を鑑みて、単なる精神の自由の一般規定(第19条)にゆだねることなく、明示的に規定したものです。

2019-03-17 15:32:32
Scholarly Vicke @Vicke_2011

つまり、「学問の自由」に対する抑圧者として考えられるべきは、強制力をもった機構である国家であります。そのことが忘れられすぎています。そして、そのような国家からの自由をより実現するために、われわれ研究者個人が学会に集っているのではないでしょうか?

2019-03-17 15:33:31
Scholarly Vicke @Vicke_2011

他方、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に若い世代ほど親和的なのは、学生のときから競争的資金の獲得で評価されることが長年続いてきたことの影響のように思います。中長期的な対策が必要でないかと思います。それができないと、われわれは再び過ちを犯すことになるでしょう。

2019-03-17 15:34:54
Akito Davis Kawamura 河村聡人 (人類ver2.3) @aDAVISk

若手の会はよくやったと思う。数字で明確に議論の流れを変えたんやから。あれが無ければ一年前には声明出てたかもしれんし。。。

2019-03-17 16:01:51
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

政治的な話はツイッターではしないというルールを自ら課していたのですが、今回は当事者でもあるのと、さすがに腹に据えかねるものがあるので書くことにします。例の、天文学会からの安全保障研究についての声明の件です。

2019-03-17 16:29:58
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

3月14日に会員に公開された、声明を出すことの可否についてのアンケート結果では、28%の人が「出すことに反対」と回答していました。同日に行われた年会の特別セッションでも、賛否様々な意見が噴出したと聞いています。

2019-03-17 16:29:58
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

そもそも、天文学会として声明を出さなければならない義務や期限などはありません。となると、単に多数決で賛成が過半数だから声明を出すという考えには同意できません。今回は声明を出さずにさらに議論を続ける、あるいは、声明を出したい人たちが有志で出す、といった選択肢があったはず。

2019-03-17 16:29:58
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

断じて、これは天文学会の「総意」ではない。しかし結果は、28%の反対の声を押し切って「天文学会」の名義で声明を出すというものでした。それを決めたのは3月15日に行われた代議員総会での議決でした。

2019-03-17 16:29:58
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

私も代議員の一人ですが、総会に出席しなかったため、事前にメール投票をしました。正確な票数の結果は、なぜかまだ連絡がありませんが、ニュースによると「声明を出すことに賛成」が2/3を超えたそうです。逆に言えば会員へのアンケート同様、反対が1/3近くあったということでしょう。

2019-03-17 16:29:59
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

驚いたのは、この代議員総会の議決結果は、翌3月16日の会員全体集会における声明発表まで口外するなという箝口令が敷かれたこと。秘密にしたところで結果が変わるわけでなし、なぜそのようなことをしたのか。声明を確実に出すために、議決結果の公表と声明発表を同時にしたということではないか。

2019-03-17 16:29:59
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

天文学会は牧歌的でオープンな組織だと思っていましたが、このやり方は秘密主義的というか、姑息な感じが否めません。結局、今回の年会で任期終了となる現会長と一部の会員が、なんとか声明を出してしまおうと暴走したという印象しか持ち得ません。

2019-03-17 16:29:59
戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) @tomonoritotani

「天文学会」の名前が一部の会員に私物化されて、彼らの好きな主張を社会に対して行うために利用されたということではないでしょうか。このような学会に、会員として在籍し続けるのがよいことなのかどうか、今、悩んでいます。

2019-03-17 16:30:00
大石雅寿 @mo0210

@invitation_y 日本天文学会は、個々の研究者の考え方を制限するという考えは持っていませんが。カネがないからと言って軍事研究費に応募するかどうか。研究成果の公表に制限が加わる可能性、自分の研究結果がどのように殺傷に使われ得るのか。これらをよく考えるべきですね。貧すれば鈍する、とも言いますし。

2019-03-17 16:31:45
ككتستش @yolajojo

天文学会で行われている天文学と安全保障の関わりに関する議論について、論点の整理も兼ねて一会員の思う所を書いておく。これまでの流れを追ってなくても読めるように心がけます:この度日本天文学会の名のもとにこのような声明が発表されました。asj.or.jp/news/190315.pdf (わりとつづく)

2019-03-17 21:46:41
ككتستش @yolajojo

1)今回の天文学会での議論は日本学術会議の声明(scj.go.jp/ja/info/kohyo/…参照)に反応して始められたものです。まずこの声明自体やそのきっかけの防衛装備庁の研究費への是非といった議論があり、軍事研究、デュアルユース、学問の自由といったキーワードから導かれる話題が盛んに議論されました。

2019-03-17 21:46:41
ككتستش @yolajojo

2)軍事研究には正負両面があることには合意が得られていると思います(天文学会声明にこの言葉は使われていません)。明確な悪ではない以上、学会として禁ずるとなれば学問の自由を侵すことになりえます。その線引きは難しく、絶えず研究者自身の倫理に照らして責任を持って進める必要があります。

2019-03-17 21:46:41
ككتستش @yolajojo

3)学問の自由の保証には、より上位の概念(たぶん人権とか平和とか)を侵さないことが前提にあると思っています(cf. 表現の自由VSヘイトスピーチ)。学問の自由を叫ぶことには適切な研究者倫理を身につける責任が伴うので、デュアルユースや戦前の例については全研究者が知っておくべきです。

2019-03-17 21:46:41
ككتستش @yolajojo

4)現状大学までの教育でこうした問題を学ぶ機会は不足していると思うので、これを機に多くの人が理解を深めたのは非常に喜ばしいことだと思います。科学技術社会論という分野に関連する話だと思いますが、教養課程の必修にしてもいいくらいだと思ってます。(寄り道でした)

2019-03-17 21:46:41
ككتستش @yolajojo

5)そしてここまでの大筋には何ら不自然な点はないという合意ができるならば、これらをベースとして本題を論ずるべきでしょう。本題が何だったか、というのも曖昧ですが月報シリーズの初回(asj.or.jp/anzen-tenmon/1…)を見る限り、まず「安全保証と学術の関係を考えること」、

2019-03-17 21:46:42
ككتستش @yolajojo

6)そして「日本学術会議声明にどう反応すべきか」あたりがメインでしょうか。実は前者は以上(2)に関連した議論そのもので、会員アンケートや年会特別セッションで非常に多様な意見が集まったことが成功を物語っていると思います。後者はまた別の問題で、つい先日の学会で紛糾した点でもあります。

2019-03-17 21:46:42
ككتستش @yolajojo

7)後者については大元となった日本学術会議の声明や日本学術会議という組織の体制自体にも批判が挙がり、声明に対して反応しなくてもよいという意見も挙がりました。しかしきっかけが何であれこうした問題に関する議論が科学者コミュニティで少しでも進んだことは大いなる成果だと思いますし、

2019-03-17 21:46:42