- Uroak_Miku
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1)昭和20年発行の中三英語教科書をざっと眺めてみました。 もはや日本の敗戦は必至となった頃のものです。 東京はとうに焼け野原となっていました。
2019-03-22 11:35:552)小松左京先生がちょうどこの年恰好の頃の教科書だと今朝気が付いた。 国家の崩壊と思春期の痛みをいっしょに味わったのだ、と語っておいででした。
2019-03-22 11:41:073)前にも論じたことですが『復活の日』で人類文明が停止するのが8月で、最後まで生き残っていたチベット山岳地帯の修行僧やシベリアの村人たちもついにウィルスに感染して9月には息絶えるのは、大日本帝国の終焉を描いたものだった。
2019-03-22 11:43:295)昭和20年の新学期に、この教科書は発行が間に合わず5月にずれこんだ。 もっともこの年度より小学校より上の学校での授業は一年間、原則停止が宣言されていて、誰もこの教科書を使わなかった。
2019-03-22 11:48:516)同年8月に日本降伏。 9月に始業式があって授業再開。もっとも校舎の焼け跡の片づけが優先で、二部授業だったようですが。
2019-03-22 11:53:3010)「the War of Greater East Asia」(大東亜戦争)だの「until we establish a new order in this Greater East Asia.」(我らこの大東亜に新たな秩序を打ち立てるまで)だのと、春のメルヘンは一気に吹き飛んでいく。 pic.twitter.com/hP8fmQL2Wv
2019-03-22 14:16:2313)右ページよりアリンコの生態語り。アリさんは役割分担して働いていますというお話。 pic.twitter.com/Gwo5g7s18b
2019-03-22 14:20:2115)左下の和文英訳の課題がなんというか。 勝つためには飛行機と船をたくさん作らなければならぬ 機械を大切にしなさい壊さないように pic.twitter.com/jow5H2AXUl
2019-03-22 14:23:3119)ラストが鬼気迫る。 "A drop of oil is worth a drop of blood." (石油の一滴は血の一滴なり) pic.twitter.com/1tClQURbZS
2019-03-22 14:28:0720)右ページより航空機のお話。 物量でUSAに劣る日本、されど人口なら差を縮められる…航空機による大逆転劇は日米開戦よりずっと前の時代から大衆に夢想されていて、昭和20年のこの教科書にも空からの逆転ファンタジーが顔をのぞかせる。
2019-03-22 14:30:3721)わが軍の操縦士の技量は敵を震撼させていると豪語。 ところでこの教科書シリーズ、米英を明確に敵として名指しにした文ってこれまであったかな。このページでも「the enemy pilots」(敵の操縦士ども)と、やや曖昧な表記になっているし。 pic.twitter.com/DAA3LaVFsv
2019-03-22 14:34:1222)高空からの爆撃をもってすれば地上の敵は恐るるに足らず、酸素吸入器を使って気圧の薄さを搭乗員は乗り越えてみせる等、実際には米軍がそうやってすでに日本の街を焼き払ってくださっているわけですけど。 pic.twitter.com/gqwmypah4V
2019-03-22 14:40:0223)和文英訳の課題がなんというか。 今日の戦争は科学の戦争である 「隼」はその優秀な性能を以つて知られてゐる それらの船にはみな電波探知機が備へ附けてある 今度の戦争では幾つかの新兵器が用ひられるに至つた 偵察機はいはば部隊や艦隊の目である
2019-03-22 14:41:1124)右ページよりインドの天然ゴムのお話。 インドの独立運動に帝国日本は期待していた。指導者はチャンドラ・ボースでしたか。武闘派のひと。
2019-03-22 14:43:0425)鉄の塊にみえる軍艦も、インド産のゴムがいっぱい使われているのであると締めくくる。 pic.twitter.com/bCXsiH3yDV
2019-03-22 14:46:18