社会保障研究 2019年3月刊~特集:医療専門職の業務の変化と現代的課題
1999年に発表された「変革のための協議事項(Agenda for Change)」を受けて,2002年に新たなシステムが定められ,翌年から導入された。これは,医師を除くすべてのNHS職員に対して同一価値労働同一賃金を実現する人事・給与システムである
2019-04-07 18:22:37(。 ・ω・))フムフム 欧州労働時間指令にもとづく労働時間規制が導入された1990年代は,医療サービスが量・質ともに低下していた時期でもあった。そのため,医療専門職の労働時間が短縮されながらも,サービス供給量を増加し,質を向上させるという難題に直面することになった。
2019-04-07 18:22:37そこでサービスを担う人材確保のために行われたのが,専門職養成システムの整備であり,外国人労働者の雇用であった。さらに,サービス提供に関しては,処方をはじめコメディカルによる医療行為への関与が増加し,PAやNAなどの新たな補助職が創設され,
2019-04-07 18:22:37コメディカルにもコンサルタントの職位に達するキャリアパスが開かれるという質的な変化があった。これらの施策を通じて,多職種連携やチーム医療が行われ,医療サービスの持続可能性を保つための人的資源を確保できた
2019-04-07 18:22:38(´ω`;) 現在イギリスの医師や看護師が置かれた労働環境を見ると,所定労働時間を超えて働く者は依然として少なからずいる。特に男性で診療所を経営するGPは過半数が超過労働をし,疲弊している状態である。
2019-04-07 18:22:38看護師も含めて診療所で働く医療専門職は不足がちで,NHSの制度全体の方向性としてプライマリ・ケアの重要性が強調されているにもかかわらず,現場が追い付いていないことが本稿で明らかになった。
2019-04-07 18:23:25これまでなされてきた人材確保策や業務変化は病院を中心としたNHS職員には一定の成果を上げたかもしれないが,事業主であるGPやそこで雇用される医療専門職の処遇改善には対処しきれていないことを暗示している。
2019-04-07 18:23:26